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こんにちは。
トップバッターの私に、またバトンが戻ってきました。

かつて友達との間で書いていた交換日記は、1日でも止めると怒られていましたが、だいたい半年で自分に戻ってくるこの子育て交換日記のバトンは、ほどよく気持ちも棚卸しされていて、なにより短期間でも子どもは確実に成長しているので、定点観測できる良い機会になるんだよなぁ、なんて手前味噌ですが。
このページを開いてくださってありがとうございます。

私が毎回お題を決めさせてもらっているのですが、6ターン目となる今回は「実は感謝している、夫のそういうところ」です。

あっという間にやってきた音声SNS、clubhouseの時代。
もちろん、まったく関係なく過ごしている、という方も多いかもしれませんが、パートナーが家にいるのに、仕事以外でもずっと誰かと話している、というのは結構な疎外感。

少し前からラジオアプリなんかは充実してきていましたが、clubhouseのように偶発的な出会いまで楽しめるなんて、これを皮切りに様々な音声SNSが出てくる未来はすぐそこ。

いやいや、でも家族の中での偶発はいずこに…?
時間を作ってディスカッションをする?記念日は一緒に過ごす…?

お互いに、日々、人としてアップデートされていくのに、表面的な必然だけ押さえればいいなんて、そんな甘いものではありません。

日常の行動の中で同じものを一緒に見て、それに対する反応で、お互いの今の価値観をすり合わせたり、その都度思いやったり感謝を伝えたりすることが、コミュニケーションの上では重要なはず。

「あの時 同じ花を見て美しいと言ったふた〜りの、」なんて歌詞を思い出しますが、まさにそう。

随分と長いことスマホに手を奪われていたのに、耳と口まで奪われてしまったら、もうこれは物理的に一緒にいたって“家族の時間”ではなくなってしまいます。
「心と心が〜今はもう、かよわない!」が現実に!

だからやっぱりちゃんと、家族が精神的に近くあるために。

今回はこのお題を書き残すことで、自分への戒めとしても些細なことに敏感になっていきたいし、当時「ありがとう」を伝えたからもういいのではなく、敢えて自分の夫にももう一度ちゃんと伝えたい。

それから、誰かのパートナーが読んでくれることで、「そんなことでいいの?」と、今晩少しでも家族の時間が増えたらいいな、なんて思っていたりします。

 

1.「ごめんね」はやめて、「ありがとう」にして。

これは娘が生まれて1ヶ月も経たない頃のこと。

夫が娘のオムツを替えている時に「あ!ごめんね、うんちだった?」と私は何の気なしに言ったのですが…。
「ごめんねは悲しいから、ありがとうにして?」とのこと。

これは実はスタンスの問題で、「ごめんね」という言葉を使うことは相手を立てているように見えて、“本来は”やらなくてもいいことという前提で、ものすごく残酷に相手の役割を奪ってしまうことにもなるんですよね。

そして、気づけばその“本来の前提”がお互いの新しい関係を作ってしまう。

育児に限ったことではありません。

家事でも、週末のプランニングでも、なんなら夫婦関係に留まらず、同じチーム内で仕事の依頼をする時だって、“ごめんね”が歪んだ関係を作ってしまうことは、少なくありません。

もちろん謝れないのはよくありませんが、安易に使うのは考えもの。

キッチンに行くと洗い物が終わっている時も、洗濯物が綺麗に畳まれている時も、私は堂々と「ありがとう」と言いますが、そのせいか(?)気づけば夫はどんどん家事のプロになって、嬉しそうに新しい洗剤を試したりと、どちらかというと、私に教えてくれる側になっています。

だから、「たまには手伝いをしなくちゃ」なんて感じている方は、その思考がすでに“本来は相手がやるもの”になってしまっている、ということを自覚して、実際は役割分担ができていたとしても「ありがとう」を意識してみることをおすすめします。

 

2.家のことに「当然」をおしつけないこと。

これは、ひとつ目と通ずることかもしれません。

朝一番に部屋がピカピカになっていた時、ちょっとだけ使いやすく棚を模様替えした時、美味しそうなクレープが焼けた時、雨の日に娘と大きな絵を描いた時。
夫は決まって、感嘆の声をあげてくれます。

「こんなの普通だよ」と思わず言ってしまうこともありますが、彼のこの感激力のおかげで、「次はこんなことしてみようかな?」と、密かなやる気に繋がることもしばしば。

一緒にいない時間に、相手がどんな時間を過ごしていたかをちゃんと想像して、目の前にある事実を、当然だと思わないということ。

それが人間関係の上で、その先のストーリーを作っていくんだな、と思ったりします。

 

3.リアクションが完全に対等で本気なこと。

父娘で留守番しているところに、こっそりと帰った日のこと。

そっとのぞくと、夫がプリンセスで、娘がそのお母さん。という設定の遊びをしていたようなのですが、ドレス代わりに布団を巻きつけられた夫がいつも以上に高い声で完全にプリンセスになりきっていて、お母さんに怒られたりダンスパーティに連れて行かれたりと忙しそうで、笑いが止まらなかったことがあります。

私もスイッチさえ入れば、娘とのごっこ遊びに本気になれるのですが(?)、どうしても他にやることがあるけど付き合っている、的な気持ちになってしまうことも多く…。

それは感情の問題なので、私も外から見れば本気には見えるかもしれませんが、たまたま本気プリンセスに直面して、その完全な対等さに、やや感動したのでした。

娘は夫に対して、たまに意地悪な態度をとったりもするのですが、それはある意味対等で、親友のような存在だからなのかな、とも思ったり。

相手は子どもだけれど、1人の人間。

大人は教えて“あげる”ことばかりじゃない、ということを忘れずに、リスペクトし続けよう。
と、ゴツゴツしたプリンセスから教えられたのでした。

どれだけ音声SNSが発展しても、些細な思いやりと感謝が存在する日常生活を、ちゃんと味わっていきたいものです。

 

 

次に交換日記のバトンを渡すのは、私の娘と同い年の女の子を育てている、ひかりちゃん。

結婚する前から、2人で一緒にお酒を飲む時間が好き、と言っていたひかりちゃんは、時を経て、今は彼をどう見てるかな?

彼の転勤に合わせて、会社でいち早くリモートになった社員。

まっすぐで、普通は隠すような弱い部分もさらけ出す、時に不器用で、だけど誰からも愛されるひかちゃんをいつも応援しているよ…!

 

Illustration:Chiharu Nikaido

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