NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、意味のないことを続ける毎日に不安を覚える14歳の相談者さんからのお悩みです。

14歳男です。
中学受験を行い、中高一貫の偏差値70後半程の学校に現在通っています(中三です)。
学校の成績は基本的に落ちこぼれで、人間関係も悪くは無いのですが誰も深い関係の人はいないです。
自分は過去に複数回いじめの被害者や加害者として人と関わった経験があり、プライドが高く、自己肯定感が低い今の自分に嫌気が差すでも無く諦観した様な日々を送っています。
こんな自分ですが、将来は何かを表現する(文学や音楽)アーティストになりたいと考え、小説を書いて学校の小説家の先生に送って添削してもらったり、Youtubeで「歌ってみた」の動画を上げてみたり、学校でバンドを結成して現在文化祭に向けて頑張ったりしています。
ですが、こんな意味も無いことを続けて、社会的な価値が自分に付与されなくなった時自分はどう生きればいいのか、そもそも自分はアーティストになって何がしたいのかが分からなくなり、自分が元々飽き性な事もあって最近自分がやっていることの意味が分からなくなってきました。
大学受験に向けて勉強をしなければならないことは頭では分かっていますし、凡人な自分がアーティストなど鼻で笑われるのがオチなのかもしれません。
人との付き合い方も分からなくなって、将来人間関係に怯えながら淡々と面白くもない仕事をする自分を想像すると嫌になります。
質問の内容が錯綜していて答えづらいかもしれませんが、どうか僕に第三者の人間から見た意見を下されば幸いです。
(14歳/男性/学生)

なぜだか、今回は男子中学生の方からのお悩みが数件届いていました。

何かのキーワードでNEXTWEEKENDにたどり着いてくれたのかもしれないし、季節や流れもあるのかなと思いました。

いずれにしても、お悩みを送ってくださりありがとうございます。

相談者さんが今取り組んでいることも、悩んでいることも、今回ここにメッセージを送ってくださったことも、ひとつも“意味がない”ということはないと思います。

人生100年を大きく5段階くらいで分けたとしたら、今の相談者さんがいる1つ目のステージでは“意味があるかないか”ではなく、とにかく色々な感情を経験することが大切だと私は思います。

特技がないことに焦ったり、うまく人に伝えられなくて悔しかったり、誰かの言葉がものすごく響いて感動したり、罪悪感を持ったり、嬉しかったり悲しかったり、恥ずかしかったり。

そうやって感情を揺さぶった分だけ、将来誰かを理解したい時に想像力を持てるし、伝えたいと思った形で表現をすることができるはずです。

今も、“自分はこういう人間だ”と感じるたびに、自身に期待することもあれば絶望することもあるかもしれませんが、正解を出す必要もありません。

そんなのは5段階のどこに立っても分かることはなく、だからみんな反省したり悩んだりしながら、明日の自分に期待しながら前を向いて歩いていくんだと思います。

相談者さんの目や耳に入ってくる大人の姿が「人間関係に怯えながら淡々と面白くない仕事をしている」ことが多いのだとしたら、大人の一人として反省しますが、決してそんなことばかりではないですよ。

自分の“好きなこと”が少しずつ分かって、何に時間とお金を使いたいか、どんな環境に身を置きたいか、そんなことを自分で“選べる”というのは、なかなかに楽しいですし、その決断や歩き方には、思春期に揺さぶった感情だって多いに関係していると思っています。

またアーティストになることだけが社会的価値でもなく、たとえば今日相談者さんが学校の友人が考えたことに対して「それめちゃくちゃ面白い考えだね!」とリアクションしたことがきっかけで、10年後にその人が起業することだって十分にありえます。

今YouTubeで配信しているものだってすでに誰かの励みになっているかもしれないし、小説を添削した先生は新しい作品が来るのを心待ちにすることで、家族に機嫌良く接して、その結果、家族の誰かの1日がとても楽しくなったかもしれません。

バタフライエフェクト(「ブラジルの蝶の羽ばたきは、テキサスに嵐を起こすか?」という気象学者の考える理論)とも言われるように、相談者さんはすでに社会的価値にしっかり関わっているのです。

相談者さんが夢を持つことを誰も鼻で笑ったりはしないし、笑われたとしても笑った方はいずれ忘れます。

そんなことのために挑戦するのをやめたり、自信をなくしたりするのはもったいない。

想像するためにも表現するためにも、これからも沢山の感情を経験してくださいね。

応援しています!

 

お悩み募集中!

「編集長がこたえます!」では、みなさまからのお悩みを募集しています。

大きな声では言いづらいけどちょっと誰かに聞いてほしい…

そんなお悩みがある方はぜひ以下のフォームからご投稿ください。

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※すべての質問に回答できるわけではございません。
また、頂いたお悩みはNEXTWEEKEND/村上萌の発信する他のコンテンツで使用させて頂く場合がございますこと予めご了承のほどよろしくお願いします。

「編集長がこたえます」が本になりました

人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!

NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。

その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
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身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。

横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。


▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。


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自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。

▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。

「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
発行元:カエルム株式会社
仕様:176ページ/B6版製本
定価:1760円(本体1600円)
流通:全国書店、ネット書店
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