日本だけでなく、世界各地で古くから伝わってきた植物療法。
連載「植物で叶える。現代版おばあちゃんの知恵袋」では、植物療法士であるWeekender編集部代表コラムニスト齊藤 渚さんが、今の暮らしに取り入れやすいフィトテラピーTIPSをお届けしていきます。
夏至を過ぎ、陽気が高まる頃。夏本番の到来ですね!
この時期、ますます気になるのは日焼け。
みなさん、どんな対策をされているでしょうか。
今回は、「ヒース」と「ラベンダー」という2つのお花を使った日焼け対策をご紹介。
ロマンチックな花に癒されながら、夏の日差しに負けない肌ケアをしてみませんか。
飲む美容液!ヒースのハーブティー
ピンク色の小花を咲かせるヒースは、その可憐な見た目とは裏腹に、寒いアイルランドの荒涼とした大地で群生するたくましい花。
美白化粧品で見かける「アルブチン」という成分を含み、シミやそばかすなどの色素沈着の予防・改善に良いと言われています。
ほのかに梅のような香りがしますが、ほとんど無味。
お茶にする際には、乾燥した食用のものを使用し、ルイボスティーなどと合わせていただくのがおすすめです。
ビタミンC豊富なローズヒップも加えれば、まさに飲む美容液!
外出時間が長い日やレジャーに行く日には、お出かけ前と帰宅後に飲むといいですよ。
材料
・ヒース:小さじ1
・ルイボスティー:小さじ1
・ローズヒップ:小さじ1
・熱湯:200ml※ハーブはハーブティー用(食用)の乾燥したものをお使いください。
※ヒースは、生活の木、エンハーブ、ハーブマイスターセンターなどの店舗やオンラインサイトで購入可能です。
作り方
1.ティーポットにハーブと沸騰した熱湯を入れる。
2.フタをして5~10分以上蒸らせば完成。
【植物の知恵袋メモ】
・ヒース:
ミネラルやアルブチンを含み、メラニン生成抑制の作用がある。泌尿器系のトラブルにも効果。・ルイボスティー:
ミネラルやポリフェノールが多く、抗酸化作用を持つ。活性酸素による肌老化を緩和。・ローズヒップ:
レモンの20~40倍のビタミンCを含む。疲労時にもおすすめ。※昨年のコラム「ローズヒップとハイビスカスの自家製シロップで、太陽に負けない夏養生」も読んでみてくださいね!
日焼け肌を癒す、ひんやりラベンダー
ラベンダーといえば、リラックスや睡眠に良いハーブいうイメージがあるかもしれませんが、実は火傷や日焼け肌の鎮痛・鎮静にもおすすめです。
近代アロマテラピーの父のひとり、ガットフォセ博士が実験室で火傷を負ってしまった際、偶然そばにあったラベンダーの液体に手を突っ込んだところ、痛みが消え、短期間で傷が治った…という話も有名です。
日焼けで肌が赤くなってしまったら、ラベンダーの精油を使って冷湿布を。
やり方は、冷たい水を張った洗面器に精油を垂らし、水面に浮かぶ精油をすくいとるようにタオルを浸します。
タオルを絞ったら、精油をすくいとった面が肌に直接当たらないようにして、気になる部分にあてましょう。
冷却&ラベンダーの鎮静効果で、日焼けのダメージを最小限に抑えてくれます。
精油は、500mlの水量に対して2~3滴程度で良いです。
また、軽い日焼け症状で、肌のほてり感をしずめたい場合には、ラベンダーの芳香蒸留水もおすすめです。
大部分は水ですが、水溶性成分やわずかに油溶性成分を含んでいます。
冷蔵庫で冷やして、スプレーしたり、コットンにしみ込ませて湿布のようにすると、心地よくクールダウンしてくれますよ。
手軽なのでお子さまにも◎。
普段のケアに、可憐な花の息吹を取り込んでみませんか。
太陽の下で、健やかな肌と笑顔が輝きますように。
<参考文献>
「自然のお守り薬」森田敦子(永岡書店)
Editor:Tomomi Watanabe , ふじのあやこ
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