日本だけでなく、世界各地で古くから伝わってきた植物療法。
連載「植物で叶える。現代版おばあちゃんの知恵袋」では、植物療法士であるWeekender編集部代表コラムニスト齊藤 渚さんが、今の暮らしに取り入れやすいフィトテラピーTIPSをお届けしていきます。
からりとした秋風が心地よい季節になりましたね。
ドラッグストアではボディクリームやハンドクリームの売り場が広がり、肌の保湿ケアへの意識が高まりますが、目のケアはいかがでしょうか。
乾燥するのはお肌だけでなく、目も同じ。
ただでさえ、PCやスマホ、コンタクトなどで目を酷使している現代人は、疲れ目で乾燥しやすいと言われています。
疲れ目を放置すると、視力の悪化や頭痛の原因になるんです。
また、乾燥・充血した瞳は、アイメイクだけでは輝きを補えません。
目薬は即効性があり良いアイテムですが、差し過ぎは禁物。
やはり目の本来の力を取り戻すためには、適切な栄養と休養が必要です。
毎日お世話になっている目に感謝をこめて、ケアをしてあげましょう!
疲れ目におすすめ。菊とクコの実のお茶
10月下旬から見頃をむかえる菊。
全国各地で菊まつりが開催されます。
鑑賞としても楽しめる花ですが、実は栄養も豊富(食用菊の場合)。
特に、目の粘膜の健康に良いビタミンAや抗酸化成分を含み、疲れ目や充血におすすめです。
生薬では「菊花(キクカ/キッカ)」と言い、漢方薬あるいは中国茶や薬膳食材を販売しているお店で見つけることができます。
疲れ目やかすみ目に処方される漢方薬に「杞菊地黄丸」というものがあります。
これは菊花のほか、クコの実などをブレンドしたもので、この2つは古くから相性が良いとされてきました。
クコの実も目の健康に欠かせないビタミンなどが豊富。
お茶にした後、そのまま食べても良いです。
お茶にする際、特に配分にルールはありませんが、まずは1カップにつき菊花を小さじ2、クコの実を小さじ1程度で淹れてみましょう。
淹れ方は過去にご紹介したハーブティーのコラムを参考にしてください。
瞳に休息を。カモミール温湿布
キク科の仲間であるカモミールには、神経をゆるめ、あらゆる炎症を鎮める効果があると言われています。
疲れ目のために試してほしいのが温湿布。
近距離を長時間見ることで目の筋肉がこり固まっていると、血流が悪くなり、目の栄養成分も運ばれにくくなるため、温めてこわばりを緩める必要があります。
やり方は簡単。カモミールのティーバッグを2個使ってハーブティーを淹れた後、取り出して少し冷まし、触れるほどの温度になったら絞ってまぶたに当てます。
最低2~3分はお休みしましょう。
余力があれば、まぶたを閉じながら目を上下左右にストレッチ。
冷えてきたなと思ったらはずしてください。
ハーブティーに手ぬぐいやミニタオルを浸してから行う方法でもOKですよ。
「心の窓」とも言われる目。
瞳を本当に輝かせるには、イキイキとした心のあり方が一番大切かもしれません。
もちろんきれいごとばかりではない毎日ですが…。
移ろいゆく季節の変化を見つめ、日々をかみしめながら生きるそのまなざしが、より美しく輝きますように。
<参考文献>
「自然ぐすり」森田敦子(ワニブックス)
「メディカルハーブレシピ」ローズマリー・グラッドスター著/大滝百合子・訳(東京堂出版)
Editor:Tomomi Watanabe , ふじのあやこ
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