こんにちは!
GARTEN COFFEEバリスタのあさみです。
5ターン目の子育て交換日記のテーマは、「子育てしてみて気づいた、受けつぎごと」。
vol.19「思想として今も残っている、あの時の母の言葉」
vol.20「小さい頃に培った自信が、いつかのお守りになるように。今、親としてできること」
萌さん、ひかりさん、なおこさん、それぞれの視点で綴られた「受けつぎごと」。
過去・現在・未来…それぞれの立場から泣いて笑って想像して、俯瞰すると壮大だけど、やっぱり大事なものは足元の「今」だな。
止まっていられない子育てに、毎日前を向くのに必死だけど、こうして足を止めて振り返る時間は尊いもんです。
「たくさんの受けつぎごとで形成されている今の自分」を棚卸しするように、書いてみようと思います。
「暮らし」という観点で綴ってみます。
1.不便を愛すること
2.心の声に耳をすますこと
3.季節の楽しみと小さな工夫
不便を愛すること
子育て交換日記 vol.8「みんなで褒め合い、小さな喜びを自信に変える」でも書きましたが、私は18才まで岐阜県で育ちました。
最寄りのコンビニまで車で10分、デリバリーも届かない。
テレビで見る「流行りのスイーツ」が食べたければ、「どうしたら作れるか」を本気で考え、集められる材料で “それらしいもの”を作ったりしました。笑
庭の大きな柿の木に父がタイヤを使って作ってくれたブランコやアスレチック、愛犬の犬小屋、兄のバスケットゴール。
欲しいものがあれば、家族で話し合い、夢の絵や設計図を描いて、材料を集めて、みんなで力を合わせて作る。
欲しいものがある時、「どこで何を買う?」ではなく、「どうしたら理想のものが作れる?そもそも理想のものってどんなもの?」という思考を増やしてくれたことは、大人になって感じた財産。
「不便」って「工夫」するんですよね。
家の真ん中に鎮座する暖炉もそう。
木を集め、薪割りをして、乾かして備える一年。
凍える寒さの中、火をおこすまで時間も手間もかかります。
でも、火は1度として同じ揺らぎはないと気が付いたこと、夕食後にコーヒー片手に家族が吸い寄せられるように集まってくること、暖炉の中で焼き芋、焼き林檎、ピザだって焼けること(絶品!)。
手間をかけた分、より愛おしい時間に。
とは言え、今は大都会東京暮らし。
大きな庭や暖炉だってありません。
そんな中で子どもたちにも「不便の中に見つける工夫と楽しさ」を見つけて欲しいので、定期的に家族でキャンプに出かけるようにしています。
雨の寒さで凍えながら過ごす夜も、夜のトイレに行くたびにドキドキするのも、夕食の火起こしに1時間かかるのも、不便さがあってこそ得られる喜びや達成感は格別。
そして、そこに家族の協力が不可欠であることも。
不便の中で「見つけ出すこと」「培う冒険心、好奇心」そしてそれを生活に「落とし込む力」を育みたい。
キャンプに行けなくても、何でもない日に部屋の電気を全て消して懐中電灯やキャンドルを灯して過ごしてみたり、夜の散歩に出かけたり…便利な日常の中で何か一つ抜いてみる、そんなことでもいいなと思っています。
きっといつもの景色だって、ちょっと違って見えるはず。
心の声に耳をすますこと
今年、実家に帰ったときのこと。
真夏の日のスコールを部屋の中から見ていたら、幼少期に雨の中で遊んだ記憶がふと浮かんで、子どもたちと裸足でびしょ濡れになって遊んでみました。
生暖かい水たまり、走るたびにピシャリと飛ぶ水しぶき、雨がシャワーみたいに気持ち良くて、子どもたちと同じ目線ではしゃいだ日。
(あ、いつもの日常なら、「あー服や靴が汚れるからやめてくれよ〜」って泣き顔になっているシーンです。笑)
大人の都合で、子どもの好奇心を奪いたくないなぁなんて思いました。
改めて感じた大事なこと、それは“子どもの頃、存分に子どもらしくいさせてもらえた”こと。
嬉しい時は大声で笑う、歌う、走り回る。
悲しい時は泣く、隠れる、自分だけの逃げ道を見つける。
そうやって身体を使って外に表現できたのは、自分の心の声にちゃんと耳をすませていたからかなと思います。
大人になると蓋をしがちだからこそ、子どもたちには自分の気持ちに正直に、周りの目を気にしすぎず心を満たして欲しい。
大人になって自分の感情に蓋をしそうになった時だって、ちゃんと心の声に耳をすませますように。
自分自身が良き理解者であり、自分のことを認めてあげられますように。
季節の楽しみと小さな工夫
まさにNEXTWEEKENDのコンセプトですが…!
