NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、結婚していないことに生きづらさを感じている相談者さんからのお悩みです。

萌さん、はじめまして。
萌さんの聡明な考え方も温かみのあるお人柄も大好きで、NEXTWEEKENDの発信をいつも楽しみにしています。
コロナ禍での独り暮らし、本当に心の支えです!
ありがとうございます。
相談内容ですが、独身の生きづらさについてです(笑)
すでに、(笑)と自虐気味になってしまう自分の捉え方も然り、まだまだ世の中的にも居心地が悪いのが現状かな……と思っています。
そもそも私は、恋愛体質ではなく あまり結婚願望が無いのが正直なところです。
好きな人や好きでいてくれる人がいる喜びや安心感も知ってはいるものの、人と長く居ると疲れてしまう質で、独身のまま先日40歳を迎えました。
「結婚が全てではない」「未婚率増加」とは言えど、大きな何かを成し得ていない未完成な女性……と言う引け目があり、未だに諦めていない母親に遠回しに結婚をちらつかされたり、集まると当たり前のように恋愛話で盛り上がる女性達を見ると、どうしても自分の人生や自分自身を否定された気持ちになってしまいます。
結婚、出産、育児……と着々とライフステージを進んでいく女性の多いNEXTWEEKENDにいらっしゃる萌さんには難解な人種かもしれませんが、萌さんの率直な感想や「こんなふうに考えてみたら?」というアドバイス等ありましたら伺いたいです!
丸投げのような相談で申し訳ありません。
長崎の地へお引っ越しされるとの事、萌さんが降り立った場所にはふんわりタンポポが咲くイメージで、長崎県民が羨ましいです(笑)
心細さもおありと思いますが、無理なく馴染んでいかれますように。
これからも、応援しています。
(40歳・女性・会社員)

こんにちは。

私の近況まで知ってくださっていて嬉しいです。

昨日まで長崎に物件を探しに行っていました。

坂と海が多く住める土地が限られているからか、物件探しはなかなか難航。

ついでに今年4歳になる娘の保育園探しをしているので、もう本当に条件が合わなくて!

賃貸で古い一軒家を借りてDIYをするか、条件による消去法で残ったマンションをカスタマイズするか、あと数日以内の決断を迫られています…。

きっと来月のお悩みコーナー(10日版)では引越し直前、その次(20日版)では引っ越しも完了していると思うので、またここでご報告させてください…。

未来はいつも突然だ〜。

さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます!

社会が押し付けてくるイメージによる生きづらさは、すべてにおいてありますよね…。

このお悩みコーナーにも、「母親なのに、〜ができません」「男性なのに年収が〜で自信がありません」などと、本当に沢山の方が「〜なのに」という、社会の作った像によって苦しんでいるな、と感じます。

社会の作ったイメージとはいえ、その“像”を強いているのは他でもない自分、とは頭で分かっていても、毎日社会に接する以上、誰かの発言や価値観によって否定されているようで葛藤するのだと思います。

本来在りたい姿があって、それに対して何かができていないのであれば、悩んだり改善したりすることは人それぞれにありますが、相談者さん自身が恋愛体質でなく、誰かとずっと一緒にいることが苦痛なのであれば、今歩んで来ている道に対して負い目を感じる必要はまったくないと思います。

「○○なのに、〜○○。」で文章を終わらせてしまうと、一般論で会話が終わってしまうので、「なのに」を「だから」に置き換えて、今自分が楽しめていることを、ちゃんと味わってみてはいかがでしょう。

社会の声をシャットダウンすることは難しくても、自分自身が、今を“選んでいる”と実感できていれば、別の選択をした人の声も、ひとつの価値観として「へぇ」と純粋に受け入れられるかもしれません。

私も、
「経営者なのに会社を不在にして、半分は地方にいる」とか、
「アスリートの旦那がいるのに、半分は東京に出張している」とか、
「ライフスタイルを発信しているのに、整理整頓ができない」とか(これは、どうでもいいですね笑)、
誰かの価値観で語られればそこで話が終わってしまうことは多々あり、それによって何かを言われることだってありますが、
「私が会社を不在にして2拠点生活をしてきたから、リモート制度が整えられる」とか、
「夫がアスリートだから、夫が現役中にできないことを自分がする」とか、
「私が整理できないから、必要とされているコンテンツの企画ができる」とか(これは開き直りですが…笑)

自分の中で、目の前にある道に対して、選んでいる実感があれば外野の声って本当に「わぁ、そうか。こう思う人もいるんだな」と、人の心理を学ぶ参考材料にしかならないんですよね。

それによって、今後自分は誰かを傷つけないための勉強になったな…、とすら思ってしまうほど。

だから相談者さんは、“独身だから”という括り方だけでなく、40年間さまざまな経験をされてきた、他でもない今の自分だからこそ、という視点で、今見える景色をちゃんと楽しみ尽くす、でいいんだと思います。

好きな器が明確になったな、とか、舌が肥えて料理が楽しくなったな、とか、酸いも甘いも経験して小説がしみるようになったな、とか、今のご自身に“だから”をつけて、自分が歩いている道をちゃんと愛しく味わってほしいな、と思います。

「今を選んでいる」という実感の重要性は、結婚している人にも言えることです。

結婚したから一緒にいるのではなく、一緒にいたいと思ったから結婚するのに、世間一般の価値観で自分の幸せを語ってしまい、もはや一緒にいる理由もないのに現状を変えられずに毎日を嘆いている人は、本当にたくさんいます。

「結婚した人の道」「離婚した人の道」などと、過去の自分の選択に捉われて、ただひたすらその道を歩くことにも、そこに名前をつけることにも意味はありません。

今日もなお選択を繰り返して、自分だけの道を作っていくのが人生なんだと思います。

結婚したい、離婚したい、独り身でいたい、パートナーがほしい。

一般論での正解ではなく、どれも今この瞬間その気持ちに向き合って、自分にとってのベストだと思っているのか、ということだけが、大切だと思っています。

だから、相談者さんも、この先突如価値観が変わるようなことがあって「この人となら結婚してもいいかも」と思うことがあれば、その気持ちを否定する必要もないし、いつだって、明日の自分をちゃんと選び続けていけばいいだけだと思います。

お悩みを送っていただいただけの関係ですが、相談者さんの表現力、相手の前後を気遣ってくださる文章、ちょっとしたユーモア、とっても素敵な方だなと思いました。

今目の前に見えている景色を存分に味わって、自分が楽しい道を作っていってくださいね。

 

お悩み募集中!

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※すべての質問に回答できるわけではございません。
また、頂いたお悩みはNEXTWEEKEND/村上萌の発信する他のコンテンツで使用させて頂く場合がございますこと予めご了承のほどよろしくお願いします。

「編集長がこたえます」が本になりました

人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!

NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。

その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」

身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。

横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。


▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。


▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。

▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。

 

「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
発行元:カエルム株式会社
仕様:176ページ/B6版製本
定価:1760円(本体1600円)
流通:全国書店、ネット書店
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