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いつもの買い物、今日の食事、洗濯や掃除…。
朝起きてから寝るまで、毎日は選択の連続。
そのひとつひとつが自分や家族にとって心地いいものであるのはもちろん、環境や誰かのためにもなっているなら、それはさらに “うれしい選択” になるはず。
この連載では、明日をつくるための小さな工夫や習慣を、NEXTWEEKENDスタッフが等身大で綴っていきます。

 

こんにちは。NEXTWEEKEND副編集長のともみです。

社内のメンバーが等身大で綴ってきたこの連載も、私で最後になりました。

今回は毎日の食のシーンを軸に「うれしい選択」について考えてみたいと思います。

その昔ホテルのフレンチのバイトで、フルコースの最後に手付かずのまま残されたプチフールを毎日大量に捨てるのが辛くて、出すのを辞めるか持ち帰りたいと申し出てクビになりそうになったこともありますが、とにかく食材を無駄にした現場を見るのがすごく心苦しい(誰しもそうだとは思いますが…)。

日本だけでも年間約600万トンにものぼると言われるフードロスや生ゴミにまつわる問題は、経済の仕組みから根深い社会問題ではありますが、毎日3回も訪れる各個人の食事の機会でできるだけ無駄を省くことも、小さいようで大事な積み重ね。

今年から楽しみ始めた身近な習慣を3つ綴ってみたいと思います。

 

在宅ワークになってから、自炊の回数もぐっと増え、それと同時に気になるようになったのが生ゴミの量。
捨てずにうまく生かせたらという思いで、今年の2月から家庭用のコンポスト(LFCコンポストセットを使っています)を導入しました。

専用バッグの中にセットの基材を入れ、毎日生ゴミを2ヶ月投入して熟成させるだけなのですが、当初不思議だったのが、毎日300gほどの生ゴミを入れても、量が増えていかないこと。
生ゴミの90%は水分で、栄養素だけ堆肥に残して蒸発していくからなんだそう。
そして、微生物たちがどんどん分解を進めてくれるという、小さなバッグの中で偉大な世界ができあがっていました。

捨てればゴミになってしまうだけのものを、土の栄養(堆肥)に変え、またそれで元気な野菜を育てられる。
ゴミが減って焼却所での環境負荷もかけなくて済む。
家庭から小さな循環のサイクルを作れて、これはかなりうれしい選択でした。

今暮らしているマンションはベランダがとても小さく、できあがった堆肥を利用できる植物が飽和状態なことが残念なのですが…
来年には庭のある家に引っ越す予定なので、もう少し大きいコンポストを導入しつつ、野菜作りなどに生かしたいなと計画中。

ちなみに自治体によっては、生ゴミ処理機に対して補助金を出してくれたり、機材を貸してくれるところも結構あるので、気になる方は調べてみてもいいかもしれません。

 

生ゴミはコンポストが回収してくれますが、使えるところは使ってから、ということも出来る範囲で意識しています。

例えば出汁をとったあとに毎回余る鰹節や昆布。
細かく刻んで、しょうゆとみりんで味付けしてからっとするまで炒めればふりかけになります。

先日NEXTWEEKENDの連載「家族がつながる、だんらんの部屋づくり」で取材させてもらった宇藤えみさんは、出汁がらを取り出さずお味噌汁と一緒に食べていると仰っていて、それも美味しい鰹節と共に試したいなと思っているところ(取材記事はこちら)。

また、野菜の切れ端や余った野菜くずは、煮出せばスープのいいベースに。
(一気にたまらない場合は、都度冷凍しておいて、あとからまとめて煮出せばOK)

またそもそも野菜くずが出ないように、皮付きのまま調理することも多いです。
億劫な皮むき作業もなくなって一石二鳥。笑

こうしてまるごと使う調理を考えていると、なるべくいい素材や生産過程を知っている素材を選びたいという気持ちに自然になるのもいい流れだなと思っています。

 

生ゴミだけでなく、食品の包装や備品から出るゴミも気づくとゴミ箱の中でぱんぱんになっていますよね。

例えばお惣菜を買う時の付属品。
時間的に余裕のない日は、仕事帰りにデパ地下に寄って揚げ物やデリに頼ることもありますが、購入の際に何も言わなければ必ず丁寧にビニールで二重梱包し、家で食べるのに割り箸やプラスチックフォーク、おしぼりまで付けてくださるんですよね。

お店だって原価のかかるものだから削れるに越したことはないし、こちらも無駄になってしまう状態を避けたいので、いつも注文と同時に「お箸おしぼりなしで大丈夫です」「外袋あります」などと伝えるようにしています。

当たり前のようなことですが、意識して口に出すクセをつけないと、案外ぼーっとしていて忘れてしまうんですよねこれが…。

事前に断る話でいうと、出社時に外でランチする時も「定食のご飯半分で」「デザートはなしで」などと頼むことが多いです。
(最後の3口を惰性で流し込んだり、罪悪感と共に残すくらいなら、食欲旺盛な方の「ごはん大盛り無料」や、スタッフさんのまかないのために残したい…!)

 

…と、言葉にするとどれも些細なことかもしれませんが、いち個人ができることは、まずそういう無駄をなくす積み重ねを当たり前にしていくこと、そしてそのためにはやっぱり、楽しむことも大事だなと思っています。

サステナブルといっても、我慢するだけではそれこそ自分の中で持続できないと思うので。

自分の心がすっきりしていられるとか、より美味しく食べられて嬉しいとか、家計にもやさしいとか、小さな満足感やメリットもセットにしながら、自然と続けていけたらいいなと思います。

「明日をつくる、うれしい選択」第9回目は、キッチンから始める身近な例のご紹介でした。

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