器コーディネーター伊藤唯さんによるコラム「知っておきたい器のあれこれ」。
器初心者さんのお買い物の参考になる情報を毎月お届けしています。
身近すぎて案外おざなりになってしまいがちな和の食卓のキホン。
家庭料理であれば肩の力は抜いていたいけど、大人だからこそ基本のルールはしっかり知っておきたいものですね。
今回は、和食の献立の基本と、和食器の揃え方をご紹介します。
和食の基本は一汁三菜(イチジュウサンサイ)
一汁三菜とは、ごはんと汁物、主菜、副菜2品を用意する昔ながらの和食の献立のことを言います。
数種類のおかずを用意することで、栄養バランスを整えやすいのが良いところ。
おいしい献立にするコツは、おかずに使う素材や調理方法が重ならないようにメニューを決めていくこと。
和食は地味な見た目になりがちなので、華やかな色合いのメニューを取り入れると、彩りも感じる食卓になります。
並べ方は左手前にご飯を、右手前に汁物を並べ、奥には主菜や副菜を色合いや器のバランスをとりながらおきます。
お箸は箸置きを添え、持ち手を右にしておきます。
普段の食事では箸置きを置かないことも多いですが、食事中に使った箸を器の縁と縁を渡すように置くのは、ごちそうさまでしたのサインになるため、実はマナー違反。
きちんと料理をした日には、箸置きもそっと添えてみてはいかがでしょうか。
日々のご飯に取り入れたい一汁一菜(イチジュウイッサイ)
最近はごはんと汁物におかず一品のみを用意する「一汁一菜」というシンプルな献立が話題になっています。
料理研究家 土井善晴さんの著書「一汁一菜でよいという提案」から、この考え方が広がってきたのだそう。
おかずが一品だとちょっとさみしいような気もしますが、おかずや味噌汁を食べ応えのあるメニューにすることで、しっかり満足感がある食事にすることができます。
今回は具沢山の豚汁と混ぜご飯を組み合わせてみました。
配膳は一汁三菜と同じく、左手前にごはん、右手前に汁物、奥におかずを並べます。
器や素材でさし色を入れてあげると、シンプルながらもきちんとした印象になりますよ。
揃えておきたい和食器たち
汁椀:我戸幹男商店
オーバル皿:田中直純
八角小皿:寺村光輔
花形小皿:石田裕哉
円形小皿:岡崎慧佑
箸置き:田村窯
箸:+MOKU
今回の盛り付けに使った器はこちらです。
ちょっと品数の多い一汁三菜も、茶碗、汁椀、平皿、小皿が2枚あれば、基本のメニューは盛り付けられます。
メインのおかずを盛り付ける平皿には、径が20cm程度のものを。
茶碗と汁椀の奥に並べるので、大きすぎない楕円形のものが使いやすいです。
小皿の一枚は縁に少し高さがあるものを選んでおくと、煮物など汁気のある料理も盛り付けられるので、万能に使えます。
もう一枚の小皿は、大きさや形を少し変えたものにするとテーブルにリズムが出ますよ。
手持ちの小皿が幾つかある方は、さし色の器を取り入れてみては。
いろんなメニューに合わせやすい青色がオススメです。
今回ご紹介した器の合わせ方はあくまで基本形です。
数人で食べるときは大皿と取り皿が使いたいし、一人で食べるならワンプレートにしたい日もありますよね。
そんな時も、基本ルールさえおさえておけば、応用のコーディネートも簡単です。
ちょっとおざなりになりがちな和食のキホン、少しずつ取り入れてみませんか。
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