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(2023年11月追記)
本記事に登場するサービス名は一部、2024年度サービス提供分より名称変更をいたしました。
変更前「THE FAMILY NOTE」→ 変更後「KAZOKUGOTO NOTE(かぞくごとノート)」
変更前「FAMILY NOTE CLUB(FNC)」→ 変更後「KAZOKUGOTO NOTE CLUB(KNC)」
この3年間でユーザーの皆様と育ててきた「ファミノ」という愛称は、これからも大切にしていきたいと思っています。
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こんにちは。

NEXTWEEKENDの営業・広報担当 あやのです。

この記事は、企業・ブランドの「思想」をインタビュー形式で紐解き、家族の在り方について考えていく連載企画です。

タイトルは、 【あの会社と考える #かぞくごと – Purpose of the FAMILY NOTE -】

Vol.7にご登場いただくのは、株式会社ソーナスの代表・坂本多喜子さん。

ソーナスは、誰でも簡単に美味しいピクルスがつくれる「ピクルス液」をはじめとする、自然派調味食品の販売店「ピクルス屋」を運営されています。

みなさんは、ご自宅でピクルスを漬けたこと、ありますか?

私はピクルス屋に出会うまで、恥ずかしながら考えたこともありませんでした……。

しかし、食材を切って入れるだけ!なピクルス液を実際に使ってみると、その手軽さはもちろんですが、「自分でつくったピクルス」が家族に与えてくれるものが想像以上にあるということに驚きました。

火もレンジも使わず、食卓に立派な一品が加わること。

それがとても美味しいこと。

どのくらい浸かったかな、という夫婦の会話。

お漬物よりも塩分を気にせず食べられて、家族の健康面も気遣えること。

「人の幸せに寄り添いたい」という思いで自ら事業を立ち上げたという坂本さんですが、どうしてその形が「ピクルス液」になったのでしょうか。

今日は、ピクルス液の愛用者、そしてこの記事に辿り着いてくださったみなさんを代表して、「ピクルス屋」の創業に至るエピソードと、ピクルスに込められた思いをインタビューで紐解いていきます。

奈良にいらっしゃる坂本さん(左上)と、オンラインで取材を行いました。
左下:ライター・オバラミツフミ、右下:NEXTWEEKEND編集・さき、右上:私

 

働く人の幸せに向き合った時間そのものが、私のキャリアだった

あやの:ちょうど今朝、カレースパイス味のピクルス液に、うずらの卵とキャベツ、あとはニンジンを浸けて食卓に出したんです。すると夫が、とても喜んでくれて。

食べ終わった頃には「同じピクルス液にもう一回浸けてもいい?」と聞いてきたくらいです。「本当に美味しかったんだろうな」って嬉しくなりました。

坂本さん(以下、敬称略):その話を聞いて、私も嬉しくなりました。そもそも「ピクルス屋」は、みなさんの「心を満たす」ために立ち上げた事業でしたから。

あやの:坂本さんが「ピクルス屋」を立ち上げたのは、4年前のことだと聞いています。そもそも、どのような経緯で?

<会社のある、奈良県御所市・葛城市一帯の風景>

坂本もともと、ピクルス屋とは関係のない事業で、10年前に起業しました。当時は「人を輝かせるお手伝いがしたい」という一心で、会社を立ち上げたんです。ですから、事業にこだわりはありませんでした。

あやの:そうだったんですね。それまでは、どのようなキャリアを歩まれていたのでしょうか?

坂本:大学を卒業して、最初に勤めたのは百貨店の高島屋です。当時はバブルが弾けたぐらいの時期でしたが、まだイケイケどんどんの名残があって、私も「男の人には負けていられない」と必死になって働いていました。


<高島屋時代、お客様のお宅に家具をお納めした際のお写真。坂本さん(右下)と、お客様・同僚の方と。>

あやの:今よりももっと、男女の格差が激しかった時代ですもんね。

坂本:どれだけ頑張っても、なかなか認めてもらえませんでしたね。取引先から「女は話にならん」と突っぱねられたこともありました。それが悔しくて、また頑張って……と歯を食いしばっていましたが、それでも報われなかった時代です。

苦しい思いをしながら経験を積んでも、結婚をすると、築き上げてきたものが一瞬にしてなくなってしまいます。「男性は仕事、女性は家庭」という風潮でしたから。でも、それでは、女性が輝く未来なんてやってきません。

あやの:「嫁入り修行」なんて言葉もありましたね……。

坂本:私も結婚をきっかけに、仕事を辞めた一人です。ただ、仕事が好きだったこともあって、高島屋を退職した後は夫の会社に入って、いち事務員としてキャリアを再スタートしました。

やがて管理部門を任せてもらえることになったのですが、大企業ではありませんから、自分の意見を反映できる環境にはあります。当時はずっと、「働いてくれているスタッフのみなさんが、どうやったらもっと幸せになれるか」を考えていましたね。

あやの:苦しい思いをしたからこそ、ご自身の会社で働かれているスタッフのみなさんに、同じような経験をさせたくなかったんですね。

坂本:「ソーナス」という会社名も、「幸せ」という意味のアイルランド語に由来しています。認知症の母が受けていた「ソーナスセッション」というセラピーをきっかけにこの言葉を知り、素敵な縁を感じたんです。

現在もそうですが、働く人の幸せについて試行錯誤し続けてきた時間そのものが、私のキャリアだったように思います。

 

「本当にやりたいこと」を引き寄せた、母との思い出

あやの:「ピクルス屋」を立ち上げる以前は、どのような事業を運営していたのでしょうか?

