NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、30歳を目前にし、仕事に求めるものを見失ってしまった相談者さんからのお悩みです。

はじめまして!
萌さんの考え方がステキすぎて勝手にファンになって尊敬させていただいてます。
30歳になる前で自分の生き方に悩んでいます。
今は半年以上お付き合いしてる彼氏がいます。
周りの友達はとても仕事のできる子たちばかりで年齢を重ねるごとに仕事の愚痴、やりがい、キャリアについて話すことが多くなってきました。
私の仕事は大手金融融資審査、毎日シビアな正確性とスピード、知識を求められ、おまけにお客様の理不尽な怒りのはけ口にされとても精神的負担がかかっています。
ですが収入が恐ろしく低いのです。
周りの友人に比べて最低100万円は低いです。
今の職場では仕事のやりがいも感じられず(上司に真っ向から伝えました笑)、低年収、仕事も辛い…と辛いことしか思い当たりません。
唯一良いところは今の職場は残業はほぼなく福利厚生はバツグン!
友人と話していて自分の仕事に情けなさを感じつつも、今お付き合いしてる方と結婚することになって出産することになれば転職しないほうがよいのでは…と、かもしれないかもしれない、ばっかり考えて転職を踏み切れない自分に腹が立ちます。
お付き合いしている方は仕事にやりがいを感じ、収入も相応にあり、相談をすると仕事に対する情けなさを感じてしまいます。
ですが、今一人暮らしをして、好きなものに囲まれて、友達もいて、大好きなお酒に合う料理を作って食べて飲んでいてジムにも通い幸せな日々を送れているのも事実です。
上を見過ぎ、ないものねだりしているだけなのでしょうか?
自分だけで答えを見つけ出せずにいます。
萌さんの経験と知識により意見を伺いたいです。
(28歳・女性・会社員)

こんにちは。

毎月10日と20日に公開しているこのコーナーですが、今日は色々と考え事をしていたら時間が経ってしまい、深夜2時に回答しています。

深夜に書いたことって翌朝見ると「おいおい、そのたとえはちょっと恥ずかしすぎるでしょ」なんてこともあるので、ややヒヤヒヤしながら進めたいと思います。

改めて、お悩みをお送りいただきありがとうございます!

20代後半の女性って、新たなライフステージへの選択機会も特に激しくなって、現状の人間関係や仕事に悩みますよね。

と書いていて振り返ってみたのですが、私自身は、一度も就職をしないまま自分で会社を作ってきてしまったため、自分が今、社会に対して提供できる価値を作り続けなければそれで終了。

正直やりがいについて悩んだことは、一度もないかもしれません…。

(補足すると、それは「私らしい仕事、できてるー!」「さいこー!」みたいな状況では全くなく、「あぁ、よかった。ちゃんと仕事になった!」という綱渡り的な道だったので、やりがいについて悩む余裕もなかったというのが正しいのですが)

だからこそ、共感のオブラートに包めず申し訳ないのですが、「今の仕事にやりがいを感じません」というのは、上司に伝えることではないのでは…?と感じてしまいました。

大手ならなおさら、会社の事業内容は入社前から分かっていたこと。

それにやりがいを感じないと言ってしまうのは、ともすれば同じ環境で働く上司だって、自分が否定されているようで悲しくなってしまうかもしれません…!

たとえば、具体的に部署の体制や、上司の対応のせいで仕事がしづらいのであれば伝えてもいいかもしれませんが、事業内容自体に不満があるのであれば、自分が変わるか、仕事を変えるかの二択しかないのだと思います!

