自分がどこにいるのか、
どこへ向かうのか、何がしたいのか…。
手にする自由は増えて、
でもまだ自立できる自信もなくて。
正解がわからずに、立ちすくんでしまう20代後半。
すこし肩の力を抜いて、自分らしく歩んでいくために
私たちにできることってなんでしょう。
そんなことを考えたいと思っていたとき、
社員の8割が20代後半という
NEXTWEEKEND編集部みんなが
気になる存在だったのが、“せとはる”こと瀬戸晴加さん。
同世代でいつも活躍し、
自分らしく輝いているように見えて、
実は27歳を前にして壁にぶつかっていたという
瀬戸さん(以下せとはるさん)がたどり着いた答えとは?
そんなことを同世代の編集部メンバーが伺ってみました。
自分が本当に納得できる仕事を探して
ーーせとはるさんといえば、お洋服や日用品のプロデュース、
キックボクシングジムの立ち上げ、企業のブランディングなどなど…
本当に幅広く活躍されていますよね。
せとはるさん:確かに、
色々なジャンルの仕事をしているので、
「結局何をしてるの?」とよく聞かれます。
でも私にとってすべての点は
「同世代の女性たちの悩みを解消し、
気持ちが満たされるようなものをつくる」
という線でつながっているんです。
▲せとはるさんが立ち上げた「東京ガールズキックボクシングクラブ」。
女性が使いたくなるようなウェアやグッズの開発、エステのような施設設計などを通し、格闘技という本格的なジャンルから「運動が苦手でダイエットが続かない」という女性たちに大人気のジャンルにすることに成功。
せとはるさん:女性たちに響く言葉を選んだり、
リアルな生活リズムやお財布事情も
ちゃんと汲んだ上でものを作らないと、
ただの押し付けになっちゃって、
ユーザーは全然自分ごとにならないんですよね。
同世代女性のライフスタイルに刺さるには
どうしたらいいかを常に研究してます。
ーーまさに私たちがせとはるさんと同世代なのですが、
「そうそうそれが欲しかったんだ!」っていう提案が
いつもすごいなと思って。
かゆいところに手が届くというか。
せとはるさん:ありがとうございます。
自分自身が常に悩みながら生活している
という部分が大きいですね。
常にヒントを探しているというか。
だから、自分のアイディアが誰かの生活を
豊かにできたと知る瞬間はとにかく幸せです。
ーーそんなふうに自分らしさを生かしたり、
“好き”を仕事にできる環境はなかなかないですよね。
今の仕事にたどり着いたルーツは
何かあったのでしょうか?
せとはるさん:実は最初は美容師さんに
なりたいと思っていました。というのも、
小さい頃からずっとアトピーがコンプレックスで、
それがヘアやメイクで改善できることで精神的にすごく救われて。
私も悩んでいる人を自分の手で
美しくできる人になりたいと思っていました。
でもアトピーの肌が薬剤の影響を受けるのではと
親にも反対されてしまって。
ーーそうだったんですね。
せとはるさん:はい。
それで美容師の仕事は諦めたのですが、
やっぱり自分の表現やアイディアを誰かに直接
喜んでもらえる仕事がしたいとは強く思っていましたね。
大学でみんなが一斉に就活をしている時期も、
大企業に入りたいという思いや出世欲は特になく、
自分が本当に納得できる働き方を探していました。
ーーまわりと違うことを
選択することに抵抗はなかったですか?
せとはるさん:確かに不安がなかったわけではないです。
でもどんな仕事でも日々苦労があるのは当たり前。
だとしたら、「親がそう言ったから」とか
「そもそもこんなことやりたくなかったのに」とか不満を持つより、
「大変だけど自分が好きで選んだんだから」と
踏ん張れる方がずっといいなと思って。
ーーすごくよく分かります。
好きを仕事にしてもしなくても、
今いる場所を選んだのは自分だという
意識を持つことはきっとすごく大切ですよね。
せとはるさん:そうそう。
世間体やまわりの声ってつい気になってしまうけど、
それを優先してしまうと、うまくいかなかった時に
タラレバ論になりがちなんですよね。
自分の意思で選択している人は、
愚痴や不満より先に「じゃあどう改善しよう?」
が自然と出てくるなと改めて思います。
急に立ち止まりたくなった、20代後半
せとはるさん:ただ、そんなふうに夢中で
取り組めていた仕事にも、27歳を前にしたとき、
ちょっと力が入らなくなったことがありました。
仕事でのステージが変わったと同時に、
長く付き合っていた当時の彼と海外との遠距離になって、
日々漠然とした不安やもやもやを抱えるようになって。
ーーせとはるさんにもそんなことがあったんですね。
せとはるさん:いつも一緒に歩んできた
仲のいい友人たちが結婚したり出産したりして、
どんどん第二の人生を歩み始めたあたりの頃ですかね。
一人の女性として、結婚や出産といった
いずれ歩んでみたいと思っていた今後の人生と、
もっと好きなことを突き詰めたい、
社会の中で活躍していたいという本心と、
いろんな舵を切るタイミングに
折り合いがつかなくなってしまって。
私はどうしたらいいんだろうって。
ーーきっと多くの女性が悩みますよね。
せとはるさん:私たぶん結婚願望は強い方で、
自分の家族のように仲のいい家族に対する
強い憧れがあるんです。
結婚して子供も2人は欲しいし、
お母さんとして幸せな家族を作る役割を果たしたい。
母が専業主婦だったのもあり、
自分の中で結婚は絶対妥協のできない、
中途半端に関わってはいけないという、
すごくハードルの高い存在になってしまって。
今の自分は仕事と家庭の両方にコミットできる自信がなくて、
それで当時4年付き合った彼との将来を考えたときに、
悶々としてしまったんですよね…。
ーー社会人として手にする自由は増えていく一方で、
まだ自立できる自信も、
誰かと一緒に生きていく自信もないし…みたいな。
せとはるさん:そうなんです。
憧れと現実の差というか、自分にとって絶対的な
「結婚」という存在を受け入れることができなくて。
それに加えて相手との色々なズレもあり、
結局その恋愛には終止符を打ちました。
▲27歳で出版した自身のライフスタイルブック
せとはるさん:その過程が、
まわりの動向が気になって辛かったですね。
みんな同じ列車に乗っていた気がしたのに、
どんどん違う列車に乗り換えていっちゃって、
自分はこのままどこへ行きつくんだろう?
みたいな漠然とした不安。
今の選択ひとつが人生を左右する気がして、
私は進まずにいったんブレーキを踏みたい、
でも降りるのも怖い…みたいな無限ループにはまってしまって。
ーーきっと進んでいる間にも
考えなきゃいけないことがあまりにも多い世代ですよね。
せとはるさん:そうそう。
SNSでいつだって周りの情報も丸見えだから、
もう隣の芝は青いところじゃなくて
“周りの芝生がレインボー”くらいの情報量(笑)
自分は何色なんだろうって探すことも疲れちゃってましたね。
後編では、壁にぶつかったせとはるさんがたどり着いた答えや、
30歳に向けて挑戦していきたいことを伺ってみます。
「Community Project」とは?
NEXTWEEKENDの「季節の楽しみと小さな工夫」というコンセプトのもと、他企業や他ブランドと共に、今より少し楽しい生活を考えていく記事広告コンテンツです。
プロジェクトごとにオリジナルの共通言語(ハッシュタグ)を設定し、企業/ブランドとNEXTWEEKEND、そして読者である女性たちで、理想の生活を叶える“コミュニティ”を一緒に作り上げていきたいという思いが込められています。