坂本:現在も事業を運営していますが、ウォーターサーバーの販売代理店からスタートしました。「人を輝かせるお手伝いがしたい」という思いだけで会社を立ち上げましたから、ビジネスモデルを考える余裕なんてなく、始めやすいところから着手したというのが本音です。

あやの:心のどこかに、「いつかは自分の事業を立ち上げたい」という思いがあったのでしょうか?

坂本:本当にやりたいことをやれていない、という感覚はずっとありました。でも、だからといって、本当にやりたいことが明確にあるわけでもなかったんです。

ただ、会社を立ち上げてから数年が経った頃、まだ元気だった頃の母との思い出が頭をよぎったんですね。私の母は、あまり家事が得意ではなく、ご飯も丁寧につくるタイプの人ではなかったんですよ。


<認知症を発症された頃の、お母様のお誕生日会の様子。素敵な笑顔にこちらまで口角が上がってしまいます>

ただ、ハレの日だけは違って、特にお正月は着物で着飾って「なます」をつくってくれたんです。私の地元は柿の産地で、それにかぶと柚子、金時ニンジンと昆布を入れるんです。私は、それがすごく大好きで。

つくってくれたなますを、母と一緒に食べる時間は、子どもの頃の私にとって、とても幸せな時間でした。そのことを思い出したときに、食卓に目を向ければ、自分のやりたいことが見つかる気がしたんです。

あやの:それがあって、「ピクルス屋」を立ち上げることに……?

坂本:私たち夫婦には子どもがいないので、子どもと食卓の喜びを分かち合うことはできません。ですから、母との思い出を残したいという気持ちもあったように思います。

ただ、なますといっても、若い人にはあまり身近でない気もしたので、少しだけアレンジを加えました。誰にでも簡単に美味しくつくれて、なおかつ私にとっての幸せを形にできるアイデアが、ピクルスだったんです。

 

ダメ出しは、すべて改善。“ボロカス”に言われた商品が、百貨店に並ぶまで

あやの:「ピクルス屋」を立ち上げるまで、飲食事業に携わった経験はなかったんですよね。大変なことも多かったのではないかと思います。

坂本:おっしゃる通りで、当時を振り返ると、苦労ばかりが思い出されます(笑)。

まず、「ピクルスをつくる」といっても、「何のためにやってるんですか」と馬鹿にされてしまうんですよね。「儲からない事業をしている」と思われていたのかもしれません。

銀行さんの紹介で、百貨店で仕入れの責任者の方を紹介してもらったのですが、そこでも“ボロカス”に言われましたよ。あまりに否定されるものですから、銀行の方が慰めてくださったくらいです。

でも、それで火がついたんですよね。言われたことをすべてメモして、それを改善し続けました。大きな百貨店さんでしたから「ここを離したらあかん」と思って、とにかく必死だったんです。

<ピクルス屋を始めた当初、売り先がわからず、マルシェなどのイベントに出ていた頃のお写真>

あやの:そうやって改善を続けた結果、いまのピクルス液が完成したんですね。

坂本:ピクルスそのものを販売する計画もあったのですが、それだと次亜塩素酸ナトリウムで野菜を洗わなければならず、どうしても味が落ちてしまうのです。私は、それが納得できなくて。

また、もともとは縦長のピクルスパックだったんです。野菜を入れて漬けるだけではあったのですが、それでも「漬けにくい」と言われてしまい、現在の形にアレンジしました。

<冷蔵庫の中でも自立してくれて、とても便利なんです>

あやの:私が今朝、簡単に美味しいピクルスが食べられた背景には、たくさんの苦労があったんですね。

坂本:指摘されたことはすべて改善しましたし、それに加えて、私自身のこだわりも詰め込んでいます。

例えば、材料に使っているてんさい糖も、オーガニックです。ただ、国内では仕入れが難しく、輸入会社を探しに探して、やっとの思いで見つけました。

こだわりが強かったので、「白砂糖じゃダメなの?」「お客さんはそこまで気にしてないよ」なんてことを言われて、「それじゃあかんのです!」と一人でカリカリしていましたね(笑)。

あやの:実現が遠くなっても、こだわることから逃げなかったんですね……すごい。

坂本:醸造にしても、クイックにできるものではなく、静置醸造という時間をかけて寝かせる製法でつくられたお酢を仕入れています。安くつくろうと思ったら、簡単にできてしまうのですが、それでは納得できなくて。

