大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。
この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。
今日ご紹介するのは、2人の子育てをしながら働くことに疲れてしまった相談者さんからのお悩みです。
30歳、2人の女の子を育てながらワーママをしています。
上場企業、いわゆる大企業に新卒で入り、27歳で結婚、28歳と30歳で出産、産休育休を経て会社に復帰しました。
陰湿ないじめを受けたこともありましたが、「大企業だから、やめたらもったいない」と親や夫から言われ続け、今に至ります。
仕事の内容は割と好きです。
でも、周りにママさんがいなく、二人の子育てをしながらフルタイムの仕事をするのがとても大変で、毎日毎日気を遣いながら謝り倒して生きてるのに疲れちゃいました。
子ども達の風邪が数週間つづいたあとは、私にうつり、数週間体調を崩しながら働いています。
一生こんな生活、耐えられないと思い、最近生きてるのが辛いです。
辞めたくても、何の取り柄もない自分が大企業にいれるのは奇跡だと思うし、周りにも言われているのでやめる勇気が出ないし、でもこのまま生きていくのは怖いです。
(30歳・女性・会社員)
オリンピックが終わりましたね…。
始まる前の混沌、スポーツの持つ力、これからを生きる日本人として感じること、良くも悪くも様々な気持ちを味わって、まだこの2週間を塊でとらえることはできませんが、何年か経った時、この夏の感情はきっと忘れないなと思いました。
さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。
2歳差育児でフルタイム、しかも下のお子さんは0歳児ですか…!
それはもう、周りにワーママがいるとかいないとかの問題ではなく、今日という1日を生きるのに精一杯ですよね、本当に毎日えらいです。
おつかれさまです。
「大企業だから辞めるのがもったいない」というお悩みだとすれば、私は企業に就職したことがないので価値観が偏っているかもしれませんが、それだけに固執する方がもったいないな、と思ってしまいます。
私の場合、起業してから今に至るまでの10年間、何をしている人なのかを尋ねられた時に、会社名を答えても会話が成り立たないので、自分が何を考えていてどんなことをしている人間なのかを話してきました。
でも、それがあるから結果的に会社をやっているわけで、会社や肩書きは入れ物ではなく、強いて言うなら乗り物で、そこに入っているだけでは、箱に空いた穴から見える狭い視野で物事を判断することになってしまうと思うんですよね。
私たちは100年時代と言われる長い人生の中で、これからも自分が行きたい方向やタイミングに合わせて様々な乗り物を使うことができるし、安定していなくても乗っているだけで楽しくて景色まで最高!なんてものにも出会えるかもしれません。
大企業の方だったとしても、取引先でない限りは自己紹介の時に会社名を言われて終わりではなく、「で、どんな人なの?」というのが、人としての魅力だと思うので、大企業だから辞めるのがもったいないのではなく、せっかくの人生を意思なく歩き続ける方がもったいないな、と私は思っていたりもします。
とはいえ、意思がある=無鉄砲ではありません。
大企業にはもちろんそれなりの良さがあって、福利厚生に安定した昇給、社会的信用などは言うまでもなく、ちゃんと乗りこなせていれば、自分一人では見られない規模の景色が見えたり、行きたい場所に進みやすかったりと、メリットも沢山あります。
ご自身のことをなんの取り柄もないから、ここを辞めたらもったいないと思うのではなく、新卒からこの場所で頑張ってきたことを今一度誇りに思って、立場を客観的に見つめてみてくださいね。
会社という箱がなくたって、相談者さんの魅力は他にも沢山あるはずです。
その上で、毎日謝り倒すのは本当に精神的に辛いでしょうし、肩身も狭く仕事にも支障が出るかもしれませんが、これからも続いていく育児生活の中で、0歳2歳を育てながら働いている今は、おそらく一番大変な時だと思います。
これが一生続く訳ではないはずです。
好きだと思える仕事は貴重です。
会社を辞めても人生には沢山の選択肢があるということはいつでも前提にありますが、これからもこの場所にいたいと思うのであれば、今を乗り越えるために、会社外のコミュニティで働くお母さんたちと繋がりや交流を持って罪悪感を軽減することや、一定期間はフルタイムではなく時短で相談してみるということもできるかもしれません。
うちの会社は社員の半数以上が妊娠出産を経験していますが、毎週誰かしらの子どもが熱を出したり風邪をひいたりしています。
シンプルに仕事に支障が出ることもありますが、もうこればっかりはしょうがないことです。
極論を言えば今働いている人たちだって、かつてはみんな子どもで、熱を出しながら大人になったわけです。
開き直りすぎるのも良くないかもしれませんが、子どもを育てるという立派な社会活動をしているのだから、相談者さん一人で抱えこむ罪悪感ではありません。
人生の中で今が一番物理的にストイックではありますが、子どもが物理的に一番可愛い時期でもあると思います。
この数年の自分の働き方にテーマをつけて歩き方を変えたり、姿勢を変えることで、
まずは精神的に、相談者さんの毎日が少しでも楽しくなりますように。
応援しています!
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「編集長がこたえます」が本になりました
人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!
NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。
その名も「深夜の、かけこみ横丁」。
「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」
身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。
横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。
▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。
▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。
▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。