NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、この春、育休から2年半ぶりに職場復帰をされる相談者さんからのお悩みです。

萌さん、こんにちは。
オンラインサロン“ちゅうもえ”の頃から拝見させて頂き、仕事への姿勢や日々の慈しみ方に人生のヒントをたくさんもらっています。

ずーっとモヤモヤ考えていたことを、萌さんならどう考えるだろうかと思い切ってお悩み募集に投稿してみようと思い、筆(スマホですが)を取りました。
私はラッキーなことに第1志望の会社に入り、就きたい職業に就けたのですが、ハードすぎる仕事に疲弊して結婚を理由に前線から退いて後方支援の部署に異動させてもらいました。
そして妊娠、出産後またすぐ授かったので育休を延長し、この春に2年半ぶりに会社に復帰します。

その間すっかりパワーも充電されたので、以前在籍していた前線の部署に戻ってバリバリ働きたいと希望していたのですが叶わず、産休前からいた後方の部署に復帰することになりました。
比較的楽な部署で、2人の子どものことを考えると良い環境と思いますが、キャリアのことを考えるとモヤモヤが止まりません。
いつの間にか36歳、同期や後輩の活躍している姿を見るとどんどん差が開いていて、追いつけないままむしろ私は後退していくばかりなのではないかと焦ります。
反面、長く育休をとらせてもらった身であり、任された仕事がつまらなくても頑張るしかないのだと分かりつつも、モチベーションが上がらないのが正直なところです。
萌さんでしたらどういった心構えで臨みますか?
ぜひ参考にさせて頂きたいです。

(36歳・女性・会社員)

2ヶ月前から住み始めた長崎で、“せっかくなら”と、これまでの大阪シティライフとはまるっきり真逆の、少し古い一軒家に住んでいます。

入居した時は何もなかった茶色い庭が、この季節になると一斉に芽吹いて花が咲いて葉が出てきて…!

「コデマリ、君だったのか…!そこにいたのは!」なんて、毎朝、自分の家の庭で驚きの出会いがあって、なかなか楽しい日々を送っています。

さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。

育休延長でお2人を出産されたんですね!

おめでとうございます。

2年半という長い育休を負い目に感じているかもしれませんが、今「2人目はどうするの?」と、無邪気に問われることが多い1児の母としても、産休育休、産後復帰を応援している経営者としても、そう離れていない期間に、ぎゅぎゅっとまとめて新しいライフスタイルになられていることは、見通しの立てづらい女性のライフステージの変化を客観的に見た時に、“新しい自分”としてのスタイルが確立しやすそうだな、と思ってしまいました。

(もちろんいろいろと大変なことはあると思いますが…)

同期や後輩が活躍しているように見えるかもしれませんが、相談者さんだって育休の間何もしていなかった訳ではなく、しっかり子育てをしながら、今まで知らなかった景色を知り、新しい感情に触れて来られたと思います。

これまでのように身軽ではないので、一時的にはできないこともたくさんありますが、その多くは物理的なもので、きっと決断力や許容力、想像力など、あらゆるものが広がっているはず。

もともといた場所の、パラレルワールドの自分と比較するのではなく、100年時代を生きる1人の人間として俯瞰でご自身を見つめてみてくださいね。

余談ですが、この前60歳で起業された女性にお会いしましたが、「やっといろいろ見えてきて、準備が整った」とおっしゃっていました。

何かを始めるのに遅いなんてことはないんだと思います。

と、いろいろ理想論を書いてしまいましたが、実際に今復帰される会社も部署も決まっていて、自分の毎日を想像した時に、成果を出しきれなさそうでモヤモヤされているのだと思います。

勝手なことを言うと、復帰して早々に前線のバリバリな部署に戻れていたとしても、2人の育児をしながらの仕事は初めてなので、どれだけ育休中にパワーチャージができていたとしても、ペースを掴むのには多少時間が必要だと思います。

