NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、小学校の先生になったもののしんどくて辞めてしまいたいという相談者さんからのお悩みです。

萌さんこんばんは。
萌さんの優しく、あたたかい言葉が大好きで、萌さんのような言葉を紡げる人になりたいなぁと感じる今日この頃です。

編集長がこたえます!のコーナーも大好きで、よく拝見しています。
萌さんにご相談です。
私は小学校の先生として、4年働いています。
社会人になってからずっとこの仕事です。
ですが、しばしばこの仕事を続けるか否か悩みます。

昨年は高学年を担任し、精神的なしんどさから仕事を休む日もありました。
その時は本当に辞めたい、辞めてしまおうという所まで落ちました。

しかし、周りの先生に助けられ、今年も続けようという思いにまでなりました。
今年は1年生の担任をしていて、また違った意味で本当にしんどいのですが、昨年ほどの辞めたい気持ちはありません。
ですが、毎年このような思いでいるのかな…
自分には教師のセンスがないのでは…
子どものために何かできているのか…
とやはり悩んでしまいます。
かといって、ほかにしたい仕事も思い浮かばず、せっかく教師になったのにと言う思いもあります…。
したいことはないといいながら、ただたひとつ、誰かのために萌さんのような言葉を紡げる人になるということが、私のしたいことです。
(26歳/女性/教員)

こんにちは。

今週は東京出張ウィークだったので、普段リモートワークではできない撮影やロケハン、香りなどの五感に関わる企画の確認の予定を詰め込んでいたため、パソコンをほとんど開けない日が何日か続きました。

もちろん滞って困ることもあるのですが、それが今の自分にはとても良くて…!

常にウェブの世界と繋がっていると、四六時中来るメールやSlackの通知に追われてあっという間に1日が終わってしまいますが、「捌く(さばく)」のではなく「生み出す」ことで見える景色…!

やっぱりインプットとアウトプットのバランスって大切ですね。

と、前置きが長くなりましたがお悩みをお送りいただきありがとうございます。

小学校の先生でいらっしゃるんですね。

“しんどい”の詳細が分かりかねるので適当な回答はできませんが、もしその悩みが「生徒たちに与える影響」に対してのプレッシャーで、ご自身が理想に足りていないことなのだとしたら、今からでも十分に改善できると思います。

ただ、“親御さんとの人間関係”“子どもが何を考えているか分からない”“休みの日もやることが多い”などと言った、自分の力では簡単に変えられないことが原因なのだとしたら、教師以外の仕事に就かれたとしても同じようなことで悩んでしまうような気がします。

どんなに楽しそうに見える仕事でも、憂鬱でしんどい瞬間は多々訪れます。

だから“教師に向いていない”という結論を出される前に、何にしんどいと思っていらっしゃるのかをもう少し紐解けると良いかと思います。

それと同時に“どうして教師になりたいと思ったのか”ということを、もう一度新鮮な気持ちで洗い出してみてはどうでしょう。

「誰かのために温かい言葉を紡げるようになりたい」と願ってらっしゃる相談者さんの目の前には、子どもたちに教壇から言葉を紡ぐ機会が毎日あるはずです。

これは当たり前のことではありません。

多くの人は、自分が気づいた“良いこと”を誰かに伝えたい時、家族や友人といった身近な人に伝えるはずです。

今はそれをSNSに書いて、知らない人の心を救ったりバズったりと、思いもよらぬ波及効果もあるかもしれません。

だけど、日々多くの情報に触れている大人たちにとっては、誰がいつ言った言葉なのかということだけでなく、その内容を覚えていることすら簡単ではありません。

その点、子どもたちは基本的にはウェブの世界と繋がることもよりも、目の前の人の行動や言動から沢山のことを吸収しようとしています。

そして、その言葉が与える影響は無限で、こんなにも夢のある相手はいないと思います。

私は社会人になってからの約10年を通して沢山の場で講演やトークショーをさせていただきましたが、先日これまでで最年少となる中学1年生を相手に2コマの授業をさせていただきました。

題目は「同じ場所でも、見える景色が変わる話」にしました。

授業の感想を約120名の生徒たちがそれぞれに綴ってくれたのですが、「帰り道の景色がまるで違って見えた」と希望に満ち溢れた内容を見て、本当にこの仕事を受けてよかったなと思いました。

仕事ではよく費用対効果という言葉を使いますが、この時初めて“時間対効果”という考えが頭に浮かびました。

同じ2時間の講座でも、今から何にでもなれる子どもたちに与えられる影響は計り知れません。

相談者さんが教師になりたいと思われたきっかけもそこにあったのではないでしょうか?

私自身、小学校の時に先生が連絡帳に書いてくれたこと、大切なことを伝えるときは全体を静かにさせて丁寧に何度も伝えてくれたこと、みんなの前で褒めてくれたこと、断片的にでも鮮明に覚えていて、それらは価値観を形成する上で大いに影響したし、今の自分にも確実に繋がっています。

どんな仕事でも憂鬱でしんどい瞬間があるのが前提だとしたら、今一度“教師”に魅力を感じられていたことがなんなのか、自覚してみてください。

相談者さんが明日の朝礼で紡ぐ言葉が、クラスの誰かの20年後に影響するかもしれない素晴らしい仕事だと思います。

それに毎年新しいクラスの担任を持てるというのは、毎年必ず新しいメンバーと新プロジェクトに向き合えるということ。

企業なら部署移動や転勤をしないと叶わないかもしれませんが、それが毎年やってくるって、捉え方によってはとても新鮮で自分自身の成長にもなるはずです。

応援しています!

 

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人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!

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その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

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悩んだ日でもお腹は空く。
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「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
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