NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、お子さんのことが心配でたまらない相談者さんからのお悩みです。

萌さん、こんにちは。
こんなご時世ですが、NEXTWEEKENDのおかげで日々の暮らしが楽しいです。
どうもありがとうございます。

1人で考えれば考えるほど暗くなってしまうので、相談させてください。
ニュースを見ていると、明るいニュースももちろんやっているのですが、事件や事故の話題を目にするとどうしようもなく辛い気持ちになります。
独身の時はそんなニュースも気にしていなかったのですが、夫と結婚し、娘が生まれ…どんどん気にするように。
娘が事件にあったらどうしよう。夫が事故にあったら。。など、どれも自分に置き換えて考えてしまうのです。
特に娘のことは深く考えてしまい、事故にあったら後悔するから1人でどこにも行かせたくない。
仕事復帰して、保育園でなにかあったらどうしよう、仕事辞めようかな。と、大切すぎて、まるで娘を高い塔の上に閉じ込めて育てた、ラプンツェルのお母さんのように娘をどこにも行かせたくなくなってしまいます。
毎日ここまで深く考えているわけではないのですが…こういう気持ちにどう折り合いをつけてやっていけばいいのか、アドバイスをください。
(30歳・女性・主婦)

夜長が楽しい季節になってきましたねぇ。

ここのところ、規則正しい生活を送っている夫に従って一緒に早寝早起きをしていたのですが(21時台に就寝という健全さ…)、夜風があまりにも気持ち良いので、こそこそと寝室を出て、ベランダでお月見を楽しんだりしています。

さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。

ラプンツェルのお母さん…。分かります。

私も、娘に「そっちは危ないよ」と言った後に、「こっちも危ないよ」なんて言っている自分にふと気がつくと、「ゴーテル(ラプンツェルの母の名前)じゃん、自分…」と、思ったりします。

ニュースを見ていると、生きていることがいかに奇跡かと思うようなことばかりで、心配するとキリがないですよね。

私の場合、通う保育園や、住環境、日々口にする食事や身につけるものなど、親が与えられるものに関しては、少しでも心配が軽減されるように、ちゃんと納得できる理由で最善だと思うものを選ぶ、ということは夫と心がけています。

もちろん、本当に想像もできないような事件ばかりが耳に入るので、“絶対”なんてものがないことは重々承知していますが、「これなら安心」「これで大丈夫」と、その都度選択に納得できるまで向き合うことで、たとえ一緒にいられない時間も、心配や罪悪感に包まれることなく、「今ごろ、こんな時間を過ごしているのかな」と楽しい想像をできるようになりました。

“させない、やらない”という選択よりも、“何をどうしたら危ないのか”を、ちゃんと教えながら、親が目の前にある選択にちゃんと向き合ってベストだと思うものを選ぶことで、少しずつ安心できる子どもの環境は作られていく気がします。

それから、「もし~になってしまったら怖いからやめておく」という、起きていないことを悲観して、やらない選択を親が繰り返していると、それは子どもにも伝播してしまうだろうな…、とも思っています。

それよりは、「これに挑戦したら、こんなことが起きるかな」と、進んだ先にある景色を想像して一緒に楽しむ、という視点を娘にはたくさん見せたいなと、私は思っています。

「なるほど、こんな景色が見えるのか」という経験の数が、自信と肯定感を作り、そこで感じることが、その人の価値観や感性になると思います。

親が与えられるのはきっと、環境ときっかけだけ。

心配は尽きないと思いますが、少しでも安心できる環境を作って、相談者さん自身が人生を楽しむ背中を見せてあげることは、きっと将来の娘さんの宝ものになるはずです…!

余談ですが、今ちょうどうちの娘が、トイレトレーニング中で、「トイレに行きたい」と言ったら連れていくようにしているのですが、“大”の時は言えないことが多く、先日「なんでちゃんと言わないの?」と尋ねたところ、「ママがパンツ履かせないからでしょ?」と言われたんですよね…。

心配でオムツを履かせていたのですが、信頼していないことが分かったから、娘もそれでいいやと思ったようで、なんだか心に突き刺さり、その後すぐに2人でネットを見ながら可愛いパンツを買って盛り上がりました。

相談者さんは、娘さんが保育園に行かれる前のようなので、まだ我が家より小さいのかもしれませんが、子どもが大きくなるにつれて、心配=信頼していないということにもなるんですよね。

ラプンツェルのお母さんが歌っている“mother knows best(母はすべてを知っている)”がそれを物語っているかもしれません。

母が知っているのは自分の前での子どもの姿だけで、目の前にいる子どもは、たとえ3歳だとしても、もう保育園でしっかり人間関係があって、仲良しのお友達や先生との会話もあって、親の知らないところで、ちゃんと頑張って、そして楽しんでいるんだと思います。

ニュースは、子どもに教えるべきことだけ参考にしつつ、少しでも安心できる環境を一生懸命作選んで作り上げて、そして、子どもから知らないことを沢山教えてもらうつもりで、お互い子育て楽しみましょう…!

 

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その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

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身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。

横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。


▲共感を集めた31のお悩みを掲載
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今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。

▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。

 

「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
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