自分の「好きな色ベスト3」とか「好きな食べ物ベスト3」とか、小さな頃は、あらゆることに自分の中でのランキングを持っていた人が多いかもしれません。
会話の中で人から聞かれることが多いからなのか、「この前までピンクが1位だったけど、今はブルーなんだ」なんて入れ替え戦もよく起きていて、それが“クラスの中の気になる人ベスト3”なんて恋愛カテゴリーにまで発展することもありました。
それほど、子どもにとってベスト3というのは自分の好きなものを語る時に欠かせない重要な指標だったのです。
大人になって様々な経験をすると、ある部分ではあちらが長けているけれど、こちらはこんな時に最適、などといった比較ポイントが曖昧になることもあって、ベスト3を考えることはぐっと減ります。
それでも、誰に聞かれるわけでもなく自分の中でベストを持っているものというのは、それなりに研究したい対象の“好きなもの”なのかもしれません。
それについてパッと思い浮かぶものについて書こうと思っていたのですが、この原稿を書いている今が夕食前の絶妙な時間だからなのか、愛用コスメでもおすすめのガジェットでもなく、餃子について書きたいと思います。
(「え?なんで急に餃子の話?意味がわからん」と思わず読んでください、好きに理由なんてないのです)
もともと、我が家は人が来ることが多くみんなで餃子を包むという体験も楽しくて作る機会は多い方でした。
ハイボールやワイン、様々なお酒との相性が良いものだから、餃子とは良い思い出しかないのもポイントだったのかもしれません。
ただ、北海道に住んでいる時にたまたま家の裏のスーパーで冷凍餃子を買ってみたことから、あんなに楽しかった“家で包む”ということは一切やらなくなってしまったのです。
それまで手を出してこなかった冷凍餃子があまりに美味しくて。
私なりの餃子ベストをあげるなら、間違いなくこの時の出会いが入ります。
音更ぎょうざの宝永
自分では作れない分厚くて絶妙な歯応えの皮にジューシーさ、そして餃子を食べるならこれくらいは効かせてほしい理想的なニンニク具合。
北海道を離れてからは通販で購入していますが、コロナ時代に突入したばかりの頃、これが家にあるだけでどれだけ助かったか。
私に“餃子を買う”ということを教えてくれたキーパーソンならぬキー餃子です。
続いてこちら。
餃子のかわしも
現在住んでいる長崎で、海で遊んだ帰りに立ち寄ってみたことがきっかけでそれからはもっぱらこちらの餃子ラバー。
もちもちの皮の中にじゅわっと広がる餃子の甘み、季節のならではの野菜(今なら筍とか…!)が入ったものや水餃子なんかもあって、ワインが合うおしゃれなバリエーション。
お店に伺っても海の前の民家のようなところで販売されていて、手作り感溢れる絶品です。
最後に、私に初めて餃子に合わせるお酒の美味しさと、上手な焼き方を教えてくれたのはこちら。
吉祥寺 みんみん
(というか、コラムで餃子について書くとは思っていなかったのでどれも写真が全然餃子の詳細が分からなくてすみません…。特に「みんみん」に関しては横丁の雰囲気だけでも伝われば…)
「みんみん」という餃子屋さんは星の数ほど(?)ありますが、大学時代に4年間通い続けた吉祥寺駅にあるハモニカ横丁の「みんみん」は、まさに理想的な昭和のラーメン屋感が満載で、吉祥寺で飲む日の一番最初にここで餃子とビールを引っ掛けてから夜をスタートする、というのが今もなお大好きです。
カリッとした弾力ある皮と肉の旨みがあふれるジューシーな餡は逸品。
なんと吉祥寺駅に「みんみん」餃子の自動販売機があるとの噂ですが、お店で持ち帰り用を頼むのがおすすめです。
みなさんは、即座にベスト3が語れるものに何がありますか?
NEXTWEEKENDで提案している4月の月間テーマは 「好きを育てる1ヶ月」。
みんなで楽しむSNS上のハッシュタグは #偏愛日記 です。
それに伴って提案している3つのWISHLISTはこちらで、
・好きだからこそ研究したい
・コレクションを眺めたい
・小さな頃から好きな物を語りたい
今月は
1本目「気持ちだけでなく、予定すらを変えてくれるカップの存在」
2本目「たった1年間の森での生活が、原体験になっている話」
とコラムを書きましたが、今回は「好きだからこそ研究したい」に合わせて自分なりのベスト餃子について書いてみました。
自分の好きなものを研究して、眺めて、語ってと、引き続き良い4月になりますように。