大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、彼の浮気相手に子どもが生まれるけれど、女である自分を重視した方がいいのか悩んでいる相談者さんからのお悩みです。

8年交際、同棲していた婚約者が数年間浮気していたことが分かり、相手は妊娠、子どもが産まれてきます。
彼の浮気には全く気がつかず、日々の生活は幸せなものでした。
彼はこんなことがあっても私との結婚を望んでいます。
出来れば、私も彼の浮気とは無関係なフリをして彼と結婚したい。
彼との幸せな時間だけを共有し続けたいと思っています。
ただ、このまま彼と結婚することに不安もあり、愛しているなら彼を手放し、浮気相手との子どもを幸せにしてあげて欲しいと伝えることも、彼への最大級の愛なのではないかと考えてしまいます。
いま私が掴んだと思っている彼からの愛は、浮気相手への女としての優越感とイコールなのかもしれません。
正直、結婚への焦りもあります。
本当の幸せとは、本当の愛とは何なのか考える日々です。
もし、彼と結婚し、私たちとの間に子どもが産まれたら、産まれてくる子どもはその瞬間から異母兄弟がいることになります。
そのとき初めて私は自分の子どもに申し訳ない気持ちがうまれるのではないか、母親になったとき私と彼の過ちに気づくのかもしれないです。
もちろん、私の両親は彼との結婚に大反対です。
側から見ればそんな男と思われる相手と結婚し、女である自分を重視して結婚すれば子どもは不幸になるのでしょうか？
（30歳/女性/会社員）

こんにちは。葉桜と同時に薄着で過ごせる日が増えて、一年の中でも特に過ごしやすい季節になってきたかと思いきや、今週はとても重くて深刻なお悩みが沢山届いていました。

その中でも今回選ばせていただきたいと思ったのがこちらのお悩みでした。

8年もの月日を一緒にいた人から、ずいぶん長いこと裏切られていたというのは、本当に辛かったですね…。

今もどこか自分に起きた出来事ではないような感覚すらあるかもしれません。

この事実だけを聞くと「そんな人とは別れた方がいい、まだ入籍をしていなくて、ご自身に子どもがいるわけではないんだから何も悩むことはない」という意見がほとんどだと思います。

私も同じです。

だけど、大好きな彼が自分を選んだのであれば何事もなかったかのように一緒に暮らしたいと思うほど、もはや彼が自分の一部になっていて、この混乱の最中にそれを望んでしまうという相談者さんの気持ちも分からなくありません。

ちなみに彼は子どもを認知せずに、お相手の方がお一人で育てられていくということでしょうか？

相手の女性が“婚約者のいる男性”と知って浮気していたのであれば加害者ですが、今回の場合は相手も被害者です。

むしろ「数年間付き合った彼が、突然他の女性と結婚すると言い出しました。私のお腹には子供がいます」という、こちらも深刻且つ壮絶な悩みです。

裏切ることに慣れてしまっていた彼の言い分だけで事を進めるには、危険だと思います。

なんと言って彼女の元を去ってこようとしているのか、彼女はどんな理解でいるのか、彼とこれからも歩もうとするのであれば相談者さんはちゃんと知っているべきだと思います。

三人で話すのはどちらもいたたまれないかと思いますが、書面を交わした後にスピーカーフォンで会話するでもいいし、第三者（弁護士や彼の親御さん）に入ってもらう形でもいいので、事実を整理した方がいいと思います。

逆に認知するのだとしたら彼はこの先も養育費を払い続け、先方の要求する面会などにも応じ、相談者さんの戸籍には相手方のお子さんの名前が載り、将来的に誰もこの世にいなくなった時には、相談者さんのお子さんと相手方の子どもが相続問題で話し合うようなことまで起こるかもしれません。

あなたの彼が今すでに相手の女性のお腹の中で“一人の人間の人生”を始めさせようとしているのだから、簡単な問題ではありません。

女性としての優越感とおっしゃっているものはずっと続くわけでもなく、たとえばこの先も、自分の仕事が忙しい時には“彼が浮気していたらどうしよう”と常に不安がつきまとうだろうし、万が一将来相談者さんが不妊に悩むことがあって、そんな時にお相手のお子さんが運動会だったりしたら、気が狂いそうになるかもしれません。

将来生まれてくるかもしれないご自身のお子さんが幸せかどうかだけでなく、まずは相談者さん自身が幸せかどうかを、そうだと思い込むだけでなく、向き合ってみてくださいね。

それでも、相談者さんにしか分からないところで彼の真意や誠意が理解できて、やっぱり22歳から一緒に過ごしてきた人と将来を紡いでいきたいと思うのであれば、“結婚への焦り”や“優越感”といった瞬間的なものではない、大きな覚悟をされなくてはいけないと思います。

（むしろ優越感は「大好きだったけど、お幸せにー！」と言って立ち去った方がよっぽど感じられる気もしますが…）

今はきっと心身ともに疲弊して、ご両親まで不安にさせてと、辛さでいっぱいだと思います。

1泊でもいいので一人で温泉にでも行って、好きなもの食べてゆっくり考えてみてくださいね。

30歳なんて、まだ100年時代の3分の1です！心から応援しています。

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身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
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