NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、こんなお悩みです。

萌さんこんにちは。職場の女の先輩が怖いです。仕事とプライベートの切り替えがしっかりしているタイプで、仕事はテキパキこなすカッコいい先輩です。ですが、仕事の時は言い方がきつかったり、わからないことを聞いた際に、教えてくれる時の目が笑っていなかったり、機嫌が悪い時は割と態度に出たりと、存在自体が威圧的に感じてしまい、居るだけで怖いと思ってしまいます。彼女は、先輩に対しては、甘えた感じで話していますが、私(後輩)に対しては厳しい印象があり、後輩が嫌いなのかな?と思っています。最近はストレスで、頭痛がひどく、お腹を下してしまう日が多くなってきました。彼女は、飲み会などでは話を盛り上げてくれて面白く、悪い人ではないのかなと思っています。私が気にしすぎなだけかなとは思いますが、やはり仲良くなれないというか、近くにいることがストレスに感じています。どのように接していけばいいのでしょうか。

今日、人生で初めて胃と大腸の内視鏡検査を受けてきたのですが…、私は腸が人より長いらしく5分で終わると言われていたところ1時間もかかり途中でカメラの入れ替えがあったりと、正直出産と並ぶほどの痛みで、今ようやく全てが終わり、近くのカフェで放心しています‥。そんな情報は要らんとも、そんな時にお悩みの原稿書くか?ともツッコミどころは満載ですが、あまりに気持ちが遠いところに行ってしまっていたので、この原稿で現実に戻りたいなぁ、なんて。前置きが長くなりましたが、お悩みをお送りいただきありがとうございます!

強めの先輩に悩んでいらっしゃるのですね…。その人の前だから萎縮して意見が分からなくなったり、言えなくなったりしているのに、それを責められたりすると、どんどん弱い自分になって…、と負の悪循環を辿ってしまって辛いですよね。

根本的に合わないということもあるので、無理に仲良くしようとする必要もないと思います。ただ文章から読み解くに、相談者さんは先輩の空気作りや仕事っぷりに関しては尊敬されているところもあるようなので、避けるでもなくある程度良き関係でいられたらいいですよね。

「分人主義」という言葉を聞いたことがありますか?もともと、人間は「たったひとつの自分」というものを持ち、相手や環境に合わせて、あらゆる「仮面」を使い分けている「個人主義」だと考えられていたのに対して、分人主義の考えでは、その「たったひとつ」は存在せず、環境や対人関係ごとに複数の「自分」が存在し、そのすべてを合わせて「自分」だととらえる考え方です。

私は結構この考え方が好きで、「本当の自分を出せていない…!」なんて悩みから解放される良き手段でもあると思っています。はなからそんなものは存在していなくて、“あれも自分”“これも自分”の中で、「ここでの自分が好きだな」と思える環境や相手を探していくということに納得しているからです。(「あなたといる時の自分が一番好き〜」なんて、ドリカムの曲でもありましたよね!25歳だと「決戦は金曜日」聴いてないかな…。)

その考えでいくと、先輩が相談者さんや後輩全般を嫌いだとか、相談者さんが先輩を怖いと思うだとかも、全部お互いが共に作り出した関係なんですよね。先輩が怖い人かどうかに悩むよりも、先輩が後輩に対してそうとしか接しられないだけかもしれないし、「本当の先輩はどこに?」なんてことには悩む必要はないと思います。

更に言えば、対人関係の数だけ顔があるので、先輩が後輩全般に怖くしか接しられない人だったとしても、何かしらのきっかけがあれば、相談者さんには怖い顔以外の方法で接しられるようになることもあるかもしれません。

もし少しでも良い関係になりたいと思っているのであれば、「お休みはどうされてたんですか?」とか「ご出身はどちらですか?」とか、迷惑でない程度にこれまで相談者さんに見せてこなかった先輩の別の顔の部分の質問なんかをしてみることで、彼女の他の顔が少しずつミックスされて、新しい関係が築かれていくこともあるはずです。

私も、もともと仕事がらみで出会った方とも家族で遊ぶようになったりすると、夫や娘の前での自分の顔も知られるようになって、同時に相手の別の顔も知ることができて、前よりももっと仲良くできたり…、なんてことも多々あります。

内視鏡検査の後で気持ちがふわふわしているからか(?)なんだか概念的な回答になっているような気もしますが、この考え方ができると「この人は怖い人」とか「自分は弱い人」とか、ひとつの答えに惑わされることなく、あくまでも今のこの環境下で生まれている顔なのだと思えて、少し気が楽になると思います。

職場が少しでも楽しくなるといいですね!応援しています。

 

 

お悩み募集中!

「編集長がこたえます!」では、みなさまからのお悩みを募集しています。

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※すべての質問に回答できるわけではございません。
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「編集長がこたえます」が本になりました

人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!

NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。

その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」

身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。

横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。


▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。


▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。


▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。

「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
発行元:カエルム株式会社
仕様:176ページ/B6版製本
定価:1760円(本体1600円)
流通:全国書店、ネット書店
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