では、自分が変わるにはどうしたらいいか。

今目の前にある嫌な顧客対応に悩んだり、友達の細かい労働条件と比較するだけでなく、自分自身がどんな人生を歩みたいのかを、今一度長い目で考えてみてはどうでしょうか。

それらを箇条書きや時系列で書いてみた時に、仕事よりも、とにかく毎日ちゃんと仕事がきっちり時間通りに終わって、美味しいものが食べられて、友達や好きなものに囲まれて暮らせるのが理想!と思うのであれば、福利厚生がバツグンという今の会社は相談者さんにとって恵まれた環境かもしれません。

給与面だけ多少アップさせたいのだとしたら、明確にそれを目標に掲げて、現職で昇給に関与する資格を取ったり、スキルアップして同じような労働環境で働ける同業に転職ということだってできるかもしれません。

ただ、書き出した自分の理想の姿が、今の延長線上に全くなさそうなのであれば、転職を決断した方が良いと思います。

今の彼と結婚することになって子供ができたら、とありますが、それは産休・育休を経て仕事に復帰することを考えて、福利厚生がしっかりしている方が良いと言うことでしょうか?

確かに子供ができたら、ママとして働きやすい環境は本当に大切なことだと思いますが、私の経験上、母になるということは、一定期間あらゆる面でブレーキがかかることは必然です。

時間の経過も忘れて企画づくりに没頭したり、思い立って会いたい人のセミナーに出かける、なんていうことも、容易ではなくなります。

夢のない話かもしれませんが、思いついた最高なはずのアイディアも、母乳をあげているうちになぜか忘れちゃったり、やろうと思ってたのに寝落ちしちゃったり…、全ての服がのびるし汚れるし、常に何か忘れ物するから、どんどん自信もなくなるし…、と、とにかく毎日仕事と同時に家事育児をこなすことに必死です。

(でも子育ては本当に、心底びっくりするくらい、めちゃくちゃ楽しいですよ!この回では言及しませんが!)

だとしたら、将来のタラレバのために挑戦するのをやめるのではなく、自分の将来の選択肢を増やすためにも…、と考えてみてはいかがでしょうか。

もちろん人はいつだって挑戦できますが、この先ライフステージが変化していくとしたら、今の相談者さんの状況は、挑戦に対して身軽な時期だということは間違いありません。

もちろん、人生プランを考えた時に挑戦の必要があるならば、の話です。

転職するのが偉い訳でも、不安に耐えることが素晴らしい訳でもなく、相談者さん自身がどんな人生を送りたいのか、というのが全ての判断基準です!

どうでしょう。100年時代と言われる今、28歳の相談者さんはどんな人生を作りたいですか?最近良いたとえを思いついて、別の場所でもこたえたことがあるのですが、(深夜のテンションではないことを強調…!)

自分の人生が100冊の漫画だとして、今の相談者さんの年齢に「巻」を当てはめた時、28巻をどう思いますか?冒険漫画だったら、28巻なんて序の口で、ここから散々誰かに裏切られたり、弱くなったりを繰り返して、また感動したり強くなったりするんだと思います。

自分自身が、人生をどんな物語にしたいか次第なのだと思います。

もちろん、こち亀とかちびまる子ちゃんみたいに、どの巻を読んでも主人公の年齢も登場人物も変わらずに、いつだって平和で面白い名作だって沢山あるし。

ただ私は、来月から始まる自分の32巻を味のある巻にしたいし(あ、来月32歳になります)、いつだって想像もしなかったような展開が好きだし、自分の人生は、昔からの仲間に加えて、どんどん新しい人と出会える物語にしたいなと思います。

「上を見過ぎなのでしょうか」とありますが、上を見ないで、どこを見たら進めるのでしょうか…!

先に走る人がいるから、走れるんです。

先頭を目指さなくてたっていいけど、止まったら終わってしまいます。

物語を続けて行くって、本当に尊いことなんだと思います。

日々色々なニュースを見ていると心から痛感しますが、私たちが生きている今日は、誰かがなんとしてでも続けたかった明日です。

どんな決断でもいい、大切なのは、せっかく生きている今日に対して、ちゃんと自分の選択に納得していることです。

相談者さんが今生きている28巻が、いつかまた読み返したいと思うような深い一冊になりますように…!

 

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