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いろんな夫婦のかたちを紐解く連載「ふたりのこと」。

今回登場するのは美容家として多くの女性から支持を集める岡本静香さんと会社員の旦那さま・まーさん(仮名)です。

NEXTWEEKENDのイベントにそろって遊びに来てくれることもあるふたり。

柔らかな空気をまとう岡本さんとチャーミングなまーさんが魅力的で、いつかその秘訣を伺いたいと思っていました。

実は今まで夫婦についてほとんど語ってこなかった岡本さん。

でも「娘が生まれて家族の存在が一段と大きくなったから」と特別にお話してくれることに。

岡本静香さん、まーさんが大事にしているルールはこちら。

 

好きなことに邁進できるふたりでいたい

ふたりの出会いは大学時代。

岡本さんが渋谷の居酒屋で友人と食事をしていた所にまーさんが飛び入り参加。

その後も運命的な再会が重なり、お付き合いに発展したそう。

 
静香:
「約束してないのになぜかばったり会うことが続きました。

友人のライブに行った時、誕生日パーティーに行った時、極めつけは東急東横線のホームで。
少しずつ仲が深まっていきました」

 
2013年に結婚し、今は1歳のまんまるちゃん(ニックネーム)と3人で穏やかに過ごす毎日。

そんなふたりは、結婚しても子どもが生まれてもお互いのやりたいことを尊重しあっていると話してくれました。

 
まーさん:
「好きなことに打ち込んでいるふたりでいたくて。

お互いやりたいことは全然違うけれど、僕の仕事や趣味を静香ちゃんは応援してくれるし、静香ちゃんが夢に向かって進めるように、僕はできる限り仕事を調整したり家事をするのが基本スタンスです」


▲とても料理上手なまーさん。美味しい食事は唯一の共通の趣味で、買い物も食卓もなるべく一緒に。この日のメニューは静香さんが作った海鮮丼うずら卵のせと、まーさんが作った中華風もやし炒め。ふたりで選びに行ったビオワインと一緒に。

 
静香:
「私も夢をきちんと形にしたいタイプ。

でもふたりともこだわりが強いし、方向性がいつも一致するわけじゃないからすり合わせは欠かせません。

お互いのやりたいことは大事にしたいけど、ぶつかりたいわけじゃないから」

 

「例えば家選びを例に挙げると、夫は静か・テラスがある・キッチンからリビングが見える家が条件で、そこを抑えていないと内見してもOKが出ない(笑)

夫の希望をクリアする物件って家賃も高価で、そう伝えると『じゃあ都心から離れてもいいよ』って。

でも私は仕事柄都心の方が助かるので、まず夫の希望を踏まえてかつ自分の希望も叶えられる家を見つけ出します。

小さな違いをうやむやにせず、ふたりにとってのベストを導き出すよう心がけているかな」

 


▲お気に入りのテラスで漫画「ワンピース」を読みながら一息。

 
昨年まんまるちゃんが生まれたことで、以前と同じペースで好きなことをすると暮らしがスムーズに回らないことも。

最近は無理なくやりたいことを継続できるよう模索中だとか。

静香:
「以前は夫が毎週末サーフィンに行っていたけど、今もそのペースで行かれるときついのが本音(笑)

お互いやりたいことをできて、かつごきげんに子育てできるよう体制を整えている最中だよね」


▲まーさんとまんまるちゃん。あったかい空気感が愛しい。

 
まーさん:
「うん、僕は家で過ごす時間が多くなったよね。
料理を作ったり、まんまると遊んだり。

家の時間を大事にすることでたまのサーフィンを思い切り楽しめています(笑)

行く回数は減ったけれど、ふたりのやりたいことができるようバランスを取ることが大事だと思うから」

静香:
「私も彼の好きなことを制限したくないから、サーフィンの日はまんまるとふたりで何して遊ぼうか考えて、ごきげんでふたりで迎えられるようにするのが最近の週末のテーマです」

 

仲良しの秘訣は“ふにゃふにゃ”と朝散歩

「友人からよく仲良いよねと言われます」と岡本さん。

インタビューに同席したNEXTWEEKEND代表の村上萌も「ふたりだけのふわふわ感が醸し出されていて、いつもかわいい」と語ります。
その秘訣は何でしょう。

 
静香:
「普段はお互いバリバリ仕事しているので、ふたりの時はふにゃーんとするよう意識しています。

昔はふたりとももっと『やったるで!』って感じだったけど、一緒に暮らしはじめて少しずつふにゃふにゃな所を見せられるようになりました。

時には酔っ払ってQUEENを熱唱することもあります(笑)」

 
柔らかなふたりでいるため心がけているのは、諍いが起きても大事(おおごと)にしないこと。

結婚前は互いの不機嫌スイッチを把握しておらず、また共に過ごす時間が短いことからケンカが長引くこともあったようですが、今はすぐ仲直りする秘策があるのだとか。

 
静香:
「かわいく『ごめん!』って言って終えます(笑)

ケンカって一方的にどちらかが悪いことはめったになくて、一言足りないとか些細なこと。
だから意地は張りません。

でもすぐ冷静に反省するのも難しいからあえて理由は言わず、おどけて謝ります」


まーさん:

