日本だけでなく、世界各地で古くから伝わってきた植物療法。
連載「植物で叶える。現代版おばあちゃんの知恵袋」では、植物療法士であるWeekender編集部代表コラムニスト齊藤 渚さんが、今の暮らしに取り入れやすいフィトテラピーTIPSをお届けしていきます。
新緑がまぶしい季節。
ゴールデンウィークも近づき、お出かけ気分も高まりますね。
今回は、旅行やドライブのシーンにあると便利なフィトテラピーをご紹介します。
乗り物酔いする人に
おすすめしたいアロマ
移動やドライブでの乗り物酔いが不安…という方は、三半規管の乱れを整えるペパーミントの精油を取り入れてみましょう。
1~2滴をティッシュに垂らして、鼻に近づけて鼻呼吸を1~3分します。
出発時にやっておくのが安心ですが、酔ってしまってからでも効果があります。
旅のお守りに
ティートリー&ディフューザー
私が旅にアロマを1つ持っていくなら、ティートリーの精油です。
抗菌、殺菌、消毒力があるので、お出かけ前に香りを吸引したり、マスクに1滴付けたりすることで感染症予防になりますし、水に1滴加えればうがい薬にもなります。
ちょっとしたニキビに付けたり、一日歩き回った靴の除菌・消臭にも◎。
また、ご自身がリラックスできるアロマとともに持ち運びやすいディフューザーがあると旅がより充実します。
ディフューザー(精油を拡散するアイテム)のおすすめは、アロマストーン。
精油を数滴垂らして、ベッドサイドなどに置いておくと、じんわり香りが広がり癒されます。
缶ケース入りの物も市販されていて、持ち運びに便利なのでチェックしてみてください。
アロマストーンのように、電気も火も使わず、より香りの拡散力があるのがAROPO。
発熱シート入りで、温めて香りを拡げていきます。
そして、意外にも使えるのが単語帳!
精油を1滴ほど付けて、枕カバーや靴の中、スーツケースにしのばせてみてください。
紙の表面がツルっとしたものより、画用紙のような、マットでややザラつきのある質感の物が精油がなじみ、使いやすいです。
食の旅をたのしむために
胃腸をいたわるハーブティー
旅行へ行くと、朝からホテルのバイキング、昼夜は地元の人気店へ、その間にもカフェや名物の買い食い…と、普段以上に食べてしまって胃腸がお疲れモードになってしまうことはありませんか?
そんな時、消化の助けとなるハーブティーを持っておくと安心です。
おすすめは、フェンネル、ペパーミント、レモングラス。
腹痛が心配な方はカモミールも良いでしょう。
これらを事前にお茶パックに入れて持っていけば、宿泊先でも気軽に召し上がれます。
材料・準備方法
1.フェンネル、ペパーミント、レモングラスを各小さじ1ずつお茶パックに入れる。
2.数日分まとめてフリーザーバッグに入れておく。
※1回量=小さじ3程度になるように、お好みで調節ください。
※ハーブはハーブティー用(食用)の乾燥したものをお使いください。
【植物の知恵袋メモ】
フェンネル(種子):
消化不良やお腹の張りに有効。脂っこい食事や食べ過ぎによる不調におすすめ。ペパーミント:
胃の筋肉に働き、胃の調子を整える。レモングラス:
胃腸の働きを高め、胸やけなどをすっきりさせる。レモンに似た香味で飲みやすい味わいに。
旅のおともになりそうなTIPSはありましたか?
自分に合ったアロマやハーブを携えて、元気に旅を楽しめますように!
<参考文献>
「自然のお守り薬」森田敦子(永岡書店)
Editor:Tomomi Watanabe , ふじのあやこ