NEXT WEEKEND DATE

人間がデータ化されていて、口にする回数が一番多いものをリストアップしてもらえるとしたら、自分の1番は何になるんだろう。

「ありがとう」ならいいけど、「ごめん」が多かったらちょっと嫌だなとか、10位以内に「疲れた」が入っていたら嫌だなとか、人によって色々だとは思うけれど、私の場合、ベスト10入りする可能性がある言葉に「せっかくなら」がある。

これまであらゆるコラムやトークイベントでも伝えてきたけれど、この言葉の反語は“面倒くさい”だと思っている。

そう、“せっかくなら”は魔法の言葉。

何かを選ぶために立ち止まった時、相反するこの二つの言葉は、きっぱり道を分かれさせる。

「みんな集まったことだし、せっかくならピザでも取ろうか」
「天気もいいし、せっかくならピクニックでもしようか」
「ここまで来たし、せっかくなら温泉に寄って帰ろうか」

目の前にある事実をもとに、 “面倒くさい”の後に何かが生まれることはほとんどないけれど、“せっかくなら” の後には、その人らしい付加価値提案が生まれる。

そして、この提案をすると「いいねぇ〜!」と共感されることもあれば「え!楽しそうだけどそんなのありなんだね!」と驚かれることもしばしばあって、その付加価値提案はその人がこれまでの人生で“楽しかった選択”の体験にもとづいた、大いにその人らしさが反映されたものなのかもしれない、ということに気がついた。

だとすれば「せっかくなら精神」を推奨するだけでなく、沢山の人の“せっかくなら”を知ることこそが、今日この瞬間に選択をする人に、新しく楽しい道を与えるのかもしれない。

ということで、NEXTWEEKENDの今月のテーマは「見たい景色は自分でつくる」SNS上のハッシュタグは #せっかくなら精神

 

沢山の人の“せっかくなら”を知るきっかけになったらいいなと思う。

ちなみに私の最近の「せっかくなら精神」はこんな感じ。ほとんど、すぐにできる身近なこと。

 

「ぶどうを2色もらった。せっかくだからアンバーブラウンの器で秋色を楽しもう」

「外苑前駅から会社までの道のり。せっかく空が綺麗だから、銀杏並木を通っていこう」

「天気の良い日曜日の朝。せっかくだから朝食のサンドイッチを持って公園に行こう」

「夫と二人きりの休日。せっかくドライブするならいつでもサウナに入れるセットを持っていこう」

▲サウナハットと、保湿グッズ

「友達が長崎を訪ねてくる。せっかくだから空港でウェルカムボードを作って待っていよう」

「せっかく松茸を奮発して買ったから、なんでもない日だけどお祝いしよう」

 

と、こんなことばかりしていたら、6歳の娘にもしっかり“せっかくだから精神”が受け継がれたようで、先日私の両親と一緒に娘が船旅に出かけた時、出航するやいなや、「初めて過ごす、船での夜。せっかくだから、この気持ちを綴っておこう」と、わざわざ窓際に座ってノートを取り出したそう。

せっかくだからの瞬間は、きっと毎日の中に溢れていて、気づいてそれをするかどうかが楽しい毎日をつくっていくのだと思う。

11月らしくない、穏やかな気候が続く今日この頃、それぞれの #せっかくなら精神 でいっぱいの1ヶ月になりますように!

 

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