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2021年春に誕生した「THE FAMILY NOTE」(通称「ファミノ」)。

1冊のノートを家族とともに書くことによって、お互いに向き合い、物理的な距離だけでなく、精神的な距離も近い存在になることを目指すNEXTWEEKENDの自社プロジェクトです。

わたしたちの提案に共鳴してくださった方のもとに届けられたファミノは、家族のコミュニケーションツールとして活用いただき、この世に1冊しかない“◯◯家の本”が次々と生まれています。

ありがたいことに「今年こそわたしもやってみたい」、「ファミノがなくなると困る(!)」などのお声をいただき、翌年には2022年度版をリリース。

そして2022年12月14日(水)から、2023年度版の受注販売を予定しています。

【12/14(水)予約販売開始!】2023年度版 THE FAMILY NOTE のお知らせ

この連載【あの人のファミノ事情】では、それぞれのおうちでファミノがどんなふうに使われているかとともに、使っていくうちに家族内でどんな変化が訪れたかをお届けします!

 

第2回は、村上萌に続きNEXTWEEKENDメンバーを取材。

営業・広報そして「THE FAMILY NOTEプロジェクト エグゼクティブマネジャー」の肩書を持つ、川島文乃のファミノ事情をお届けします。

一緒にファミノを書いている夫の淳史さんにもご登場いただき、気になる夫側の本音も聞かせていただきました。
(NEXTWEEKENDの中の人ではありますが、この取材記事では以下「文乃さん」と呼ばせていただきます)

 

File 02 川島文乃(THE FAMILY NOTEプロジェクト エグゼクティブマネジャー)

家族構成
夫の淳史さんと3歳の史乃くん、1歳の藍くんとの4人暮らし

ファミノで叶えたいこと
出会って短期間で家族になった夫と理解し合い、定期的に気持ちを確認するために使いたい
子どもたちの「今」を残したい

使用プラン
ベーシックプラン+ふうふで使うノートプラン+親と使う別冊プラン

 

伝えることで、目の前の現実が変わる

淳史さんとマッチングアプリで出会い、5ヶ月後にプロポーズを受け結婚、翌年には史乃くんが誕生…と、短期間にライフステージが変化した文乃さん。

不安はなかったけれど、淳史さんと信頼を積み上げてよい関係を築いていくために、何かできることをしたいという気持ちがいつもあったと語ります。

そこで淳史さんと交換日記を始めてみた文乃さんですが…。

文乃さん
「相手に質問を書いて渡す形式の日記だったんですけど、返事が戻ってこないと自分が書けないから滞りがちで(笑)。その後、より自分の考えにフィットする形でファミノを開発できたので、これは家族でも続けていきたいと思ったんです。」

一方、ファミノを書こうと提案された淳史さんは…?

淳史さん
「そもそも日記をつけるのは得意じゃなくて、交換日記もまあ、面倒くさいな〜と感じるところがあったんです(笑)。だからファミノもタイムリーに書く自信はなかったですね。でも、これは5年後、10年後に見返したときにとても価値があるものだという説明をされてそこには共感できたから、書きたくなったら書こうかな、と。」

なかなか正直な淳史さんですが(笑)ともあれスタートしたファミノプロジェクト。

最初にやってみたのは、あらかじめ質問が設定された「Interview Questions」のページだったそう。

文乃さん
「このページが書きやすかったからかな。私が『最初にふたりで行った箱根の旅館がよかった』と書いたら『そうだったの!?』なんてびっくりされたり。些細なことひとつとっても、言ってみないと伝わらないものだなって感じましたね。」

▲「子どもが生まれると、否応なしに毎日の会話も子ども中心になるから、これから何をしたいか夫婦で話し合うのは新鮮でしたね。」(淳史)

 

「言ってみないと伝わらない」。それを実感する機会はほかにもあったといいます。

ファミノを書き始めた頃に、念願の庭つきの新居での生活をスタートしたおふたり。

文乃さんがさっそく「Monthly Wish List」に「庭でピクニックランチ or おやつ」と書いたところ…。

文乃さん
「それを見た夫が、『え!そんなことしたかったの?じゃあ明日しようか』と言ってくれて。心で思っているだけだと伝わらないけど、一言書けばちゃんと予定になって現実となり、終わった後はやってよかったねって言い合えるんですよね。」

▲「夫も庭でごはんを食べたいだろうと思い込んでいましたが、こうして書かなかったら伝わらなかったかも。NEXTWEEKENDではファミノを通して『日々の微調整』を提案していますが、まさにこのことだなと感じました。」(文乃)

 