予期せぬタイミングでの保育園からの呼び出し、1人の時の数倍かかる朝晩の身支度に、「後でやろう」と決めていたのに、気づけば朝になっている時の絶望…。

できるはずなのにできないことを目の当たりにして、自分ではコントロールできないアクシデントに囲まれながらも、周りのスピードが速いところで初速から一緒にダッシュするのは、なかなかのハードルだと思います。

なんとかこなせたとしても、自分の寝る時間を削り、休日返上しながら追いつこうとしていたりすると、子どもとお菓子作りをしたり、楽しい時間を送っているSNSを見るのが辛くなったりと、バランスを取るのって本当に大変だと思います。

仕事を辞めざるを得なくなったのではなく、希望の部署がある同じ会社にいられるのだったら、(そして、以前のように希望を言いやすい環境にあるのだとしたら)まずは、今目の前に用意してもらった部署で、しっかりとテーマを決めて向き合ってみるのはどうかな、と思いました。

その上で、やっぱりできるじゃん!と思ったら、また改めて希望を出してみるなど、焦りすぎなくてもいいのかなと。

冒頭に書いたように、2年半前にその部署にいた時の相談者さんと、今の相談者さんが見えている景色は違うし、貢献できるポイントだって変わっているはずです。

なんでもAIができるようになった今、仕事をする上で人間がすべきことは、誰にでもできる正解を探すのではなく、任務を全うしながらも、その人がこれまでの人生で得た知恵を振り絞って、プロジェクトに貢献することだと思います。

育休明け=キャリアダウンではあまりにも夢がない。

ぜひ今の葛藤も、これから直面するジレンマもすべて糧にして、チーム内での制度に活かしたり、新しいポジションや働き方を見つけてみてくださいね。

会社の制度を決める側としては、そういう気持ちをシェアしてくれて、働きやすい会社づくりを一緒にしてくれる人がいるのはすごく心強いし、そんなことが全く届かないくらい大きな会社で、今の自分にできることが何もないと感じたら、かつての第1志望の会社だったとしてもキャリアチェンジしたっていいと思います。

時間の経過とともに後退したと思わず、3ヶ月でも6ヶ月でも、期間を決めながら、育児と両立しながら仕事する、ご自身のテーマと目標を決めて、まずは新しいライフスタイルを見つけられるといいな、と思います。

応援しています。

お互い頑張りましょう…!

ちなみに、この「編集長がこたえます」のコーナー、実は今回で100回目となりました…!

月に2回で100回目ということは…、50ヶ月、4年ちょっと…!?

ご紹介できているのはほんの一部のお悩みですが、実は裏で「今日公開されたお悩みの投稿者です。あの後夫とも話して~」なんて続編をいただいたり、「先日悩まれていた○○さんに、エールを!」なんてお便りをいただいたり、ラジオのように全部ご紹介することができていませんが、私の中では小さなスナックのような、多くの人が行き交う場になっていて、なんだか嬉しいなと思っています。

正解はいつまでも分かりませんが、お悩みにこたえさせていただくことで、自分自身「そっか、そうだよな」なんて確認できることも多々あって。

なかなか人との距離感を縮めづらい時代にはなってしまいましたが、やっぱり今感じていることを通い合わせられるって大切な時間ですよね。

これまで読んでくださっている方、本当にいつもありがとうございます。

そして、これからもよろしくお願いします!(かけこみ横丁、第2弾もまた出したいなぁ~)

 

お悩み募集中!

「編集長がこたえます!」では、みなさまからのお悩みを募集しています。

大きな声では言いづらいけどちょっと誰かに聞いてほしい…

そんなお悩みがある方はぜひ以下のフォームからご投稿ください。

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※すべての質問に回答できるわけではございません。
また、頂いたお悩みはNEXTWEEKEND/村上萌の発信する他のコンテンツで使用させて頂く場合がございますこと予めご了承のほどよろしくお願いします。

「編集長がこたえます」が本になりました

人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!

NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。

その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」

身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。

横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。


▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。


▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。

▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。

 

「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
発行元:カエルム株式会社
仕様:176ページ/B6版製本
定価:1760円(本体1600円)
流通:全国書店、ネット書店
Amazonで購入する

 

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