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夫婦って何でしょう。

異なる人生を歩んできたふたりが一本道を歩んでいくなんてロマンチックだけど、実際は日々の地道な積み重ね。

ケンカしてすべて嫌になる日もあるけれどなんだかんだ一緒にいたい。
そんな不思議な間柄。

価値観が変わりゆく今、夫婦のあり方にも正解はないはず。

大切なのはふたりの最適解を見つけ、日々アップデートしていくこと。

そこで連載「ふたりのこと」では色んな夫婦のかたちを紐解いていきます。

第一回に登場するのはNEXTWEEKEND編集長の村上萌と、その夫であるサッカー選手の都倉賢さん
(NEXTWEEKENDの中の人ではありますが、この取材記事では以下「萌さん」と呼ばせていただきます)

いつも楽しそうでおちゃめなふたりが大事にしている3つのことはこちら。

 

 

サクッと今を共有することで、自然と助け合える

都倉賢さんと萌さんは結婚9年目。

今夏3歳になる長女・杏ちゃんとの楽しくも目まぐるしい日常はNEXTWEEKENDでもおなじみです。

平常時はサッカー選手である夫・都倉さんの試合をベースに、萌さんは大阪と東京を毎週行き来。

“せっかくなら精神”でフットワーク軽く毎日を楽しみ、支え合いながら家事・育児・仕事に奮闘する姿が魅力的です。


▲チームメイトのような親友のような恋人のような。一言では言い表せない“ふたりだけの空気感”が素敵。今回はインスタントカメラでお互いや家族の愛しい時間を自由に撮ってもらいました。

 

恋人時代を含めると11年も一緒にいるそうですが、基本的に人生における登場人物や事柄はお互いシェア。

いつだって「今」を共有しあうことが1つ目のルールだと話してくれました。

 

萌:
「私たちは仕事内容が全然違うので『どうせ分かんないよ』って一線を引いてしまうのは簡単ですが、その積み重ねで溝ができてしまうのは嫌なんです。

だから細かいことをさくっとシェアしています。

例えば仕事で悩んでいる時、たとえその分野に詳しくなくても相談するし、夫はうちの社員の名前はもちろん、その人の近況、旦那さんの名前や子どもの年齢まで把握してくれています。」

賢:
「僕もサッカーのことはサクッと話していますね。移籍が多い職業だから、正直来年どこでプレーするかわからない。

急に『明日移籍するから』なんて言われたら困るだろうから、日々考えていることはこまめに共有。

そうすることで大きな決断も大ごとになりづらいんです」

萌:
「朝ごはんとか食べながらラフに話すよね。

日常をシェアできるとお互いの状況を把握できるし、小さな悩みがたまらないのでありがたいです」


▲今年3歳になる杏ちゃん。最近はおままごとに夢中。「ぬいぐるみに限らず、お皿でもジュースでもなんでも擬人化し我が子のように話しかけているので、娘の口調から自分の癖を知ることも多々あります」(萌さん)

 

今を共有するのは日々の家事や育児も同じ。

ふたりの基本は「分担しないこと」。

得意分野を生かして料理は萌さん、日用品の補充・修理は都倉さん、とゆるい分担はあるものの明確な線引きはしていないそう。

それは今を共有することで助けあうサイクルが自然と生まれているから。

 

萌:
「余裕がある方が先回りする仕組みになっています。

先回りするためには相手の状況を把握することが大事で、かつ毎日状況は変わる(笑)
だから分担がその都度コロコロ変わっています。

試合前日や当日、トレーニングがハードな日は洗い物させたくないから私がお皿を洗うし、逆に企画書作りに追われている時は夫が『萌ちゃん頑張ってるから』と自然に洗い物や料理の仕込みをしてくれています」

 

家のことはお互いさま。家事も育児も分担しすぎず自分ごと化

 

今を共有し先回りすることで生まれるのは「やってくれてありがとう」という感謝の気持ち。

それが2つ目のルール「家事と育児は「ごめんね」より「ありがとう」」につながっています。

 
賢:
「一番のきっかけはおむつ替えです。

娘が生まれてまもない頃、おむつを僕が替えた時、妻が何気なく『あ、ごめんね』って言ったのが気になって。

別に嫌なことをしているわけじゃないから。
だから『ごめんねじゃなくてありがとうって言おう』と提案しました」

萌:
「家事も育児も役割を決めていないから、ありがとうって言いあっています。

たとえばお米炊いただけでもありがとうって言ってくれたり。

『やってくれたこと気づいているよ』って言葉で伝えるのも大事ですよね。」


▲最近、ベランダの楽しみ方を見つけたふたり。ウッドパネルを敷き、ハーブを植え、天気の良い日はランチ。暮らしの幅がぐんと広がったそう。

 
ふたりの間にあるのはやってくれるだろうという甘えではなく、お互いさま精神。

でも一つの疑問が脳裏によぎるのです。

そもそも家事を分担しないって難しいのでは?
「こんなにやってるのに!」なんて言い合いは起きない?分担しないでうまくいく秘訣は?

