大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。
この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。
今日ご紹介するのは、旦那さんの転勤についていくか迷う相談者さんからのお悩みです。
萌さん、はじめまして、こんにちは!
SNSを通じてですが、こんな時代だからこそ周りの人、家族との繋がりを大切にされている萌さんのお人柄に惹かれていつも拝見しております。
昨年、出産前に読ませていただいた「受けつぎごと」も娘が産まれてから季節ごとに手に取り見返しては、これからどんな家庭になっていくのかなぁと未来の家族像を膨らませています。
今回、私事ですがご相談させていただければと思います。
単身赴任と、家族で一緒に転勤先についていくことの考え方についてです。
去年、夫に転勤の辞令が出ました。
その時、娘が生後1ヶ月ちょっとだったことと、都心ではなく全く知らない土地で生活できるか不安でたまらなくなり、娘と一緒について行かずに単身赴任の選択をしました。
今は新幹線と電車を駆使してなんとか4時間程かけて娘に会いに毎週末帰ってきてくれています。
生後半年が過ぎ、少しずつ娘との生活リズムが整ってきたため一緒に暮らしてみたいなあと思ってきたところで、保育園の問題と私自身の仕事復帰もあり結局そのまま単身赴任を続けており、4月から娘は保育園、私は仕事復帰と家族で新しい生活がスタートしようとしています。
しかし、ここへきて、やっぱり娘が小さいうちは家族で過ごした方が良いのかなど堂々巡りで気持ちがコロコロと変わります。
娘を保育園に入れることや、私の仕事復帰についてはマイナスな感情は無く、前向きに捉えているのですが家族の時間という面でなかなか思い切れません。
主人の仕事柄3年から5年で全国転勤があるため、今後も転勤はつきものです。
ただ、娘のことを考えると小学生以降などあまり転校を続けていくのもどうなのかな、、などといろんなことを考えてしまいます。
萌さんはご自身のお仕事がお忙しい中でも、ご主人を献身的にサポートし、北海道、大阪、そして今回長崎とご家族で着いて行かれていますが、どんなお考えをお持ちでしょうか?
萌さんのお父様が単身赴任されていたということで、どちらのご経験もされているので、何かご意見があればお伺いしたいです!
家族ごとのそれぞれの事情があるので家族でしっかり話しあってくれ!という悩みで申し訳ないですが、、、よろしくお願い致します。
(29歳・女性・会社員)
いやいや。ついに長崎に引っ越して来ました。
月に2度、10日と20日に更新しているこちらのお悩み相談コーナーですが、10日の回におこたえした時は大阪のマンションにいたのに、今はまさかの雪が積もる長崎の一軒家に暮らしています…!
たった数日で、精神的にも随分見える景色も変わりましたが、それはまた今度書くとして…。
お悩みをお送りいただきありがとうございます。
きっとこの季節は同じようなお悩みに直面している方も多いのかな、なんて思ってこちらを選ばせていただきました。
ただ、相談者さんも書いてらっしゃるように、エリア、ライフステージ、それぞれの家族の人柄など、さまざまな条件に合わせてベストな選択は変わるので、きっと1つの答えはないですよね。
私はこれまで神戸、札幌、大阪、長崎、と何箇所も夫と一緒に引っ越して来ていますが、そもそも私の場合は、学生時代から付き合っていた夫が、当時からすでにプロアスリートだったこともあり、それを前提に今の仕事のスタイルも作ってきました。
そのため、移籍にはほとんどためらいがなく、自分だけの人生だったら住めなかったであろう場所に住むチャンスができて、気づけば新天地での出会いが仕事にも生きていたりするので、結構楽しんでいるのですが…。
今回は、ようやく難しさを実感していたりします。
というのも、私は相変わらず「なんとかなるでしょ」マインドで生きているものの、札幌に住んでいた頃は小さかった娘も、今や3歳。
大阪の保育園の最終登園日、大好きな先生たちがずらりと並んで泣きながら玄関で見送ってくれて、小さいながらにちゃんと寂しさを感じている彼女を見た時に、この人の可能性を奪いたくないなということは強く感じました。
今回、長崎に引っ越すことになった際に、たった数日の間に、そう多くはない選択肢の中から新居と保育園を探し、いろいろな事情があり、今もなおどこに入れるかが確定したわけではない、という状況…。
限られた時間の中ではベストを尽くしたつもりです。
ただ、大人は、新しい環境の中でも自分自身で違和感を感じたり、それによって後から帳尻を合わすこともできるけれど、大人の用意した環境の中で価値観を形成していくのが子どもだとすると、これまでのスピード感に巻き込むのは嫌だな、と思いました。
娘が小学生になる頃のことは、夫次第ではその時どこに住んでいるかも分からないし、正直まだ全く方針が決まっていません。
でも、何がなんでもついていくとは思っていなくて、そこに娘の育つ環境に対する妥協が生まれてしまうことがあれば、私はきっと相談者さんのように新しい家族の形を提案すると思います。
とはいえ、あくまでも今のところは、北海道で経験した壮大な自然の中での子育ても、大阪での、“こち亀”かのごとく、街の人と仲良くなれる環境での子育ても、本当に素晴らしい時間で、夫と一緒に色々な場所に住めていることに、一切の後悔もありません。
むしろ、娘も含めて、あちこちに「おかえり」と言ってもらえる場所ができて幸せだな、と思っています。
長崎も、今日家の庭で嬉しそうに雪だるまを作っている娘を見て、寒くて、やや古いけど、ひとまずこの家を選んでよかった、としみじみ感じていました。
なので、移動するということだけでなく、そこに親が考えうるベストな環境への選択がセットであれば、変化の激しいこの100年時代に、ずっと同じ場所にいる必要なんかなくて、適応力が鍛えられて楽しいんじゃないかなぁと、私は思っています。
(相談者さんご自身のお仕事についてはまた別途考えなくては…ですが)
上記は子育てをする母としての意見ですが、8歳から父が海外に単身赴任していた娘としての気持ちとしては、1~2ヶ月に1度、1週間程度帰国する父は家族のヒーローで、帰国初日に必ず行く焼肉屋への道中は、母、私、弟、と、それぞれに父に話したいことが多すぎて、本当に全員でテンションが高く、近所でも有名なほどでした。
たまにしか会えないからこそ、反抗期なんてもったいない期間を過ごしたくなくて、基本的にはずっと仲も良かったし、いざという大きな決断をする時に相談したいのはいつも父でした。
父が不在の分、母がしっかりと日常を楽しませてくれたからか、「寂しいね」というよりは「次パパが帰ってきたら~をしよう」というトークが楽しかったことしか覚えていません。
物理的に離れていても、精神的にはものすごく近かったな、と改めて思います。
だから本当に、どちらを選んでも大丈夫だと思います…!
旦那さんの今の赴任先で過ごす時間を想像した時に、「なかなか面白い日々にできそう!こんな子育てしてみたい!」と思って想像が膨らむなら、きっと相談者さんの人生において尊い期間になるし、今のまま離れていたとしても、精神的に近くいられれば、お子さんはきっと、たくましく育ちます。
「一緒に過ごすべきかな」の一般論にとらわれず、お子さんにも、ご自身にも、どんな環境だと今よりもっと楽しく過ごせるかな?と考えてみてくださいね!
4時間かけて毎週頑張って通ってくれている旦那さんが一緒だし、どんな決断をするにも心強いですね。
応援しています!
というかお互いに頑張りましょう!
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「編集長がこたえます」が本になりました
人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!
NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。
その名も「深夜の、かけこみ横丁」。
「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」
身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。
横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。
▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。
▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。
▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。