NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、自分の感情に振り回される相談者さんからのお悩みです。

萌さん、はじめまして。
この連載は初期のころから拝見しています。
萌さんの優しくもどこか達観した考えには「確かに…」と気づかされることも多く…。

「編集長がこたえます!」は、私の価値観を広げてくれる大切な存在です。
私の悩みはタイトルどおりなのですが、怒りやイライラのコントロールが苦手なことです。
今よりも若い頃は、仕事、プライベート問わず、納得できないことや今のはおかしいと思うことがあれば、人並みには思いを口に出せていたと思います。
ただ歳を重ねるにつれ、「怒っても、自分にとっても相手にとっても、そしてこの場にとってもいいことはない」、「もういい大人にんだから、怒りの感情に振り回されちゃだめだ」と思うようになり……。
結果、何か問題が起こったときは、誰よりも自分を一番に責めるようになっていました。
そんな状態にも気づかず、毎日普通に過ごしていたのですが…。
先日、夫との些細なやりとりがきっかけで怒りなのかイライラなのか感情が爆発してしまい、頭の中で夫に、そして見るもの全てに「もう、なんなんだよ!」「うるさい!」と恥ずかしながら暴言を連発してしまいました。
(実際に一言も口には出していません)
なんだかとりとめのない文章になってしまいましたが、萌さんは怒りの感情が湧きあがったとき、その気持ちとどう向き合っていますか?
「私だけが悪いんじゃないんだから謝ってよ!」とつい相手に求めてしまう自分がいて、「でもそれって価値観の押し付けなのかな…?」と思う自分もいて…。
なんだか疲れてしまいました。
客観的に思うこと、でもいいのでご意見いただけると嬉しいです。
よろしくお願いします!
(28歳・女性・会社員)

あぁ、久しぶりにこの原稿を飛行機の中で書いています。

LINEもSlackの通知も来ない飛行時間は、一点に集中することができて仕事が捗るので、もともと大好きな時間でした。

かつて札幌に住んでいたころの前半、まだ娘が産まれる前はよくこうして飛行機の中で作業していましたが、幼い娘を連れてのフライトは一言で表すと“修行”で、携帯すら触れない時もしばしば。

その後、他の土地を挟み、今こうして再び飛行機でないと通うことのできない長崎に暮らして、娘に「頑張ってよね」なんて言葉で送り出されて、単身で出張しているなんて、時の流れは早いなぁ、としみじみしています。

(ってこんな風に書くと、娘はすっかり成人しているかのようですが、まだ3歳です笑。

言葉のセレクトがやや渋め…。)

さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。

感情がコントロールできない時ってありますよねぇ。

でも、「なんなんだよ!」「うるさい!」の暴言を心の中だけで留められた相談者さんは偉いですよ。

感じてしまったこと自体に落ち込む必要もないと思います。

私も、言葉にはしなくても他人に対して心の中でツッコミを入れていることなんてしょっちゅうです。

もし自分がサトラレ(昔ドラマでやっていた、考えていることが全部周りの人に聴こえてしまう人の話)だったら、人間関係は完全に終わっているだろうな、とたまに妄想するほど。

だけどそれって、私や相談者さんだけの話でもなく、誰だってそうだと思います。

どんなに身近な人だって、相手の考えていることが全部分かるなんてことはありません。

言葉にしてくれたって、それは相手が自分宛に編集した言葉であって、本当のところは本人以外誰も分かりません。

でも、その人との未来を作っていきたいから、お互いに感情を編集しながら言葉にしていく、だから人間関係って楽しいんだと思います。

ただ、それを相手にぶつけなかったとしても、怒りの感情は大変なエネルギーを使うので、疲れますよね。

怒りというのは、自分が想定していなかったことが起きた際の、ネガティブな感情の爆発方法の一種だと思います。

怒ることに悩むよりは、そもそも、本来、自分は相手にどうしてほしかったのか、というところを自分に問いかけて、その事実を解決する方法を探ってみるのが一番の近道な気がします。

かつては相手にそれを伝えていたのに、しなくなったと書いてらっしゃいますが、やっぱり伝えないと相手も分かりません。

ただ、自分自身も感情が大きく爆発している時に上手に言葉にできる自信がなければ、少し鎮火した時に、自分の心に「そもそも何を求めているのか」を問いかけて、いつ、どうやって伝えるのがベストか、解決するためには、相手だけに改善を求めることなのかを考えてみるといいかもしれません。

それは価値観の押し付けではなく、人間関係を築く上で重要なことだと思います。

「私だけが悪いんじゃないんだから、謝ってよ」と言われても、素直に謝りたいとは思えなかったり、謝られても根本の問題は解決しないかもしれませんが、そもそも、「なぜ悲しかったのか」「なぜ心配したのか」など、相手に期待していたことと、それが違ったことによって、自分がどんな気持ちになったのかを、怒りで包まずに伝えられるといいですよね…。

なかなかすぐには実践できなくても、「あ、自分は今感情が爆発してしまっている」と自覚できれば、その瞬間に武器を振りかざすこともなく、本来伝えたかった感情を見つけることができるかもしれません。

私は普段あまり感情的になることがなく、むしろドライすぎるほどかもしれないのですが、実はPMS(月経前症候群)が重い方で、その時ばかりは全てに絶望したり、あらゆる人が自分を攻撃しているように感じてしまい、ナイフを持って歩いているかのように、誰かを傷つけてしまう寸前の精神状態になってしまうこともあります。

だけどその時は、“そもそも”なんてものすらなくて、ただホルモンバランスが関係しているだけで、後から振り返ると「なぜ、あんなことでそこまでイライラしていたんだろう」と驚いたりすることもあります。

もちろん、仕事のパフォーマンスにも影響を与えるので、日本医療政策機構が2016年に実施した「働く女性の健康増進に関する調査結果」によると、生産性だけで4兆9,500億円の経済損失があるとか…。

女性はそんな身体的なハードルも抱えながら暮らしているので、すべてを自分の性格のせいにして苦しまないでくださいね。

自分の状態を「なんで今こうなっているかな?」と振り返りながら、心身ともに微調整していけるといいですよね。

(ちなみにPMSについて悩んでいる方は本当に多いので、NEXTWEEKENDでも週末野心学のスペシャル講習にして、私も今体質改善に取り組んでいます…!)

いつだってごきげんな人なんていないけど、そう在りたいと願うことは、きっといざという時の自分を助けてくれるはず。

ともに頑張りましょう〜!

 

お悩み募集中!

「編集長がこたえます!」では、みなさまからのお悩みを募集しています。

大きな声では言いづらいけどちょっと誰かに聞いてほしい…

そんなお悩みがある方はぜひ以下のフォームからご投稿ください。

お悩み投稿フォームはこちらから

※すべての質問に回答できるわけではございません。
また、頂いたお悩みはNEXTWEEKEND/村上萌の発信する他のコンテンツで使用させて頂く場合がございますこと予めご了承のほどよろしくお願いします。

「編集長がこたえます」が本になりました

人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!

NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。

その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」

身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。

横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。


▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。


▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。

▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。

 

「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
発行元:カエルム株式会社
仕様:176ページ/B6版製本
定価:1760円(本体1600円)
流通:全国書店、ネット書店
Amazonで購入する

 

Share On