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大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、子育て中に転職をされた相談者さんからのお悩みです。

タイトルの通り、私はこの4月、初めての転職をしました。
1歳の子どもがいながらの転職。
新卒からお世話になった大好きな会社や温かい方々と離れるのは私の人生において最も大きな決断でした。
今日は転職先での自分についてご相談させてください。
転職してから1ヶ月が経ちましたが、まだ緊張している自分がいて、ミスもしてしまうし、まわりの方とのコミュニケーションもうまくいかず、落ち込む日々です。
会社では気を張りつめているからか、退社した後はどっと疲れて、早々と寝る子どもと寝落ちしてしまう日々。
そんなもやもやした中で、今日上司から私の至らない点をいくつか指摘され、さらに落ち込みました。
転職は即戦力というけれど、自分はミスばかりでまわりの足ばかり引っ張っている。
転職した意味がないじゃないか。
家に帰れば疲れたママで、仕事のことで涙が溢れたり、子どもや転職を応援してくれた夫を心配させるばかり。

社会人でいうと中堅どころなのに、本当に情けないです。
今日指摘されたことも、もっともなことで、指摘していただけること自体がありがたいと思います。
私もそれに気づきながら実行に移せていなかったことがとても悔しくて、この1ヶ月の自分を恨むばかり。
これから信頼を失った分、人の何倍も何倍も頑張らなくてはならないと、道のりは長いと決心しています。
萌さんはこれまでお仕事で悔しかったこと、バネになったことを聞きたいです。
これからの糧にします。

(30歳・女性・会社員)

今日の大阪はなんだか1日中曇っています。

どうせ外にも出ないくせに、ずどーんとした天気に吸い込まれてしまいそうですが、最近、小さな頃に大好きだった「雨、あめ(ピーター・スピア著)」という絵本をあらためて娘に購入したおかげで、雨を楽しむことを思い出せている気もします。

さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。

まずこちらの内容を読んで1番に、すごくポジティブなお悩みだと思いました。

1歳のお子さんがいらっしゃる中での転職は、忙しくなることなどを想定すると、ご自身の中ではきっとすごく勇気を出された決断だと思うし、30歳ということで、キャリアを重ねた自分への理想もあるだろうから、すごく気を張った中でのスタートだったのだと思います。

私は正直、ちゃんと就職したこともなければ転職もしたことがないので、あまり具体的なアドバイスはできないかもしれませんが、客観的に見て、相談者さんのお悩みは、自分の理想が明確だからこその成長痛だと感じました。

相談者さん自身、即戦力になれると思ってジョインしたからこそ、上司の方から指摘されたことは悔しかっただろうし、自分の理想の姿とも違ったかもしれませんが、転職して1ヶ月なんて、ある意味その会社では新人だし、いくら今まで積み上げてきたものがあったとしても、多少の期間、足を引っ張ってしまうことは仕方のないことだと思います。

むしろ、その指摘が理不尽だと思ったり、本質的でないことだとしたら、それはすごくストレスですが「もっともだ…」と思えるなんて、糧にしかならないはず。

分かっていらっしゃると思いますが、ここからしっかり相談者さんが結果を出していけば十分だと思いますよ…!

「自分の価値ってなんだろう、何がしたいんだろう」というお悩みがとても多い昨今ですが、相談者さんのように、すでに「もっとできるはず、悔しい」と思える環境に身を置けていることは、すごく貴重なことだと思います。

それから、初めての転職で日々緊張とプレッシャーを抱える中、1歳の子どもを寝かしつけた後に仕事をしようとするのは、なかなか難しいと思います。
「あぁ、仕事したかったのに今日も寝ちゃった…。」と、毎朝自責の念で目覚めるよりは、しっかり子どもと向き合って、夜は寝落ちではなく、ちゃんと寝る準備をした上で睡眠をとり、すっきりとした目覚めのなか1日を始める方が、絶対にパフォーマンスが良くなると思います。

その日のタスクがどうしても終わっていない時以外は、しっかり寝てください!

朝の気分はその日1日の自分を作るはずです。

私の場合、悔しさや失敗をバネに…、の例で言うと、悔しかったのはほとんど自分の準備不足で、できるはずのことをできなかった時です。

その日の会議の重要性を客観的に見られないまま、相手の想像を超える資料を作れずに臨んでしまった時や、「なんとかなる」という甘い考えのまま講演に臨んでしまった時なんかは、本当に自分が嫌になるし、その焦った状態で出てくる言葉や行動は、空回りし続けることもよく分かりました。

くるぶしからも汗が噴き出してくるような、本当に嫌な焦りを何度もしたからこそ、今相手が求めていることを年々分かるようになり、相手の想像を超えるためには何をしたらいいかも、一応分かるようになりました。

もちろん、分かったとしても、その準備が間に合うかどうかが1番大事なのですが、何を求められているのかが分かるようになったのは、数々の悔しさのおかげだと思っています。

「悔しい!」と同時に「じゃあどうしたらよかったんだ?」と、失敗する前には考えもしなかった範囲まで想像できるようになるので、やっぱり失敗というのは本当に貴重な経験になるんだと思います。

相談者さんは今、新しい環境で、会社のことを知り、その中の人たちのことを少しずつ知って行く中で、自分が求められていることを探っている途中です。

中途採用だからと言って最初から想像を超えようと張り切らず、そして焦らず、今だからこそ背伸びせずにしっかり分からないことを質問して、1つずつ噛み砕いてみてください。

自分がどう見られるか、ということよりも、会社のやっていることが、本質的に社会にどのような価値があって、それを円滑に行うためのフローを客観的に理解しようとして、自分がどうしたら役に立てるかを考えてみてください。

「すごいことをする」のではなく、「ひとまず、目の前のことで、ちゃんと役に立つ」という視点になれれば、少し落ち着いて見渡せる気がします。

転職してきた方が、そういう客観的な目で会社をより良くしようとしてくれた時こそ、その会社でルーティンになってしまっていた無駄なフローに気づいたり、逆に、当たり前になってしまっていた素晴らしい文化を称賛したりと、チームにとって、良き新風を巻き起こせるはずです。

私の会社も途中からジョインしてくれたメンバーが「それって、このツール使うのはどうでしょう?」とか「エクセルの形、こうした方が去年と比較しやすいかもです!」と、次々に提案してくれてスムーズになることがあったり、それと同時に「うちの会社のこういうところが素晴らしい!」と、もはや当たり前だと思っていたことを褒めてくれたりすることが、既存メンバーの自信になったりもしています。

自分の在りたい姿があるからこその、良い成長痛だと思って、今の生活の中で相談者さんらしいペースを見つけて、まずは1日ごとに、良いパフォーマンスを発揮できるように向き合ってみてくださいね。

プライベートでも、「今こんなことしている場合じゃない!」と自分を叱咤激励するより、旦那さんやお子さんと、お気に入りのおやつを食べる時間や、歌って踊るような時間を思いっきり満喫してみたりするのもいいかもしれません。

あっちもこっちもうまくいかない、と負のループにはまってしまうよりは、なにか1つでも「なかなか、いい感じじゃないか」と思えるだけで、意外とあっさり流れが逆回転し始めるはず。

5月は誰もが色々なことに悩む時期だと思いますが、一緒に乗り越えましょうね。

応援しています!

 

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「編集長がこたえます」が本になりました

人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!

NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。

その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

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身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。

横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。


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今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。

▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。

 

「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
発行元:カエルム株式会社
仕様:176ページ/B6版製本
定価:1760円(本体1600円)
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