NEXT WEEKEND DATE

いつもの買い物、今日の食事、洗濯や掃除…。
朝起きてから寝るまで、毎日は選択の連続。
そのひとつひとつが自分や家族にとって心地いいものであるのはもちろん、環境や誰かのためにもなっているなら、それはさらに “うれしい選択” になるはず。
この連載では、明日をつくるための小さな工夫や習慣を、NEXTWEEKENDスタッフが等身大で綴っていきます。

こんにちは。経理の出分です。

コロナ禍でおうち時間が増えたり、また私は同時期に出産もしたことで、住まいや、持ち物について考えることが多くなりました。

どんな住まいが自分にとって心地よくて、どんな持ち物があれば、自分にとって充分な暮らしができるのか。

それは、連載のタイトルにもあるように、自分にとって「うれしい選択」について向き合うこと。

改めて生活に関わるもの選びについて考えてみると、大きな軸を持って選択していることが分かりました。

その中の3つを今回綴ってみたいと思います。

 

 

私は普段からヴィンテージの洋服、食器、家具などが好きで、よくお店を巡ったりするのですが、その時にお店の方からどういう時代にどのように作られたのか、など背景を聞く時間が好きです。それが購入の決め手になったりもします。

また、お店で購入したものだけではなく、家族から受け継いだ「家族ヴィンテージ」は特に大事にしていて、使用したり身につける度にもう会うことはできない家族の想いも共に引き継いでいるようで、なんともいえない温かい気持ちになります。

お店で購入したヴィンテージ、そして、受け継いだ家族ヴィンテージ。
私が生きたことのない時代に作られたもの、会ったことのない家族が使用していたものが巡り巡って私の元にある、というなんだかどれも奇跡みたいなこと。

そういった目には見えない歴史を思うと、傷も愛おしいし、壊れたら直して使おう、と自然と思えます。

とても基本的なことではありますが、こうして古いものを大事にしていくことは、ゴミになるものを減らすことにもつながります。

そして、個人的には人を想って優しくなれるようにも思っています。

 

今年、良い出会いがあり、中古物件を購入しました。

ここ数年間ずっと新居を探しており、新築含めてかなりの数を見てきたこともあり、どんな家が自分たちの中でフィットするのかポイントが絞れていたので、最終的に決めたお家は内見後、即決でした。

住む地域、金額、広さなど変えることのできない条件のもと、多くの家を見ましたが、決まっていつも魅力を感じたのは中古物件。

ピカピカの床より、使い込まれた床が心地良かったし、自分たちでは恐らく考えつかないような作りに出会えたり、また、家の至るところに感じる住んでいた方の暮らしや歴史を想像するのも好きでした。

でも、世間でよく耳にするのは「家の寿命は30年」という言葉。

色んな想いや歴史のある家も築年数だけで価値が決められてしまうなんて….といつも違和感がありました。

海外では日本に比べて家を建てる時の決まりが違うこともありますが、一つの家が何度も受け継がれ、家の価値が長く守られているそう。

少しずつ日本も変わってきているようですが、価値が無くなったからといって空き家のままになったり、すぐに取り壊してしまうのではなくて、手を入れながら長く愛され続ける家が増えるといいなと思っています。

自分の人生の中で恐らく最も多く登場する「場所」である家。

自分自身のもの選びの軸のなかで暮らすのはやはりとても心地良いです。

壁の色塗りをしたり、庭をいじってみたり、現状を生かしながら少しリノベーションし、新たな所有者となった私たちの歴史を刻み初めています。

 

古いものが好きですが、もちろん新しいものも買うときもあります。

時と場合にもよりますが、買うものはできれば長く使えるものを、それが、例え値が張るものでも、お手入れして長く使えるものであれば買うように。

その場合、お手入れ方法を定員さんに聞いたり、自分で調べることを徹底。

例えば、10年ほど前にどうしても欲しくて、当時の私にとってとても高いコートを迷いに迷って買ったことがありました。

店員さんに「着た後は必ずブラッシングをして埃を落としてあげればクリーニングに毎年出さなくても大丈夫」と教えてもらったので、それを忘れずに実行。
お陰様で、今も風合いが落ちずに現役で着ています。

まるで我が子を見るように様子を見ながらいつもブラッシングをしていたので、愛が深まるばかりで、年老いてもこれが似合う自分でいたいと思うし、いつかこのコートを家族に引き継げたらとも思うので、更にお手入れに気合が入っています。

 

古いもの新しいもの、どんなものにも魅力があります。

大事にされてきた古いものの美しさを実感したからこそ、新しいものも大事にしようと思える。

大事にしてきたものの引き継ぎ先は見知らぬ人だっていい。

手に渡った時に大切にしてきたことが伝わって、その人も大事にできるよう愛情をかけていければいいなと思います。

今回は「古いものが教えてくれる、歴史とものを大事にする心得」についてのご紹介でした。

Share On