こんにちは。NEXTWEEKEND代表の村上萌です。
「季節の楽しみと小さな工夫で、理想の生活を叶える」ということをコンセプトにしたNEXTWEEKENDでは、1ヶ月ごとに、その月のテーマを掲げて過ごしています。
2021年の5月のテーマは「ちゃんと気づきたいから」
コンセプトはこんな感じ。
このテーマを噛み砕いて、みんなで楽しむSNS上のハッシュタグは#ありがとう月間です。
NEXTWEEKENDではこの月間のテーマに合わせて、叶えたいことをWISHLISTと呼び、毎月3つずつ提案しています。
今月のWISHLISTはこんな感じ。
・好きな場所で過ごしたい
・長く大事に使いたい
・家族と気持ちを伝え合いたい
私はこのWISHLISTに合わせて毎月3本記事を書いています。
1本目は「好きな場所で過ごしたい」に合わせて、「“かっこいい”イコール“好き”ではない、空間の話」を、2本目は「長く大事に使いたい」に合わせて、「ビジネスホテルのボールペンが教えてくれたサスティナブル」という記事を書きました。
今回は、「家族と気持ちを伝え合いたい」というWISHLISTに合わせて「私たちが気持ちを伝える時に必要なのは、静寂よりもちょっとした口実」という記事を書きたいと思います。
というのも、“I love you” を伝えることも、ハグをすることも日常的な習慣になく、自己主張が苦手な日本文化を生きる私たちにとって、「ただ会いたかっただけ」とストレートな気持ちを伝えるのは簡単なことではなく、
「たまたま近くに来たから寄ってみたの!」
「こんなのもらったから、一緒に食べない?」
なんて、つい口実を探してしまった経験は誰にでもあるはずです。
そしてそれが、親しい関係である家族だとなおさら照れくさくなる、というのは日本ならではの文化なのでしょうか…。
私は、「家族で作る、感情のアルバム“FAMILY NOTE”プロジェクト」を企画したり、実母と共著で「受けつぎごと」という本を出版していたりすることもあって、家族間でストレートに気持ちを表現できる人だと思っていただくことが少なくないのですが、実は全然そんな人間ではなく、特に実家の家族に対しては、「思春期か!」とツッコミを入れたくなるほど、ストレートに思いを言葉にできないことがあります。
大竹まこと似の父に関しては、ことさら。
いつでもシュールな冗談ばかり言っているもんだから、自然とこちらだってシュールに返してしまうし、誕生日だって父の日だって、連絡こそするものの、毎年同じような文面を送るだけで、大人になって見えてきた親への感情を言葉にすることは、「いつか」と思ったまま、しまっていることがほとんどだったのです。
(かつての父と私)
そんな親子ではあるものの、仲は良いので、少し前に、実家の家族が長崎に遊びに来てくれたことがありました。
私自身、いつまでいられるかも分からない新しい土地で、両親が私たちの家の縁側に座って娘と遊んでいるのを見た時、コロナ禍ということも相まって、「この場所で同じメンバーでまたお茶を飲める“次”がちゃんとありますように」という感情が、つい溢れてしまいました。
ただ、それを言葉に変える方法も分からず、FAMILY NOTEを口実に、「こんなの作ったから、ちゃんと書いてよね」と、とっさに父に渡したのでした。
両親が東京に帰ってしまう日の朝、机の上に置かれたFAMILY NOTEの1ページは、家族からの寄せ書きになっていました。
別に、とても深いメッセージが書いてあるわけではありません。
だけど、これから先どれだけ時間が経っても、いつでもこの日の家の香りや日差しまでもを思い出せるような、大切なページになりました。
LINEももちろん嬉しいのですが、やっぱり後から見た時に、どうしてもデータ的になってしまうんですよね。
父が私宛に綴る直筆を見たのは、小学生の頃に海外から送ってきてくれた「3年生おめでとう!ちびまる子に追いついたね」と書かれたFAX以来だったかもしれません。
“次”に来てくれた時に読んでもらえるように、この日の感情を綴った返事は裏のページに書きました。
FAMILY NOTEが、様々な家族にとって感情を伝える口実となり、関係を微調整しながら、それぞれに大切な感情のアルバムになったらいいな、と思い企画して来ましたが、まさに自分自身でその重要性を実感したのでした。
これからも、誰かが大切な気持ちを伝える時に、口実となって背中を後押しできるようなものや、そんな機会を作っていきたいな。と、つくづく。
引き続き#ありがとう月間のタグで溢れる、良い5月になりますように。