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大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、誰にも会わない田舎での孤独な日々に限界を感じている相談者さんからのお悩みです。

萌さん、こんにちは。
NEXTWEEKENDの魅力的なコンテンツの数々にいつもパワーをもらっています。
突然ですが、私の悩みを聞いてもらえたらうれしいです。
生活環境が合わず悩んでいます。
いま住んでいる土地には夫の職場があり結婚を機に越してきて8年になるのですが、地元の東京に戻りたいと思っています。
私は、仕事はしていますが完全リモートの仕事で人と会うこともなく、この土地に家族や友達もおらず、田舎で近くに出かける場所もなく車も持たせてもらえず、ほとんどの日を誰にも会わず家で過ごしており、会話は3歳の息子とがほとんど(平日日中は保育園に行ってます)、
孤独な日々に限界を感じており、鬱になりそうです。。。
夫とは産後から関係性が悪化しており、修復を試みましたが、人間なかなか変わらないもので、子供のこと以外あまり会話はありません。
(それでも以前よりは良くなりましたが…)
息子の前では暗く沈んでいてはいけない、明るいお母さんでいたい、と思うことだけが原動力になっていてなんとか生活しています。
地元に戻るとなると、、、
家を建てており住宅ローンを組んでいて売却したとしても借金が残ります。
夫の会社は東京に支店など無いので転職してもらうことになります。
夫にももちろん相談しましたが、今の仕事にやりがいを持っており都会も苦手で反対しています。
地元には私と夫の親、兄弟もおり、私は地元なので友達もたくさんいます。
この土地には頼れる人も身近におらず、子育てもひとりでしてきました。
この8年、交友関係を作ろうとしたり、土地に馴染めるようになる努力もしてきたつもりですが難しかったです。
地元に帰って過ごす時間があればこの気持ちも和らぐかと思いましたが「やっぱりここで暮らしたい」と思いが増すばかりでした。
夫との関係性が今よりも良くなれば、ここで暮らせるのかもしれないとも思いました。
しかし、以前より関係性が改善してもやはり東京に帰りたい気持ちは変わりませんでした。
私にとっては地元は安心できる場所で、最悪、離婚になってしまっても戻りたいと思う気持ちもあります。
2年以上、悩んでおり最近では体調を崩す日も増えてきました。
萌さんだったらどのように決断されますか?
(40歳/女性/会社員)

 

寒い日が続きますねぇ。和室のある一軒家に暮らし始めて丸1年。

これまで使ってきたインテリアと合わないからという理由で掘りごたつを埋めて、開放感がないからという理由で襖を取って大きなリビングで暮らしていましたが、あまりの寒さに限界を迎え、今月に入って襖を全て元通りにしました…。

もうね、快適で…!

楽しい暮らしの提案というのは、あくまでもインフラの上に成り立っているのだということを痛感しました。

早く春になってまた襖をとりのぞきたいですけどね。(懲りない)

前置きが長くなりましたがお悩みをお送りいただきありがとうございます。

見知らぬ土地での8年間、初めての子育てに、追い討ちをかけるようなコロナ禍…、とものすごく心細かったですよね。

数年前の私だったら、まず自分の興味関心ごとを育てて、今住んでいる土地でその輪を広げたらどうでしょうなんて回答したかもしれませんが、私が今住んでいる長崎の中心部から離れた場所も、歩いて行けるような場所はほとんどありません。

私は車を運転しますが、保育園の送迎前後に立ち寄るサードプレイスのようなカフェもほとんどなく、平日は自分で予定を入れなければ、家・保育園・スーパー(もしくは直売所)のみの生活です。

他にも選択肢がある上で在宅ワークをするのと、それしかなくて家にいるのとでは、気持ちの余裕はずいぶん違いますよね。

だから、娘が多感な時期にこの自然が多い場所に住むことができて、沢山の経験ができてよかったと思っていますが、相談者さんの気持ちは昔よりもずっと理解できます。

空気がこもった部屋を換気するのと同じで、物理的に移動することや、人と会うということは、自分の気持ちを循環させるためにも本当に重要なことだと思います。

いくらスマホの中に沢山の情報があっても話題の映画作品が見放題でも、思考や感情は想像以上にデリケート。

何も考えないようにしたって、過去の後悔や他人への嫉妬、未来への不安に襲われ、良くないタイミングでSNSやニュースを見ると更に落ち込んで…、とどこまでも悪い方向に行ってしまうことだってあります。

そこに小まめに風を通してくれるのが、出会いです。

もちろん、音楽や香りなど自分自身で切り替えることだってできますが、出会いほど五感を内外から刺激するものはありません。

だから、今の環境のままであれば相談者さんがもったいないと思います。

まず、段階を踏んでみてはどうでしょうか。

鬱になる程深刻な状況であることを改めてパートナーに伝え、相手の対応次第では、一緒にいたいけど別れることすら考えたということも話してもいいかもしれません。

あくまでも責めるのではなく、むしろこんな気持ちになってしまったことへの悲しみを伝えるのがいいと思います。

次に、車を持たせてもらえないというのがどんな理由か分かりませんが、上記の話し合いの末、運転できるようになるとだいぶ見える景色は変わると思います。

田舎暮らしに車がないのは、あまりに辛い…。

そして運転できるようになったら、通う場所を作ってみてほしいです。

多少遠くても通勤時間だと捉えて、たとえば景色の良い窓辺やコーヒーが美味しい店、同じように黙々と作業する人がいるコワーキングスペース(そんなおしゃれな言い方じゃなくてもいいかもしれません)や常連になれる喫茶店、そんな場所を探して通ってみると気持ちはずいぶん切り替わるはずです。

何かしらの理由で絶対に運転がNGな場合は、可能な範囲で公共交通機関を使って上記のことができたらいいなと思います。

それでもダメなら、数ヶ月に一度一定期間東京に行く、といったことができないかなと思っています。

私はアスリートである夫の移籍に合わせて移動を続けていますが、10年間常に地元である東京と2拠点生活をしていることでバランスが取れている部分が多いにあります。

子どものことやコロナ禍で難しい時もありますが、常に次の予定が決まっているのは相談者さんにとって支えになるはずです。

極端な話、東京じゃなくたっていいんです。

相談者さんのお仕事がリモートでできるのであれば、息子さんと定期的に好きな場所でワーケーションしたっていい。

この前ヨロン島を訪ねた時、娘は毎日現地の保育園に通わせてもらっていましたが、バナナを収穫したりガジュマルのツリーハウスを駆け上ったりと、これまでにない良い経験ができました。

子どもを連れ回しているような見方をする人もいるかもしれませんが、子どもが部活だのなんだので自分の予定で忙しくなるのも、あっという間のはず。

行ける時に色んな景色を一緒に見て沢山の出会いを経験させたいと思っています。金銭的、時間的に余裕がある人しかできないもの、と思ってしまうとそれで終わってしまいますが、今は時代の大きな転換期。ちゃんと向き合ってみると、それなりに手段は揃っているはずです。

今の相談者さんの生活では、東京に完全に戻ることだけが唯一の答えのようになっているかもしれませんが、まずは風を通してあげること、心を循環させることを優先してみてくださいね。答えはきっとひとつではないはず。

あなたの明日は自分で作れます!応援しています。

 

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「編集長がこたえます」が本になりました

人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!

NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。

その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

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身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
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悩んだ日でもお腹は空く。
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「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
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