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子育て交換日記6ターン目のバトンを受け取りました、Weekender編集部代表の永田尚子です。

前回のひかりちゃんの「夫の“なんでよ”と思っていたことに、実は意外と助けられていた」にある旦那様の休日の整骨院にも家族で行くと「おでかけ」になるという考え方、素敵やなぁ。
効率化を求めるだけじゃ得られないものもあるよなぁ。

我が家は私と夫、長男6歳(この春から小学生)と次男4歳(年中)の4人家族。

もぅベビーカーなしでどこへでも行けるし、それぞれリュックも背負ってくれるし、「赤ちゃんを育てるフェーズ」から「チーム家族」へと変化してきました。

NEXTWEEKENDでも、「#かぞくごと」や「FAMILY NOTE」、そしてこの「子育て交換日記」などを通して考えさせられる機会も多く、最近手に取る本や観る映画も「家族モノ」が自然と増えてきたように思います。

先日実家に妹と私と孫5人が集まった時、父が「この中で純子(母)と俺だけは血が繋がってないからなぁ!ははは!」というようなことを言っていました。

確かに夫婦は、血縁の上では他人です。
でも親や子と違って、唯一自分で選んだ家族なんですよね。

そんな私が選んだ夫はどんな人かというと、あそこまで熱くはない松岡修造のような人で、明るくて、誰とでも話せて、下準備は誰よりも徹底しているのに努力は見せず、どんな場面でもNOと言わずに手段を探るようなストイックな人です。

私はそんな彼に「ミスどんぶり勘定」と呼ばれるほど気前だけはよく、なんでもエイヤー!と勢いで進めてしまうのですが、その大胆さも時には役に立つこともあり(?)、あとは敏腕マネージャー(夫)のおかげでなんとか事なきを得ています。

実は感謝している、夫のそういうところ
1. 何を話しても全肯定で受け止めてくれる
2. フットワークの軽さと下準備
3. ブレない信念

 

1. 何を話しても全肯定で受け止めてくれる


▲(上から)クリスマスデート、私の誕生日、友人に売れないバンドのニューシングルかと言われて封印していた写真、留守を頼む日の弁当

 

引っ越しや、環境の変化もあり、去年の春は一旦全ての仕事から離れて専業主婦になってみようと宣言していました。
すぐに、「いいね!」と夫。

とはいえ、私の性質的に何かしら動きたくなるはずだと踏んでいたと思うのですが、ちょうど任天堂Switchのどうぶつの森の発売も重なり、過去作から溺愛していた私は発売日の0時から取り憑かれたようにゲームしかしなくなりました。

虫や魚を捕まえて、フルーツを収穫して、せっせとベル(ゲーム内での通貨)を貯めてローンを返済し、家を増築し、好きな家具だけでレイアウトできる夢の空間に溺れまくり…はっ!と目が覚める夏まで見事に円を稼がず、ベルを稼ぎまくるニートでした。

ちなみに子どもたちにゲームと悟られると「やりたい!」と言われるのが面倒なので、「これは新しいお仕事やねん。街のインフラを整備してるねん。」と断言し続け、Switchをする時は、難航してる会議に参加しているかのような、やや難しい顔で取り組んでいました。

そんな私ですが、何を話してもまず最初に「いいね!」と笑って言ってくれる味方がそばにいたからこそ、日々の家事や育児も何倍もの力がみなぎったし、日々の活力になりました。

ちなみに、なぜそんなふうに人を肯定してくれるのか夫にインタビューしてみたところ…。
幼少期に仕事が忙しかった父に代わって母が小旅行によく連れて行ってくれたそうなんですが、例えば1日の予定や交通手段など、小学生だった夫を子ども扱いせずに提案した案を採用してその通りに実行してくれたことが嬉しかったことが原体験になっているようです。

今でも、孫たちが何を言ってもお母さんは絶対に否定せず、「そうかもしれないね~!」とニコニコと聞いている姿をよく見るので、その受け止め方は私も日々見習いたいなと思っています。

 

 

2. フットワークの軽さと下準備

まだ結婚前の春のこと。
そろそろ桜が見れるかな?と、流れで行ってみることになった公園に、その場で電話して「桜は咲いていますか?どれぐらい咲いていますか?」と聞いている夫。
「公園に電話番号あるんや!」と思いました。(そこかい!)

