日本だけでなく、世界各地で古くから伝わってきた植物療法。
連載「植物で叶える。現代版おばあちゃんの知恵袋」では、植物療法士であるWeekender編集部代表コラムニスト齊藤 渚さんが、今の暮らしに取り入れやすいフィトテラピーTIPSをお届けしていきます。
もうすぐ9月。月を愛でる季節がやってきます。
地球から最も近く、“地球の分身”とも言われる月は、自然界や私たちの身体、感情などに影響を与えていると、古来より考えられてきました。
古今東西の月に対するイメージには共通点があり、大まかには、
新月→満月(月が満ちていく時期)は「摂取」の時
満月→新月(月が欠けていく時期)は「排出」の時
とされ、農作業や祭事、医療などにおいて、いつ何をすべきかの判断基準になってきた歴史があります。
現代でも、ナチュラルコスメの原料の植物やワイン作りには「バイオダイナミック農法」と言って、月の満ち欠けなど天体のリズムに合わせた農法が実践されているところもあるんですよ。
月の満ち欠けは、私たちにとって身近で、わかりやすく自然のリズムを伝えてくれるサイン。
明確な不調があるわけではないけれど、身体のリズムを整えたいという方、月のリズムに合わせたハーブティーでメンテナンスしてみませんか?
上弦の月(~2023年8月30日)
満月に向かって月がだんだん膨らんでいく時期は、ものごとの成長が促され、吸収力がUPする時期。
美容に力を入れたり、エネルギッシュに外に向かって行動したりするのに、向いていると言われています。
この時期におすすめのハーブは、ビタミンC豊富で美肌に導くローズヒップや華やいだムードを高めてくれるローズ、そして疲労回復に良いハイビスカスも◎
「栄養を与える、強化する」をテーマにハーブを選ぶと良いでしょう。
また、悪い意味でも、蓄えやすい時期なので、桑の葉(マルベリー)など、血糖値の上昇や糖の吸収を抑えてくれるハーブを選ぶのも良いです。ダイエットにもおすすめです。
満月(2023年8月31日)
満月は実りの時。
やってきたことや計画してきたことが実を結んだり、人との交流やイベントも盛り上がりやすいと言われています。
テンションが高まる一方で、時に感情的になり過ぎてしまうことも。
おすすめは、神経系をリラックスさせるカモミールやラベンダー。
イライラしてしまったり、落ち込んでしまったりする時は、メリッサ(レモンバーム)やパッションフラワーも良いです。
写真は、カモミールとレモンバームのお茶に白ぶどうを加えたもの。
実りを祝い、月の光のように明るくほぐしてくれるお茶です。
下弦の月(2023年9月1日~9月14日)
満月を過ぎ、新月へと向かって徐々に月が欠けていく時期は、その月相と同じく余分なものを手放して身軽になる時。
排出力が高まると考えられており、デトックスに適しています。
足のむくみがあれば、ホホバオイルなどのキャリアオイルに、ジュニパーやローズマリーの精油を加えてマッサージを。
ハーブは、肝臓の働きのサポートや便秘改善に良いバードック(ごぼう茶)やダンデライオン(たんぽぽ茶)がおすすめです。
また、血液をきれいしにし、巡りを良くするネトルも◎
身の回りや自分自身をすっきりさせて、次の新しいサイクルに動き出すための準備をしていきましょう。
▼こちらのレッグケアのコラムも参考にしてくださいね。
新月(2023年9月15日)
月と太陽が重なる新月は、その姿は見えないものの、新たなスタートの象徴。
新しいことを始めたり、目標を掲げると良いとされています。
昔から、新月の日はインスピレーションがわくと考えられており、脳の働きを活性化させるペパーミントやローズマリーのお茶がぴったり。
集中力を高めるゴツゴラもおすすめです。
写真は、鎮静効果があり、すっきりとした風味の月桃の葉のお茶。バタフライピーの青い色で目にも涼やかです。
また、心身の浄化に適した新月の日には、ぜひ天然塩や日本酒のお風呂を。
▼5月のコラム「アロマとハーブの手作り入浴剤」も参考にしてみてくださいね。
様々なハーブが登場しましたが、すべてを揃える必要はありません。
まずは、それぞれのキーワードをヒントに、普段の食事や過ごし方を見直してみてください。
また、新月の日には○○をしなければならない、と義務感に囚われることもありません。
月の満ち欠けはグラデーションのように刻一刻と変化していくため、おおよその時期でとらえてOK。
大事なのは、いまの自分に目を向けるということ。
月のリズムを自己メンテナンスのきっかけや一つの基準にしていただき、その都度、ご自身にとって心地よいものを選んでみてくださいね。
▼昨年8月のコラム「月の満ち欠けと、月経サイクルについて考える」も併せてお読みいただけるとうれしいです。
<参考文献>
「月整活 月のリズムで暮らしと心を整える30の新習慣」景山えりか(主婦の友社)
Editor:Tomomi Watanabe , ふじのあやこ
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