「相手がおちゃめに謝れば謝るほど笑っちゃって、ケンカが自然消滅するんです(笑)」

 
また習慣となっている朝散歩も欠かせません。

まーさんの海外出張が多かった結婚当初、夫婦の時間を少しでも長く取るため、出勤時に駅まで岡本さんがついていったことがきっかけ。

今はまんまるちゃんをバギーに乗せ、3人で朝を楽しんでいるそう。

 
まーさん:
「すごく大事な習慣だよね。

たまに静香ちゃんが『今日は準備出来ていないからやめようかな』って言っても『あと5分なら待てるから一緒に行こう』って声をかけるくらい」


▲休日は目的地も決めず気ままに歩くことも。まんまるちゃんがお水をこぼしたので、静香さんのランニングウェアに急遽お着替え。

 
長く続けている理由はシンプル。
一日をふたりで機嫌よく始めたいから。

静香:
「朝の光や清々しい空気に後押しされて自動的にふたりのごきげんを作れています。

前日にケンカをしても歩くことでモヤモヤがなくなったり、『ごめん、昨日疲れてた』って素直に言えたり。
散歩に救われています」

 
まーさん:
「手をつないだり腕を組んで歩いたり小さなスキンシップをとれるのも嬉しいです」

 

いつだって異性として魅力的でいる

年月を重ねるにつれ、出会った頃のときめきが落ち着いてくのは当たり前のこと。

だからといって甘んじることなく、魅力的なパートナーでいる努力を欠かさないのがふたりらしさです。

静香:
「お互いが一番素敵だと思っていることは変わらないでいたいし、いつだって相手の前では美しくいたいです」

 
まーさん:
「たしかに魅力的だと思える自分たちでいたいよね。

それは変にカッコつけるのではなく一人の人間として素敵だと思ってもらえる状態を保ちたい。

静香ちゃんはそれが生き方でもあるし、僕も筋トレして体型維持を心がけたりね」


▲散歩中の一コマ。レンズを通してお互いへの愛が伝わってきます。

 

静香:
「私は産後、変化した体型を夫に見せたくなかったので、体が引き締まるまで10ヶ月間お風呂上がりは洗面所に鍵をかけていました。

あと髪型を変えたりメイクがうまくできた日は『ねぇねぇ、今日可愛い?』って自分から聞いちゃいます。
すると相手は『かわいい』としか言いようがないから(笑)

その言葉を心に貯めるんです」

 
「散歩中にすごくかっこいい年配のご夫婦を見かけることがあって、ああいうふたりになりたいねって話をよくしています。

目指せイケてるじいさん・ばあさんですね」

 

ふたりを起点に人の輪が広がっていく

インタビューの終盤。

岡本さんとまーさんがまんまるちゃんをあやすため、交互に席を外していた時、それぞれに「結婚して良かったことは何ですか?」と伺いました。

すると答えは同じ、人とのご縁でした。

 
静香:
「結婚して相手の家族も“家族”なんだという意識が芽生えました。

例えば以前、私の父が入院した時、夫が精神的にすごく支えてくれて。

血はつながっていないけれど夫は私の家族を、私は夫の家族を大事に想っています」

 
まーさん:
「家族はもちろん、交友関係が広がったのも嬉しいです。

静香ちゃんは美容・メディア関係の友人が多くて、僕の知り合いにはいない方ばかり。

結婚していなければ村上萌ちゃん夫婦と家族ぐるみで仲良くさせてもらうこともなかったと思うし、多ジャンルの方と話せるのはとても刺激を受けます」


▲「くせ毛が大好き」と岡本さん

 
静香:
「夫は根が明るくて、優しいんです。

だから私の友人からも慕われているし、私が人にきついことを言われて悩んでいたら『その人は完全にダークサイド!』って笑い飛ばしてくれるから、どうでもよくなっちゃう(笑)

生きているといい人だけに囲まれるわけじゃない。

だから明るくて優しい彼が隣にいることにすごく救われています」

 
まーさん:
「僕は夢をしっかり追い続ける静香ちゃんが魅力的で好き。

これからもお互いのやりたいことを大事にしながら生きていきたいね」

 
静香:
「うん、先のことは予測できないから未来を決めすぎず、その時の希望やポンと出てきた新しい道に柔軟に歩んでいけたらいいな」

 
ふたりは趣味や方向性が異なることを悲観していません。

違う人間であることを理解しあい、お互いのやりたいことをいつだって応援し、その都度歩み寄ってベストを導き出していきます。

その姿勢はどんな夫婦にも当てはまること。

すべてがぴったり合う夫婦はいないし、好きなことが違うのは当たり前。

だから刺激を受けるし、すり合わせの結果生まれた新しい価値観はふたりだけの道しるべになる。

1+1が合わさって、2にも3にも100にもなれる関係性。

それが夫婦の醍醐味なんだと岡本夫妻から教えてもらった気がしました。

 

Text:Nao Tadachi
Photo:Shizuka Okamoto, Ma-san
Edit:NEXTWEEKEND

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