 
賢:
「僕は分担とかあまり考えていなくて、価値を創造している感覚です。

それは家事に限らずサッカーの試合中もご飯中も寝る時も。
常にいいパフォーマンスを出すことを大事にしています。

サッカー選手は基本的に練習が午前中で終わるので、何も手伝わなかったら家にいる価値ないって思っちゃう(笑)

妻が家事・育児・仕事を両立する姿を尊敬しているし、大変だと思うから自分ができることを探します」


▲ステイホーム期間、萌さんが仕事に集中している時は都倉さんが杏ちゃんと遊びます。ラジオ体操をしたりDJごっこをしたり朗らかなふたり。


萌:

「私も同じかもしれません。身体が資本のアスリートだと分かって結婚したのだから『現役中に家族のご飯を作れないくらい忙しくしてしまうのは価値がないかも…』って思っちゃう(笑)
できることをそれぞれやっている感覚です。

分担を気にしすぎると『これ以上はしない』という逆の見える化が起きるのが嫌で。

他人ごと感を自分の家に持ちたくないんです。

そもそも家事や育児、仕事をするのは自分のためでもあるから」

 
と話したあと、少し言葉を選びながらこう付け加えてくれました。

 
萌:
「でも明確に分担することでうまく行く夫婦もいると思います。

私は大阪にいる時は出勤がないため、コロナ以前から基本的にステイホームがメイン。

家にいる時間が長いから分担しなくても回るのかもしれません。

いずれにせよやってくれたことに対してありがとうって伝える姿勢が大事なのかな」

 

「察して閉じる」が都倉家流・不機嫌回避のコツ

3つ目のルールは「ごきげんな自分で接する」。

生きていればイライラすることもあるはず。

でも「私たちほぼ言い争いしたことないよね」という萌さんの言葉に円滑なコミュニケーションのコツが隠されていました。

 

萌:
「感情がたかぶった時は無駄に相手を傷つける可能性があるので、コミュニケーションをそっと閉じます。

こないだ夫がZoomのトークショー直前、マイクが接続できなくて焦っていて。

手伝おうとしたら『できないんだよ』って珍しく苛立っていたから、ドアをそっと閉めて部屋を出ていきました(笑)」

賢:
「僕が唯一焦るのが時間に追われている時。
そういう弱点を萌が把握してくれているんです。

終わったあと『さっきはごめんね』って伝えたら『あの状況でとっくんが焦るのは分かってるから大丈夫』って。

細かく口を出さず見守ってくれるのがありがたいです」

萌:
「『せっかくサポートしてあげたのに!』って問い詰めても意味がないから、コミュニケーションを一旦オフに。

時間が経ってフラットに戻ってから話すよう心がけています」


▲「イライラしている時は無意識に口笛を吹くらしくて。口笛が聞こえてきたら妻は僕をそっとしておいてくれます(笑)」(都倉さん)


萌:

「あと私が強めな言い方をしても夫が『へ…?』って悲しそうな顔で返してくるからずっこけるというか…プリプリしても意味がないと思うようになりました。

不穏な顔してると『萌ちゃんちょっと待ってー!』ってポップに問い詰めてくるよね?(笑)」


賢:

「萌は結構顔に出るんですよ(笑)

締め切りが重なったりして追い込まれている時は口に出すだけでスッキリするだろうから話を聞くし、感情は3秒後に半減するから、まず深呼吸してもらいます」

萌:
「私、いつも深呼吸させられてる気がする(笑)」

 

変わり続ける中で、たった一つ変わらないこと

出会って11年、結婚して8年。

仕事のフェーズも家族のかたちも住む場所も変化してきたふたりですが、変わらないと決めていることが一つだけあります。

 
萌:
「夫婦間だけで通じるノリは変わらずにいたいです。

私たちがいるから娘が生まれたわけで、親になったからといってふたりだった頃の関係性がなくなるわけじゃない。

だからふたりの“遊び”は何も廃止されていないよね?」


賢:

「うん、全く一緒。
むしろ今は娘も加わって3人でやってる(笑)」


▲「僕の上に妻が乗る『信頼の重さ』ゲーム。こんな公の場でご紹介するのは本当に恥ずかしいのですが、体重を信頼の重さって言って遊んでるだけ(笑)最近は杏も乗せて一緒にやっています」(都倉さん)

 
萌:
「両親にも影響を受けていると思います。
父と母は小学校の同級生で昔からノリが変わらないんです。

単身赴任中の父が、母に送ってほしいリストを電話で依頼する時、最後に「桃ちゃん(母親の名前)」って言っていて母親もメモに書いていて(笑)

思わず笑っちゃうんですけどいいなあと思います。

夫がアスリートを引退した時、子どもが巣立った時…その都度夫婦の新しいステージが訪れると思うけど、出会ってから今まで積み重ねてきた関係性を無くしちゃうのは嫌。

ノリは大事にしていきたいし、尊重しあいたい」


▲ちなみにふたりの写真はすべて娘の杏ちゃんが撮影してくれたのだそう。

 

取材の最後、ちょっとした好奇心で「今、お互い伝えたいことはありますか?」と質問を投げかけてみました。

イメージはテレビでよく見る感動シーン。
感謝や裏話が聞けたら面白そうと思ったのですが…

ふたりは顔を見合わせてしばし沈黙。

都倉さんが「普段から伝えているから改めて言うことはないかな(笑)」と切り出すと、萌さんも「そうだね、よく『普段は恥ずかしくて言えないけどいつもありがとう』とかありますけど、毎日ありがとうって言っているから何もないです(笑)」

 
長く一緒にいるからといって甘えすぎない。
お互いをその都度理解し大変な時は手をさしのべあう。
変化を楽しむけれど変わらないことも大事にする。

距離が近いからこそ怠りがちな「こまめ」。

それが都倉賢&村上萌夫婦が大切にしているふたりのこと。

 

Text:Nao Tadachi
Photo:Moe, Ken, Anne Tokura
Edit:NEXTWEEKEND

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