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日本だけでなく、世界各地で古くから伝わってきた植物療法。

連載「植物で叶える。現代版おばあちゃんの知恵袋」では、植物療法士であるWeekender編集部代表コラムニスト齊藤 渚さんが、今の暮らしに取り入れやすいフィトテラピーTIPSをお届けしていきます。

新学期、新生活、異動など…新しいスタートを切る方も多い4月。

心機一転、ワクワクと前向きになる思いもあれば、緊張や不安を感じる時もあるかと思います。

今回は、そんな張り詰めた気持ちをほぐし、前に進む力に変えてくれるようなハーブティーとアロマをご紹介します。

大人から子どもまで
リラックスできるハーブティー

ハーブティーというと、どれを選んでもリラックス効果があるもの、というイメージがあるかもしれません。

もちろん、お好きな風味のハーブティーがあればそれをお楽しみいただくことが一番ですが、フィトテラピーの観点で取り入れてほしいのが「パッションフラワー」と「メリッサ」。

この2つは、神経をリラックスさせる働きがあり、不安感を和らげるといわれています。

また、レモンのような香りの「レモンバーベナ」も緊張感を取り除き、気持ちを上げてくれるハーブのひとつ。

「メリッサ」と「レモンバーベナ」は、作用が穏やかなので、6歳以上のお子さまにもおすすめですよ。

 

材料

【大人用】
・パッションフラワー:小さじ1と1/2
・メリッサ:小さじ1と1/2
・熱湯:200ml

【子ども用(およそ6歳~15歳)】
・メリッサ:小さじ1
・レモンバーベナ:小さじ1/2
・熱湯:150ml

※ハーブはハーブティー用(食用)の乾燥したものをお使いください。

作り方

1. ティーポットにハーブと沸騰した熱湯を入れる。

2. フタをして5~10分以上蒸らせば完成。温かいうちに、ゆっくり飲みましょう。
お湯の中で自由に動くハーブの眺めにも癒されます。

植物の知恵袋メモ

パッションフラワー:
古くから“天然の精神安定剤”と呼ばれ、神経系をリラックスさせ、不眠に効果がある。

メリッサ(別名 レモンバーム):
不安や悲しみを和らげ、心を明るくする作用がある。PMSや更年期の症状にも◎。

レモンバーベナ:
自律神経の乱れを落ち着かせたり、情緒不安定やストレス性の胃痛の緩和にも良い。

 

気持ちをほぐす香りの選び方

天然の良質なアロマは、脳の感情を司る部分や自律神経に働きかけます。

中でも「柚子」、「マンダリン」、「ベルガモット」などの温かみのある柑橘の香りは、気分を明るくほぐしてくれるので、お子さまにもおすすめ。

お部屋でディフューザーを焚いたり、ハンカチに一滴垂らして香らせましょう。

大人の女性には、「ローズ」、「ジャスミン」、「ネロリ(オレンジフラワー)」を。

不安や憂うつ感を払拭し、幸福感を呼び覚まします。

ただ、この3つの精油は高価なので、芳香蒸留水やこれらの天然の香りを使った化粧品だと、取り入れやすいです。


▲左:ローズやベルガモットの香りの保湿ミスト(イミディエイト モイスチャー フェイシャル イドロソール/Aesop)、右:香り物ではないが、花のエネルギーを閉じ込めた“フラワーレメディ”もストレスを感じる精神面に◎(レスキューレメディー/バッチフラワーエッセンス

 

頭で考えても心の整理がつかない時、フィトテラピーは心身の深い部分から癒してくれます。

新しい一歩を進むお守りに、ぜひお役立てください。

 

<参考文献>
「自然ぐすり生活」森田敦子(ワニブックス)
「自然のお守り薬」森田敦子(永岡書店)

 

Editor:Tomomi Watanabe , ふじのあやこ

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