夫が自主的に書くようになったきっかけ

当初は文乃さんが先行してファミノを書くことが多く、淳史さんに無理に書いてもらうことはなかったと言います。

文乃さん
「私が書いているときに夫がヒマそうなら『書く?』って聞いてみるくらいで。私が写真を貼ったりするのを見ているうちに、そうやって残すのはいいね、って理解してくれたみたいです。“エモい”ものに対する感度は夫婦でも違ってきますし、一般的に女性のほうが自分の思いを言葉にしたり、残したりする機会も多いですよね。」

そんな淳史さんがひとりでも書くようになったきっかけが、史乃くんの運動会でした。

当時、文乃さんは藍くんを妊娠中。コロナ対策として1家族につきひとりしか観覧できない状況で、淳史さんが行くことになったのです。

文乃さん
「まっさらなページを渡したら、『記者:父・淳史』による特集記事になって戻ってきて。若干ウケ狙いですが(笑)、史乃のことをかわいく大切に思っていることが伝わってきました。私なら『育ててきた史乃がこんなに大きくなって』みたいなテンションで書きそうな気がするんですけど、いい意味でフラットなレポートでしたね。」

淳史さん
「こういう記録を残すことが家族のためになるという思いはあるし、どうせ書くならギミックを効かせたいなと考えたら、こうなりましたね。」

▲「当時史乃はイヤイヤ期で、『ないない』が口癖だったんです。運動会の日の朝も言っていたんですけど、この記事では『(不安なことは何1つ)ないない』って解釈されていて…いや、そうじゃないだろうって突っ込んでしまいましたね。笑」(文乃)

 

夫が出産・育児を経て書き残した“Thank you for”の思い

この運動会以降、自発的にファミノに書くことも増えてきた淳史さん。

次男の藍くんの出産に立ち会った時の気持ちが「Thank you for」のページに残されています。

文乃さん
「出産後、退院して帰宅したら、このページが書かれていたんです。これはこのときにしか出てこない言葉が綴られているページだな、と思って胸がいっぱいになりました。『君のお母さんは本当にパワフルで逞しくて美しくて…』なんて、絶対直接言ってくれないですからね(笑)」

淳史さん
「僕、今これを書ける気がしないです。」

▲「次男のときは自然分娩にチャレンジして夫にも立ち会ってもらったので、一緒に産んだという意識が強かったんです。だからこうして夫の視点から書いてくれたことがうれしかったですね。」(文乃)

 

そしてこちらは、藍くんの誕生を機に育休をとっていた淳史さんが、ふと思い立って書いた「Good Things journal」の1ページ。

▲「スマホのメモ帳やSNSに書く選択肢もある中で、ここに書こうと思ってくれたこともうれしくて。家族で感動を共有できる場所としてファミノがあってよかったな、と思いました。」(文乃)

 

淳史さん
「文乃と子どもたちはもう寝ていて。酒を飲みながら、最近思っていることを書いてみようと思ったんです。もしも息子たちが父親になることがあって、あの頃の親父は何をしていたのかな?と思うときが来たら、何か一助になればいいなって。」

文乃さん
「子どもたちが将来読んで、思うところがあったらいいですよね。2人とも男の子だし、夫がこういうことを書いているということがガツンと響くと思うんです。」

 

世代を超えて家族をつなげるファミノ

文乃さんには、もうひとつ思い出深い「Thank you for」のページがあるそう。

それは淳史さんが亡くなったおじいちゃんに宛てて書いたもの。

認知症で施設に入っていたおじいちゃんとは、コロナで面会できないままお別れすることに。

お葬式の際、淳史さんが棺に入れたのが、「Thank you for」3枚に渡って綴った手紙でした。

一方、生前に会うことが叶わなかった文乃さんは、自分で質問を書き込める「Interview Questions」のフリーページを使って、淳史さんにおじいちゃんの人柄や思い出を綴ってもらいました。

文乃さん
「亡くなったおじいちゃんが夫の名付け親だったそうなんです。史乃も藍も『淳史』の一部を受け継いだ名前なので、おじいちゃんからつながっているんですよね。こうして質問してみないと、知らなかったことだらけでした。」

▲「このページは、私がおじいちゃんのことを知る手がかりになっただけでなく、いつか子どもたちにとっても財産になる気がするんです。自分の親が誰かとつながって生きていたのが伝われば。」(文乃)

 

自分たちのルーツを子どもたちに伝えるということは、文乃さんがファミノを企画したときから考えていたことでもありました。

そこで文乃さんも、自分の大好きなおばあちゃんへの思いをファミノに残すことに。

文乃さん
「私自身の記憶をたどってみると、ひいおばあちゃんについてほとんど覚えていないんです。今、おばあちゃんは体が弱って施設に入っているんですが、史乃や藍に残る記憶がそれだけだと、すごくさみしい気がして。私がおばあちゃんを大切に思っていたことを子どもたちに伝える術があるといいな、と思ったんです。」

