これは、一ヶ月を楽しみ尽くすためにNEXTWEEKENDがこの8月に掲げている月間テーマです。
小さな頃から遠足や運動会、先生は必ず「思い出に残る日にしましょう」なんて添えてくれましたが、思い出に残るためにはどうしたらいいのだろう、と子どもが生まれてから特に考えるようになりました。
悲しいことや悔しいこと、突然の衝撃など、忘れたいのに忘れられないことも人生には沢山ありますが、覚えておきたいと思うものを長く自分の中に記憶しておくために、私は自分自身も含めて、娘に“感じる”ことを教えるようにしています。
たとえば誰かが長崎に遊びに来てくれる時、その日をめいっぱい楽しみにするためにいつもよりもっとその人たちの話を沢山して、当日までカウントダウンをしてみたりする。
純粋に「相手が少しでも喜んでくれたらいいな」と思って描いてみたプラカードも、これを持って到着口から出てくるのを待つ間、娘はものすごく緊張と興奮を繰り返していたようで、ずいぶんと記憶に残っているようでした。
沢山遊んで、空港で別れる時に「また会おうね」って肩を組めたり大きな声で気持ちを伝えられたりするのは、来てくれるということが当たり前ではなく、どれだけ自分自身も楽しみだったかを知っているからだと思っています。
(空港での別れのハグ…(::))
キックボードでスーパーに向かう道も、夕飯の後に散歩する中華街も、感情を揺れ動かすチャンスはいっぱい。
「なんだかこの道冒険みたいでわくわくするね。なんの歌うたう?」「今から私たちは寝るけど、世界にはまだまだ起きている人がいるんだね」とか、事実だけでなくそこに想像を膨らませてみることで、きっとこれから先楽しい時には、その気持ちに合わせた歌をうたって、色々な人の生活を想像できるようになるかな…なんて。
(その瞬間そこまで考えて声をかけているわけではないのですが、思い返すとそんな気持ちだったことをこのコラムによって気づかされます)
長期記憶と短期記憶、記憶はよく二種類に分けられますが、感情とセットのものが長期記憶に残りやすいんだとか。
もちろん忘れたいことはどんどん忘れてもいい、一瞬の感情があったっていい、だけど、今の経験が将来少しでも力強さになったり、人生を助けてくれる感情になったりするなら、なるべく長期記憶として断片的にでも残ってくれたらいいなと思いながら、その時の喜びを言葉にしたり、楽しみにする気持ちを表現したり、音や香りを感じられるようにしたいと思っています。
もちろん、子どもだけの話ではありません。
感じる訓練は大人だってできるはず。
「どうして今の瞬間を心地よく思うのだろう」と、自分の感情を紐解いていくと、単純な心地よさに加えて、昔から積み重ねてきた経験や心に残る映画、色々なものが繋がって、今の自分の感情を作っているはずです。
ちなみにこれ、娘とよく観るディズニー/ピクサー映画の「インサイド・ヘッド」
頭の中にある司令部が舞台の話で、日々の感情や大切な記憶がそれぞれボールとなって頭の中に残っていく話。
人生のボールは美しいものばかりではありませんが、悲しみの記憶も含めてその人の人柄を作っているのだということが、アニメを通して納得できます。
猛暑のせいかおかげか、立秋を過ぎても収まりそうにない暑さ。
今年の夏の思い出は、今から沢山残していけるはず。
大人も子どもも、感情をいっぱい揺れ動かして、いつか思い出す夏の日になりますように!