5月に結婚式があると言えば、すぐに場所を調べてホテルと飛行機を取ってくれたり、もっと身近な話で言えば、入園入学の事務手続きや暮らしに関わることも全部率先してやってくれています。

文章では饒舌&陽気に見える私は、案外人と話すことにスイッチが必要で、ヘアサロンの予約もネットでできる時代になってしみじみ感謝しているタイプ。

一方で人と話すことが好きな夫は、蛇口の取り替え作業に来た寡黙そうなお兄さんに延々と世間話や素朴な疑問をぶつけ続けたりするので、「この方は誰とも喋らずに淡々と進められるからこういう仕事を選んでるんちゃうの?」と仲間のような気持ちになり心配になることもありますが…

夫はとにかくなんでもメモをEvernoteとGoogleMapに残すので、誰かが美味しいよと教えてくれたお店や、私がポロッと言った行きたい場所や欲しいもの、「次ホームセンター行ったらアレ買おうか」みたいな会話の中で流れて消えていくようなことも全部一瞬で呼び戻せる上に、プランBを即座に出せるという得意技もあります。

なぜそうなったかというと、高校卒業後、親元を離れてアメリカへ行ったときに初めて「予約すること」を学び、そのあと仕事で人のお世話をする際にいかにスムーズに案内するかを追求した結果なのだそう。

思えば中学生の頃に部活の仲間と「ラーメンを食べよう」となった時も先陣を切ってお店を提案したらしく、それは同じ時間とお金を使うなら最大限に楽しみたいという気持ちからだったとのことです。

今までは足で情報を取りに行くことしか頭になかった私が、今では電話すれば大抵のことは解決するし、メモしておけば役に立つし、物事がよりスムーズに進むと学べたのは夫のおかげです。

 

 

3.ブレない信念


▲おそらく20年着ているUSATシャツ(上)、旅行に行くたびに部屋に先に置かれていたお花(左下)、産後初帰宅の日の夫作の浸み込むごはん(中央下)、相当奮闘したらしい定食ご飯(右下)

 

新婚当時は夫の一人暮らし用の小さな冷蔵庫を使っていましたが、私はホームパーティーが好きで、その頃は毎週のように友人たちが来てくれていました。

料理を何種類もテキパキと出したい私は「冷蔵庫、買い替えたいなぁ」と思い始めます。
しかし、とにかく物を大切にする夫。

とある事情で泣く泣く白い本棚を粗大ゴミに出すときは、最後にその棚と一緒に写真を撮って欲しいと言ったし(撮ってあげた)、就寝時は「USA2002」と書かれたスウェットを愛用していて(来年で20年目!?)、とにかく壊れるその日まで愛用するのが彼のポリシー。

そんな中、夜な夜なGoogleで「冷蔵庫 壊す」と検索していたブラックな私。
そしたら予測変換に「冷蔵庫 壊す 自然に」と出て、(すごい!うわて!)まるで爆弾処理班のように何色のコードを切るべしという記事まで見つけました。

が、無事に思いとどまり、長男出産のタイミングで母乳を冷凍するなら小さすぎるよねという話でファミリータイプに買い替え、小型の冷蔵庫は友人に譲ることになりました。

そんなふうにモノを大切にする夫は、いろんな記念日も何年経っても同じように大切にしていて、小さなギフトを用意してくれています。

それは私が友達に「結婚記念日(誕生日、クリスマスなど)何もらった?」と聞かれた時にちゃんと答えられるように贈りたいのだそうです。

男女問わず私の友人たちとも自分の友達のように付き合ってくれていて、とある私の誕生日には、私が帰宅するとみんなで楽しそうにケーキを用意してくれたりもしました。

あとは「(値段が)高いから、安いから」という感覚ではなく、ひとつひとつの選択をお金以外の判断基準で「今選べるベスト」をしっかり見極めようとするところも尊敬しているところ。

ちなみにこういった価値観も、夫はご両親から受け継いでいるのだと思います。

今でもお裁縫が得意なお母さんは何でも上手に修繕してくださるし(私がまさに今履いているオレンジのパンツもコケて膝に穴が開いたものを魔法のように直してくれたもの。)、機械に強いお父さんはDIYも水平を出してから棚を取りつけるほど丁寧。(きっとミスどんぶり勘定の私の所作の雑さや根拠のない楽天的な思考には閉口してることでしょう!笑)

…と、つい夫の生い立ちまでさかのぼってしまいましたが、みんなの「子育て交換日記」を読んでも感じるように、夫婦として、家族として、コミュニケーションってやっぱり大事だなと思います。

自分にとっては不思議に思う相手の行動も、その背景を知ると納得できたり感謝したくなることもきっとあるはず。

冷蔵庫の話はきっと夫はこの記事を読んで知ることになるであろう小ネタですが、ここに書いてみて初めて、それ以外の想いについても実はあんまり日々伝えてなかったなと気が付きました。

友達とのグループLINEと違って、夫とは円滑なチーム育児をする上での軍隊の業務連絡みたいになっていたので、これを機に価値感や思想の部分もしっかり共有したいな。

FAMILY NOTEにも、子どもたちに受け継ぎたいことをしっかり残したいです。

 

さて次のバトンは、引っ越しを終えて新生活の基盤づくりに奮闘しているであろう、あさみさん。

あさみさんファミリーとはプライベートでも何度かお会いしていて、私や夫が夢中になって美味しいものをいただいている間に、旦那様はうちの子たちと楽しそうに遊んでくれていたりするような方。

日常が劇団四季くらい情熱的で愛に溢れたあさみさんならではの視点、楽しみにしています!

 

Illustration:Chiharu Nikaido

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