<ビネガードリンク製造の最終工程の様子。奈良県にある工場で、丁寧につくられています>

そもそも、この事業で儲けよう、みたいなことはあまり考えていないんです。そもそも「人を輝かせるお手伝いがしたい」という思いで立ち上げた会社ですし、人の幸せを願って立ち上げた事業ですから、それを実現しないことにはやっている意味がないんです。

そうやって試行錯誤を続け、現在の形にたどり着いたところで、やっと百貨店に置いていただけることが決まりました。

最後は「もう勘弁してもらえますか」と言われた記憶があります。担当者の方も、私がこれほどまでに食らいついてくるとは思っていなかったはずです。

 

主役ではなくても、誰かの幸せにとって不可欠な存在に

あやの:我が家は「ピクルス屋」のピクルス液のおかげで、食卓に笑顔が増えました。私も仕事に情熱を注いでいるタイプなので、ときに食事の準備がおろそかになりがちだったのですが、簡単に、それでいてとっても美味しい一品ができるなんて、これ以上ないほど助かっています。

<野菜だけでなく、ナッツやチーズなどでも楽しめるピクルス液。カスタマイズは無限大です>

坂本:そうおっしゃってくださるだけで、「ピクルス屋を立ち上げてよかったな」と、過去の苦労が報われます。なにより、食卓に笑顔が増え、心が満たすお手伝いができているというのが嬉しいです。

あやの:具材を切って入れるだけなのに、自分では絶対つくれない美味しさになるんだからびっくりです。我が家では夫が朝ご飯をつくる担当なのですが、レパートリーが増えましたし、つくる工程そのものが楽しくなっているようにも見えます。

坂本:ピクルスではなく、ピクルス液を販売している理由の一つが、プロセスを楽しめるからなんです。自分でつくると、食べるまでに心待ちにする時間が生まれるじゃないですか。その時間には、便利さだけを追求するだけでは味わえない喜びがあります。

それを感じていただけているのか、実は購入者の4割は男性なんです。「料理は女性がするもの」ではないですが、それでも台所に立つ女性が多い時代に、こうやって選んでいただけているのは、どれだけ壁にぶつかっても諦めずにこだわり続けたからなのかな、と思っています。

あやの:うんうん、きっとそうだと思います。あと、これは私得なのですが、せっかくの機会なので坂本さんのおすすめレシピも教えてほしいです(笑)!

坂本:普段から、ピクルス液を使ってたくさんの料理をつくるのですが、「ここぞ!」というときにつくるのはドレッシングです。

ピクルス液と併せて販売している南高梅のビネガードリンクに、クリームチーズを溶いてください。あとは塩胡椒で味を整えれば、とっても美味しいドレッシングが完成します。

食べてくれた人からは、「ピクルスだけじゃなくて、ドレッシングもつくれちゃうの!」という驚きの声が届きました。味も美味しいと喜んでもらえましたね。

あやの:想像しただけで、お腹が鳴りそう……。

坂本:あとは、ピクルス液につけた野菜を刻んで、食べるドレッシングとして使うのもおすすめです。お魚にかけたりすると、色とりどりで美しく、季節感も感じられます。

イベントで試食としてお出しすることがあるのですが、お子さんが「美味しいから家に帰ってつくる!」なんて言ってくれて。

あやの:料理を起点に、幸せのコミュニケーションが広がっていくのも素敵です。

坂本:メイン料理にならなくてもいいんです。でも、おっしゃるように、ピクルス屋の商品があることで、家族の幸せが一つでも増えたらいいなって。

高島屋に勤めていたとき、親子二代でご贔屓にしてくださるお客さんがいらっしゃったんですね。いまはなくなってしまいましたが、難波店の三階にサンドイッチパーラーがあって、いつも決まって名物のエビロールサンドを食べた後に、お洋服を買っていかれるんです。

お子さんは、そうやって回る時間・体験を含めて「いろんな百貨店があるけど、高島屋がいちばん好き」と言ってくれていました。

「ピクルス屋」もいつかは、あのお客さまにとっての高島屋のように、誰かの幸せにとって不可欠な存在になれたらと思っています。

 

あとがき

私たちは普段、スーパーや商店街、はたまたECサイトで買い物をするとき「つくり手」の顔を見ること、そしてその人がどんな思想の持ち主で、なぜそれをつくっているのか……まで知る機会を持つことは、なかなかできません。

でも、何気なく手に取る商品の向こう側には、確実に「人」がいて。

顔が見えることはなくても、本気で、生活者の幸せを願ってくれている人がいること。

今回のインタビューで、改めて感じることができました。

坂本さんがその人生をかけ、思いを込めて生み出してくれたピクルス液。

今日も家族の健康を願いながら、夫や息子が好きな野菜を漬けておこうと思います。

 

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ピクルス屋
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この記事は、NEXTWEEKENDと株式会社SONASとのコラボレーションで制作しています。

 

Editor:Ayano Kawashima
インタビュー責任編集:オバラミツフミ

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