NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、自分のやるべきことと後悔のない育児の両立に悩んでいる相談者さんからのお悩みです。

こんにちは。
3歳と0歳2ヶ月の子どもがいる36歳です。
現在大学院生で、将来は研究職に就きたいと考えています。
元々子どもは大好きですし、今しかない時間を見逃したくないという気持ちも大きく、保育園には預けないで育児をしながら、彼らが寝た後などに研究活動をしています。
でも実際は、理想どおりにはいかず、夜になる時点で私自身疲れ果てており、夜も眠りの超絶浅い上の子が1時間に数回起き、下の子出産後は授乳も加わって、もうとても両立できません。
私にとって、今は何より、今しかない子どもたちとの時間が大切です。仕事よりも、今しかない彼らとのかけがえのない時間を、何にも追われず、思う存分堪能したいというのが本音です。
でも、彼らが大きくなった時に自分が好きなことを仕事にしているためには、今、頑張る必要があります。

萌さんは、仕事をしながらも、お子さんとの時間をとてもバランスよく持たれているように私の目には映っています。
お子さんと一緒に様々な時間や体験を共有したり、楽しんだり。
節目節目のイベントごとだけではなく、インスタに投稿された切り取られた瞬間だけではなく、毎日毎日が萌さんとお子さんにとって満たされた時間になっているのだろうなと思い、理想的だなと感じています。
何を選択したり優先したりすれば、自分の仕事(または仕事となること)に取り組みながら、子どもとのかけがえのない時間を後悔せずに堪能できるのか、考えても考えても答えが出ない私に、是非ご助言をお願いしたいです。
(考え方の転換次第で、意外とパッと解決する問題なのかもしれません…。)
また、子どもと過ごす時間と仕事の時間とのバランス、仕事外の時間でお子さんと過ごす時に意識されていることを是非教えていただきたいです。
(36歳、女性、学生)

長崎に暮らし始めて3年目になりますが、コロナ禍で中止続きだった“ランタン祭り”を、今年ようやく楽しむことができました。

地方にとっての「祭」は、その土地のカルチャーや人間性を物語るものだと思っているので、祭りと共に経験する新しい一年にわくわくしています。

さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。

ライフステージの大きな変化を迎えながらも、ご自身の未来のことを考えながら選択していらして素敵です…!

ただ、求めていらっしゃる何を優先すれば正解なのか、という問いには残念ながら答えはないような気はします。

育児も仕事も、てんびんを平行にするかのように上手く同じ比重になるポイントを見つけるのは難しく、実際は座る場所と共に突然バランスが変わるシーソーのように、その都度あっちに行ったりこっちに行ったり、ぎったんばっこんとバランスを取り続けていくものなのかなと思います。

ただ、それに疲弊するのではなく、シーソーのそれ自体が“遊び”であるように、全体を通してその行き来のバランスを楽しめればいいですよね。

相談者さんは私のことを育児を満喫しているととらえてくださっているようですが、実は本当にその通りです。

あまり滲み出ないようにすら心がけていますが、娘といる時間は、本当にどの時間もかけがえのないものだとリアルタイムで日々実感していて、大袈裟ではなく本人にも5分に1回は「あー!大好き!」と伝えているし、保育園のお迎えも、やることが早く終わった日はちょっとでも早く行きたいし、いつも一緒に過ごす時間が楽しみで仕方ないのですが、私の場合ひとつ言えるのはそれは間違いなく仕事のおかげでもあると思っています。

私はおそらく今の仕事をすべてやめて孤島に流されたとしても、気付けばそこに来る人用のツアーを組んだり、海上キャンプを考えたりと、放っておいても何かをしたいタイプの人間だと自己分析しています。

娘がどれだけ可愛くてもそれができていないと、うずうずしてしまって「こんなことばかりしている場合じゃない…!」と、思ってしまうところがあるはずなので、愛しい時間に対して“こんなこと”なんて思わないためにも、仕事という手段を通して社会と触れるのは自分にとって必須だと思っています。

余談ですが、それは育児だけでなく夫と結婚する時も同じように思った記憶があります。

私が就活をしていた時に彼はすでにプロアスリートで、就活に失敗しまくっている私を見て、たった1度だけ「じゃあもうこっちに来る…?」と言ってくれたことがあったのですが、彼のことを支えたいし応援したいけど、自分を好きな状態で行かないと卑屈になってしまって、それすらできない…!と思ったのが起業の最初のモチベーションでもありました。

もうひとつ余談を挟むと、この前、我が家と同い年のお子さんがいらっしゃる大企業の経営者の方が、「僕は子どもに、自分の人生の主人公は絶対に奪われないようにしている」とおっしゃっていたのですが、それはドライな発言でもなんでもなく、彼のように大きく社会を動かしている人でも、子どもという存在は立場を奪っていきそうなほど可愛いという意味であって、だけどそれを理由に、自分の本来したかった選択を変えたくないということなのかなと思いました。

もちろん育児や主婦業が本当に天職で、それを心から楽しんで、役割分担だととらえて選択されている方も沢山いらっしゃいます。

その場合外から見える景色が違ったとしても、物語の主人公は間違いなく自分だと思います。

だけど自分で考えることをやめて、相手の存在や選択に依存する形で勝手に進む、不満だらけのストーリーがあるとしたら私はそれはあまり面白くないなと思っています。

相談者さんが研究に専念したい気持ちも、育児を楽しみたい気持ちも大切にしていいと思います。

とはいえ無理に今両立しようとせず、期間を決めて、下のお子さんが1歳になるまでは研究をお休みする!とかもいいかもしれないし、自分の体力に任せるのではなく短時間だけ託児所に預かってもらうといった方法もあるかもしれません。

「会えない時間が愛育てるのさ」という歌詞もあるように、一緒にいる時間をもっと濃くするためにも、たまの距離感はそれなりにおすすめです。

0か100ではない方法で考えてみてくださいね。応援しています!

 

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「編集長がこたえます」が本になりました

人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!

NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。

その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

「自分が何者でもないことが不安です」
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身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。

横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。


▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。


▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。


▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。

「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
発行元:カエルム株式会社
仕様:176ページ/B6版製本
定価:1760円(本体1600円)
流通:全国書店、ネット書店
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