▲文乃さんが、おばあちゃんのお見舞いに行ったときの気持ちを書き綴ったページ。
「私のおばあちゃんへの思いを知ることで、史乃や藍が自分たちのおばあちゃん、おじいちゃんを大切にしてくれたらいいな、という願いもあります。」

 

ファミノを書く時間がはかどる、
私のコツ

仕事に、生活に、育児に…慌ただしい日々を送る文乃さんと淳史さん。

効率よく楽しく、そして無理なく続けられるように工夫している様子が伺えます。

1.写真印刷はプリンターを活用
「最近は家庭用プリンターCanon PIXUSで、L版に4分割で写真印刷して貼るのにハマっています。アプリで簡単にレイアウトできるし、縁なし印刷が可能。サイズがちょうどよく、何より画質がきれい…!」

2.目に見えるところに置く
「書きたいときにすぐ書けることが大事。NEXTWEEKENDでファミノの展示会をしたときに使ったスタンドがかわいかったので、私も個人的に買って、いつもファミノを書いているダイニング横のカウンターに設置しました。」

3.ファミノ用の素材は“あえて”出しっぱなしに
「動物園のチケットやいただいたカード…etc. ファミノに貼りたいものはファミノのそばに集めておくと、スムーズに作業できます。一見、散らかっているように見えるかもしれませんが…あえて出しているんです(笑)」

▲文乃さん愛用のファミノ道具。(左から)ファミノを立てるのに使っている真鍮風のスタンド、茶色の「筆之助」と、六花亭のボールペン、Canon PIXUSで出力した写真、写真を貼るためのテープのり。写真はスマホのアプリで設定できるから簡単!

 

▲ファミノの定位置はダイニングテーブルから手を伸ばして取れる場所。ファミノに貼る予定のあれこれも、とりあえずここに置いておけば忘れません。

 

感動も感謝も、こまめにアウトプットすることで解像度が上がる

ファミノが生活の一部となったおふたり。

史乃くんと藍くんが寝た後で、お酒を飲みながらWISHLISTを書いたり、家族への感謝を「Thank you for」のページに綴ったり。

そんな光景が日常となっているそう。

淳史さん
「でもまあ、Netflixとか見ている日も多いですよ(笑)」

文乃さん
「仕事や育児でバタバタしているときは1か月くらいぽかっと空いたりもするしね。でも、基本的には毎月、お互いに何かを書くようにしていますね。」

淳史さん
「文乃はこれを残したい!ということを、ワンシーンワンシーン大切に書いていますね。僕はスマホの写真を見ながら今月何があったかを振り返って、おもしろかったことや感謝したいことを書いていますね。」

▲淳史さんが、実家の集まりに行った後に書いた子どもたちへの『Thank you for』のメッセージ。
「『徹さん(淳史さんのお父さん)の笑顔を引き出してくれてありがとう』って、彼の目線じゃないと書けないThank youだなあと思うんです。」(文乃)
「まあ、父は常にニヤニヤしているんですけどね。」(淳史)

 

淳史さん
「言葉では言えないことも、文字だとすっと書けたりしますよね。面と向かってありがとうって言うと、何か頼みごとでもあるのかって文乃は警戒しそうだし(笑)」

文乃さん
「私のこと、なんだと思ってるの(笑)」

淳史さん
「ふいに感謝を言うのって難しいんですよ。ファミノみたいにフォーマットになっていると気持ちを示しやすいですね。」

 

ファミノを書くようになって以来、家族で過ごす時間の感じ方も変わってきたそう。

文乃さん
「どこかにおでかけしても、『ああ、楽しかった』だけで終わらないんですよね。ファミノにどんなふうに残そうかと考えると、『史乃はこんなこともできるようになったな』『こんなことを言ってくれたな』といったふうに視点も変わってくる。出来事をしっかりと味わえている感じがします。」

その変化を「“楽しかった”の解像度が上がった」、と表現する文乃さん。

このことを強く意識するようになったのは、実家の影響もあるかもしれない、と振り返ります。

 

文乃さん
「私の実家は記念写真とかをほとんど撮らなくて、記録も何も残っていなかったんです。夫が結婚式のサプライズムービーを撮るために実家でインタビューをしてくれたんですけど、母から細かいエピソードが出てこないことに驚いていて。」

淳史さん
「お父さんのほうが解像度は高かったね(笑)」

文乃さん
「父は平日育児をしていないから、たまにディズニーランドに行ったことが一大イベントだったのかもしれないけど、母にとっては日常の延長だからかな…もちろんそれでもいいんですけど、ちょっともったいない気がしたんですよね。」

