大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。
この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。
今日ご紹介するのは、何もない自分が心底嫌になっているという相談者さんからのお悩みです。
私は幼少期のころから自己肯定感が低く、20代の後半になった今でも自分を認められることができません。
私は周りから注目され、特別な存在になりたいと思っていました。
そしてその才能が何かしらあると思っていました。
スポーツ選手や俳優さん、歌手のような立派で華やかなものではなく、誰かの、または何かにとって特別な存在になりたいと思っていました。(少しは華やかな職業にあこがれはありましたが。)
ですが、現実は180度反対で、運動神経の才能はなく、歌や絵などの芸術面での才能も皆無で並外れて頭がいいとかそういうことも無く、ただ「ごく普通の真面目」として生きてます。
加えてお金を稼ぐ才能も色恋も乏しく、誰かを救える力も笑顔にさせる力もなく、ただただ虚しい人生です。
自分を漫画や映画で例えるなら、役名すらないただ空白を埋めるだけのキャラクターです。
村人Aや通行人Bすら与えられないモブキャラの中でも更にモブキャラのような存在です。
最近では某二刀流メジャーリーガーやトントン拍子の人生を歩んでいる某歌い手さんを勝手に羨んではますます何もない自分が嫌になります。
彼らの才能や成功、高年収よりも「何もない自分」が心底憎いです。
「お前の努力不足だろ」と言われればそれで終わりですし、何より成功している方々は日々の血のにじむような努力や様々な重圧を経験していることは重々承知しています。
そこの土俵にすら立てない自分が至極嫌いです。
唯一無二の秀でた才能を最初から持っている方々に勝ちたいとかは思っていないです。思えるわけがありません。
比べるのも虚しいだけでおこがましい行為だと分かっているんです。
それでも、自分の人生を振り返ってみた上で上記2人のような成功者を見ると「じゃあ自分は??」となり、自分の生きてる理由、そして存在価値が分からなくなります。
おそらく自己愛性パーソナリティ障害というものなのでしょう。
理想と現実の差を受け入れることができず、毎日吐きそうで苦しい。
おそらくまだ自分という可能性をあきらめきれていないのかもしれません。
死ぬ勇気すらない腰抜けな私は生きてていいのでしょうか。
長文、そしてあわれな自分語り大変失礼致しました。
(24歳、男性、会社員)
ちょうど「フリー・ガイ」というモブキャラが主人公の映画を何度か観たあとだったので、こちらのお悩みのキーワードが気になって選ばせていただきました。(モブキャラに自我が芽生えて世界が変わっていく話、面白いのでおすすめです…!)
改めて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。
理想と現実のご自身を比較して、辛い思いをされてきたんですね…。
何もないと書かれていますが、健康な24歳で日本という安全な国に住んでいるだけで、相当恵まれた舞台に立っているということは大前提として幸運なことだと思います。
ただ、誰もがその舞台に立っている環境が当たり前になると、やっぱりその中でも比較して辛くなってしまうんですよね…。
「自分という可能性を諦め切れない」なんて悩む必要もないと思いますよ!
諦める必要なんてないし、自分を誰よりも信じてあげられるのは自分です。
ただその可能性をどこに向けるかというベクトルを少し変えられるといいですね。
“誰かに評価されるため”だけの行為だと、いつまで経っても満たされることはないかもしれません。
相談者さんが書かれているようなアスリートやアーティストも、他者が評価するのは彼らのパフォーマンス、軌跡、考えであって、それは他者に評価されるために作られたものではなく、自分の可能性を信じて挑戦し続けた結果の賜物だと思います。
でも「僕は自分を信じている!」と言葉にするだけでは意味がありません。
表面的な自信を誇大化させたり生きる理由を探したりするよりも、まずは自分が楽しいこと、つい笑ってしまうこと、また来週もここに来ようと思うこと、など小さな内なる喜びを追及してみてください。
その中にきっと自分だけが知っている自分の姿が生まれて、誰かに評価されなかったとしても崩れることのない、小さくても強固な自信が作られていくはずです。
(行きつけのバーを作るとか、自転車を始めるとか秘湯巡りをしてみるとか、本当にそういうことで十分です!)
メジャーリーガーの人生だけを映した映画だったら、確かに道ゆく人はモブキャラかもしれませんが、でもその道ゆく人を主人公にした映画がどれだけあることか…!
誰に焦点を当てるかで、主人公もモブキャラも変わっていくんです。
そう考えるとモブなんてこの世には存在しないし、相談者さんはメジャーリーガーではないけれど立派な主人公です。
トントン拍子に見える人だって、「トン」と「トン」しか映されていないだけで、実はその間には様々なドラマがあるはずです。
ちなみに、自分は歌も運動も~も、~もできないと書いてらっしゃいますが、最後にあった“誰かを笑顔にすること”は、きっと今日この後からでもできます。
突然人生を変えようとするのではなく、まずは今日、そして明日、他者の評価に依存せずに少しずつご自身のことが好きになれるといいですね。
きっと大丈夫です。
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「編集長がこたえます」が本になりました
人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!
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その名も「深夜の、かけこみ横丁」。
「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
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「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」
身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。
横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。
▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。
▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。
▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。