NEXT WEEKEND DATE

こんにちは。NEXTWEEKEND代表の村上萌です。

「季節の楽しみと小さな工夫で、理想の生活を叶える」ということをコンセプトにしたNEXTWEEKENDでは、1ヶ月ごとに、その月のテーマを掲げて過ごしています。

2021年8月のテーマは「楽しみの作り方」。

コンセプトはこんな感じ。

このテーマを噛み砕いて、みんなで楽しむSNS上のハッシュタグは#夏の遊び心です。

NEXTWEEKENDではこの月間のテーマに合わせて、叶えたいことをWISHLISTと呼び、毎月3つずつ提案しています。

今月のWISHLISTはこんな感じ。

・カラフルな食材を使いこなしたい
・風情のあるものを選びたい
・夏夜のノスタルジーに浸りたい

1記事目は「夏夜の塗り絵ノスタルジー」という記事を書きましたが、今回は「風情のあるものを選びたい」というWISHLISTに合わせて、風情について今一度考えてみたいと思います。

そもそも、「風情」の意味を調べると「 風流・風雅の趣や味わい。情趣。情調。また、それを解する心。」や「自然と醸し出される良い雰囲気」など、明確な定義があるわけではありません。

だからこそ、それを感じられる心が必要。

「風情があるな…」と自身が感じる瞬間はどんな時でしょう。

自分のための辞書を作るつもりで今一度振り返ってみたいと思います。

たとえば、花

まず、私が風情を一番身近で感じるのは花を飾る時。

大阪から長崎に引っ越してきてからは、花屋さんではなく直売所で花を調達するので、毎週末どっさりと買い込んで小分けにして家中に飾っていますが、和風の生花ではないものの、マイルールがあるとすれば「自然の中でこの草花が生きていた時、どんな生え方をしていたかな?」と想像してその姿に敬意を払って、自然なシルエットを意識して空間と調和した風情を大切にしています。

花をバランスよく花瓶に飾るのが苦手という方の多くは、茎の長さが問題だと思っています。

自然界であれだけ凛と咲いているひまわりが、花瓶の中で短く切られて窮屈そうに入っていると、明らかに人工的だから違和感が生まれるはず。

そこで、私が花を飾る時に意識している風情を紐解くとすれば、 “自然な姿に近い”ということが当てはまる気がします。

 

たとえば遊び場

横浜の緑が多い場所で生まれ育ったからなのか、子どもと遊びに行きたいと思う時に、テーマパークや最新の施設が思い浮かぶことがほとんどなく、自然の中で多くの人が工夫して開拓してきたような風情ある遊び場に心が惹かれます。

もちろん、知育の面で経験させたいと思うデジタルな施設もあるのですが、五感を使ってこそ原体験になる、という思いが根底にあるのだと思います。

(和歌山にある、川湯温泉。なんと石を掘ると温泉が湧いてセルフ温泉が作れるのです)

(大阪にある摂津峡)

(兵庫六甲の登山口交差点から六甲ケーブル下駅の間にある、大土神社横の秘密の川)

(長崎県の戸石にある朝市での牡蠣小屋)

こう考えてみると、私が遊び場に対して風情を感じるとすれば、SNSで映えるとか、行列に並んで前後の人と同じものをゲットする、といったことではなく“季節を楽しむための工夫”というものが重要なんだな、ということが分かりました。

 

たとえば空間

NEXTWEEKENDではもう何度も登場していますが、私のアイデンティティでもある祖母の家は築100年の古い洋風の家で、祖母が亡くなって家を相続できなかった際には、その建具を取り外し今のオフィスにもそれを存分に生かしています。

風情がある建物と言われた時に多くの人が想像するのは日本家屋かもしれませんが、私の場合はそんな経験もあってか、“時間の経過を感じる”空間そのものに風情を感じるということに気づきました。

こちらは以前訪ねた、沖縄の浦添市にある湊川外人住宅街というエリア。

戦後米軍統治下時代の沖縄で、米軍人やその家族の住宅が基地内だけでは足りなくなったことで生まれた住宅街ですが、現在は住居だけでなくショップやカフェがテナントとして入っている場所。

今と昔がお互いを邪魔することなく、物語が紡がれていることをひしひしと感じ、京都の祇園などの風情とは別の感覚ですが、間違いなくこの場所も風情のある街並みだと感じました。

ということで、自分に個人的な辞書があるとすれば、私の場合「風情がある」は“自然な姿に近い” “季節を楽しむための工夫”“時間の経過を感じる”といった瞬間なんだな、ということがあらためて分かりました。

ちなみにこの日本古来の独特な美意識である「風情がある」を、英語で伝えたい時はなんて言うの?とネイティブな家族や友人に聞いたところ、

“Feel nostalgic”
“It has a taste”
“It is charming in its own way”

なんていった表現が返ってきました。

日本語でさえ曖昧な定義を、異言語にするのは簡単ではありませんが、自分の中に生まれた感性をしっかりと大切にして、人に伝えられたらいいですよね。

まもなくお盆を迎え、夏休みの方も多いかもしれません。

遠くにはなかなか行けませんが、それぞれに風情が感じられる夏になりますように!

 

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