淳史さん
「最近は家族との時間を大事にしたい人も増えていますが、その時間が増えるほど、記憶が浅くなる部分もあると思うんです。瞬間的な感動が薄れてしまうというか。ファミノをきっかけに、『おもしろかった』『ありがとう』という気持ちは、どんなにささいなことでも伝えるようにしようという心がけが生まれましたね。」

 

未来をよくするために、ファミノを書きたい

順調そうに見える文乃さんと淳史さんの“ファミノのある暮らし”ですが、時には停滞することもあったのだそう。

文乃さん
「子育ての大変な時期と夫の転職が重なって、これまで以上に夫婦の会話がなくなってしまったときがあったんです。日常会話は業務連絡のみ。毎日を回すことに必死で、絆を深めるような活動もできず、夫がファミノを開くこともなくなって…。」

このままではよくないと思った文乃さんは夫婦で話し合うことに。そこでわかったのは、ふたりのファミノに対するスタンスの違いでした。

文乃さん
「夫は自発的に書きたいと思ったらファミノを開くけど、最近はそう思わなかったから書かなかっただけだ、と。一方、私はそういう悪い空気を微調整するためにもファミノを書くものだと思っていたんです。」

この違いに気づいた文乃さんがしたことは、「自分のやりかたを相手に押しつけない」ということでした。

文乃さん
「現状をよくするためにやっているのに、夫が書いてくれない、読んでくれないとストレスをためるのは本末転倒だとも思うんです。ただ、私がどういう意図でファミノを書いているかは伝えました。そこさえ理解してもらえるなら、私が楽しそうにやっている中で、夫が書きたいと思うときに乗っかってくる形でもいいのかなって。」

 

改めてふたりに、ファミノを書くことの意味を聞いてみました。

淳史さん
「僕は自分の気持ちを言語化することが苦手なんですけど、今、こういうことを考えているんだというのを明確にするためにも、つらつらと書いている気がします。」

文乃さん
「毎日会話をするとか、定期的に夫婦で外食するとか、家族関係を良好に保つためにいろいろな方法がありますが、会話や食事ってその場で消えてしまうものでもありますよね。ファミノはメッセージや手書きのあたたかさが残るのがいい。」

淳史さん
「改めて文字で書かれると、ふだん会話しているときよりもしっかり受け止められるしね。」

文乃さん
「ファミノは自己満足だとも思うんです。家族に読んでほしいと思っているけど、彼らがどう思うかは、各自に委ねるしかない。でも、大事なのは、今自分ができることをすることなのかなって。楽しいからファミノを書いているけれど、それだけじゃない。未来をよくするために書いています。」

淳史さん
「はっきりとした効果が言えるものではないですけど、ファミノを書いているぶんだけ家族関係がよくなっているという実感はあります。自分への『Thank you for』を読み返すとテンションが上がるし、張り切っちゃおうかなあと思う。それが家族のコミュニケーションに還元されているのは間違いないと思います。」

自分の気持ちや感謝を表現するツールとしてファミノを使えるようになった淳史さんと、目的や意志を持って、ファミノの活かし方を模索する文乃さん。

ペースやスタンスは違っていても、“家族のためになるもの”という共通認識を持って取り組んでいる姿が印象的でした。

いろいろな思いをのせて未来へと進むファミノは、まるで船のようだと思います。

一緒に船を動かしていると同じやりかたや同じ熱量で取り組むことを期待しがちですが、「同じ方向」さえ見ていれば前に進むもの。お互いの違いを味わうこともまた、ファミノの醍醐味なのかもしれません。

目指す方向を共有して、淳史さんが書きやすい雰囲気をつくってきた文乃さんの事例は、参考になる方も多いのではないでしょうか。

 

最後にもう少し、文乃さんの言葉をご紹介します。

文乃さん
「大切な人を大事にできていたかな、と不安になるときも、このファミノが残っていたら、少しでも前を向いて生きていけるような気がするんです。ファミノを書いてどんな意味があるのか、その答え合わせは老後になってしまうかもしれないけれど、やっていてよかったと思えるように書き続けたいです。」

 

THE FAMILY NOTE とは
家族というひとつのチームで作り上げる、1冊のノート。
写真アルバムとは少し違う、感情のアルバムです。
今日の家族の会話を増やし、これまで歩いて来た道をもっと愛しく思い、そして、少し先の未来に、共に希望を持つきっかけとなることを目指しています。

▶︎WEB記事連載「あの人のファミノ事情」
▶︎正解よりもアップデート!家族について考える「ファミノラジオ」

Writer:野田りえ
Editor:Saki Goda

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