NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、こんなお悩みです。

 

こんばんは。いつも萌さんの温かくて面白い文章のチョイスが大好きで元気をもらっています。
昨年出産をし、育児に奮闘している毎日を過ごしております。
私の旦那は妊娠中から体調を気にかけてくれたり、お出かけに連れて行ってくれたりしてくれて、毎日お腹の赤ちゃんの成長を一緒に楽しみながら、幸せな日々を過ごしました。
出産後も育児に積極的に取り組んでくれて、大切な娘の成長を共に噛み締めながら子育てできているなと感じるのですが、初めての子育てに私自身が必死になってしまい、ちょっとしたことが気になり、言葉の節々に棘があるような言い方をしてしまいます。
そして近くに住むよく会う友達に旦那の給料の話や話されたくないであろう実家の話等、言わなくてもいいようなことまで話してしまいました。
こんなにも毎日仕事も頑張ってくれて、休日は家族のために時間を使ってくれているのに、自分はなんで酷いことをしているんだと、毎日罪悪感に押しつぶされそうになります。
明日は好きなご飯をつくってあげよう!前みたいにただただ楽しく話をしよう!と思っても、いざ1日がスタートするとまた、嫌な言い方をしたり、ちょっとしたことでイライラしてしまいます。
家族がとても大切で、今しかないこの時も大切に過ごしたいのに、大切な人が悲しむような言い方をしたり、言ってほしくなかったであろう話をしてしまったり…。今の自分がどんどん嫌いになってしまいます。
これから成長していく我が子のためにも、前みたいにただただ日々を楽しみ仲のいいパパとママの姿を見せてあげたいです。
変わりたい気持ちでいっぱいです。

(29歳・女性・主婦)

 

今日は熱海で仕事があったので、新幹線の中でこの原稿を書いています。
連日の移動と早起きでやや疲れ気味だったのに、熱海駅に着いた途端に元気がみなぎってきて不思議。
小さな頃から楽しい思い出しかない場所なので、エネルギーが沸いたのかもしれません。気持ちってすごい。

さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。
ご自身で現状分析も反省もしっかりされていて、素直で真面目な相談者さんだなと思いました。

本当に嫌なことがあった時に、大切な誰かにちょっと愚痴を聞いてもらうようなことは時に必要なガス抜きかもしれませんが、悪く言いたくもない人を悪く言ってしまったら自己嫌悪に陥ってしまいますよね。

相談者さんは「育児でいっぱいいっぱいだった」と書いていらっしゃいますが、この部分をもう少し掘り下げてみてもいいのかもしれません。

普段から気性が荒いわけでもないのに特定の人にだけ強く当たってしまうのは、おそらくこの人なら許してくれるだろうという甘えだと思いますが、陰で誰かの悪口を言ってしまう場合は、大抵相手の優位に立って自分を正当化したい時だと思います。
一緒に育児していてとても良い旦那さんだと思っている一方で、それはあくまでも相対的に見た時に“良い旦那さん”に位置するだけで、「どうして自分ばかりこんなに…」とどこかで不平等を感じていたり、もしくは優しくてなんでも完璧にこなしてくれていることに劣等感を抱いているのかもしれません。

そういう自分の深層心理に気づけると、いざ感情に任せて棘のある言葉を選びそうになってしまった時「あ、今自分はこういう瞬間に劣等感を持ってしまったんだな」と思えて、相手を否定するよりも自分の心に関心が向かい、どうしたら自分自身がそれを克服、改善できるのかという考えになれるかもしれません。

とはいえ、初めての育児が大変なのは事実。そう簡単に冷静な自己分析なんてしていられないですよね。

感情は荒れているのに無理に平然を装って、とげとげしい自分すら彼の前で正当化してしまいそうになるくらいなら、旦那さんに「なんか今色々下手でごめんね。自分でもそうしたいわけじゃないんだけど…」と、葛藤している心を打ち明けてみたっていいと思います。
今回それを相談者さん1人の課題とせず、夫婦の課題ととらえられることで、2人の新しい絆になってなるかもしれません。

関係というのは変わりゆくものなので、“今だけ”だと思っていても、それが何年も続けば、“前みたいに”とはいかず、気づけばこれが“新しい関係”になってしまうことだってありえるのです。

それから、お友達に彼のデリケートな話をしてしまったことに関してですが、この罪悪感は嫌ですよね…。

思い出すだけで暗い気持ちになるのだろうとお察しします。ただ、残念なことに事実は消えません。
大切な彼が、他人にそういう目で見られるのも嫌でしょうし、そういうことを軽々しく人に話す人だとお友達から思われるのも嫌ですよね。

申し訳ないですが、彼にはその事実は秘密にしつつ、お友達にだけ改めて話をした方がいいかもしれません。
あの時そういう話をしてしまったが、自分自身ストレスが溜まっていてそんな話をしてしまったことを後悔している、聞かせてごめん。そっと心に秘めておいてもらえたら嬉しい、と。

なかったことにはなりませんが、その話がとても深刻で大切な話だということを改めて伝えることができますし(旦那さんの給与のことをさらに他人に言われたりしたら嫌ですしね…)、相談者さんの誠実さも多少挽回できるかと思います。

簡単には変われませんが、変わりたいと思えばゆっくりとそちらに向かっていけるはずです…!応援しています。

 

お悩み募集中!

「編集長がこたえます!」では、みなさまからのお悩みを募集しています。

大きな声では言いづらいけどちょっと誰かに聞いてほしい…

そんなお悩みがある方はぜひ以下のフォームからご投稿ください。

お悩み投稿フォームはこちらから

※すべての質問に回答できるわけではございません。
また、頂いたお悩みはNEXTWEEKEND/村上萌の発信する他のコンテンツで使用させて頂く場合がございますこと予めご了承のほどよろしくお願いします。

「編集長がこたえます」が本になりました

人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!

NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。

その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」

身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。

横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。


▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。


▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。


▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。

「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
発行元:カエルム株式会社
仕様:176ページ/B6版製本
定価:1760円(本体1600円)
流通:全国書店、ネット書店
Amazonで購入する

Share On