庭で育てたお花を、父がそっと家のいたるところに飾ってくれています。
外壁に備え付けられた花瓶は、季節のお花がよく飾られていて、実家に帰るたびに楽しみにしている場所。
お花に限らず、採れたてのミントをさしていた時は、「あ、こうやって自由に楽しめばいいんだ」と思い、東京に戻ってからさっそくベランダ菜園のミントをカットして食卓の花瓶に。
大きな庭が無くても、お花屋さんでわざわざ買わなくても、お散歩中に見つけた野花でもいい。
そう思ったら、「花瓶に飾ること」自体のハードルがぐっと下がりました。
7人で暮らしていた家も、今は父と母の2人暮らし。
それでも、毎日の暮らしに「季節の楽しみと小さな工夫」を忘れない両親の姿こそ、現在進行形で受けつぎたいことのひとつ。
特に思い出が詰まっている実家の庭(GARTEN)。
いつも誰かが遊びに来ていて、お客さんがゆったり座れるコーヒーテーブルは日当たり抜群。
木に埋もれるように設置されたベンチ、大人も胸高鳴るツリーハウス、実がなる木、季節のお花。
「誰かのため」の優しさを感じる場所。
友達が遊びに来てくれると、駅の改札で「ハワイの空港で出迎える現地の人」的なテンションの高さで、紙に「WELCOME!〇〇〜!」なんて書いて相手を赤面させる母のおかげで、今や私がいなくても友達が実家に帰っていることも。
いつか息子たちの友達が私に会いに尋ねてくれたら最高だな。
そんな母ちゃんでいたい、なんてちょっと憧れているところです。
なんでもない日に一手間加えてみること、「暮らしの楽しさを見つける力」を育てること、はりきる日は自分が一番盛り上がっちゃう姿勢、日常に子どもたちの作品を加えること、ともに生活を作っている意識を持つこと。
毎日じゃなくたって、出来る時だけでいい。
無理せず、自分自身も楽しみながら、その小さな余白を大事にしたいと思います。
先日、萌さんがInstagramに投稿していた話。
娘の杏ちゃんに「ぶんかってなに?」と聞かれた時、「幸せとか豊かだなって思うことを続けていくことだよ」と答えたこと。
ずっと心に残っています。
それぞれの「受けつぎごと」がふるいにかけられたり、積み上げられながら、家族の文化になっていくんだろうな。
食卓に飾る小さな花瓶ひとつでもいい、夜のお散歩でもいい、小さな演出を忘れずに、ときに子ども心に返ってみる。
子どもたちが大人になった時に、どんな「受けつぎごと」を感じてくれるかは想像もつかないけど、今は「足元」を大事に脈々と伝えていきたいな。
さて次回は、あやのさんにバトンを渡します。
オフィスにいると、パッと華やかになるくらい明るいエネルギーに満ちたチャーミングなひと。
息子のしのくんも1歳になって、子育てのフェーズも変わってきた頃かな。
あやのさんのお母様はしのくんが生まれて、今まで苦手だったお菓子作りやパン作りに目覚めたという話も!
しのくんが家族に加わったことで、無意識だったけど心に根付いていた「受けつぎごと」や、家族の新しい一面を見ることも増えたかなと思います。
最近の様子を含め、是非あやのさんファミリーの「受けつぎごと」教えてくださいね。楽しみにしています♩
Illustration:Chiharu Nikaido