大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。
この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。
今日ご紹介するのは、持病を抱えながら働く相談者さんからのお悩みです。
こんばんは。
学生時代からいつものぞかせていただいております。
萌さんの決して否定せずに、お悩みに寄り添う姿とても素敵だなといつも感じております。
初めてのご相談です。
私は社会人2年目です。
(いわゆる大手広告代理店といわれる会社のコピーライター、CMプランナーです。)
端的に言うと、業務についていけませんが夢を手放したくなく悩んでいます。
近況はというと、基本がリモートワークですが、毎日午前3時か4時までは粘って仕事をしています。
いいアイデアが作れるまで仕事は終わらないので、いくらやっても終わらないことの方が多く、打ち合わせに企画を持っていけないこともしばしばで情けないです。
仕事が終わらないことが怖く、週末は予定を入れません。
また、食べて眠くなってしまうことも怖く、1人暮らしなので、1日1食だけ午前4時頃寝る直前に、食欲がなくても胃に食べ物を詰め込んでから寝ています。
そして、これが悩みの中心にあるのですが、私には自分のコントロールできないタイミングで頻繁に眠ってしまうという持病があります。
食べながら、人と話しながら…というタイミングでも寝ます。
薬が合わず唯一の対処法がたくさん寝ることですがそれが叶いません。
上司は病気について知っていますが業務量は変わらず。
周りの先輩も部長も皆忙しそうに毎日疲れた顔をしています。
私も、余裕があると思われると、さらに仕事を振られそうで、ボサボサの髪に、ほぼすっぴん、くたびれたスーツもわざと新調していません。
同じ理由で、会社では雑談もほぼしません。
ときどきふと自分じゃないみたいだと思います。
正直辛いです。
だから何も考えないよう、心を無にしてきました。
でもさっき、打ち合わせが長引いている間に、メールを返信せずに2時間経ってしまったことを叱られ、なんだかぷつんと糸が切れたような気持ちになってしまい、今この相談を書いています。
私は、勉強もコミュニケーションをとることも苦手で、要領も悪く、内定もコネ採用の今の会社にしか貰えませんでした。
だから、何も分からないまま研修で適当に書いたシナリオや企画が、この職種に憧れてたくさん努力してきた優秀な同期より評価され、才能があると言われたとき、せめてこの道は手放したくないと思いました。
私には無謀な夢でしょうか。
(25歳・女性・会社員)
こんにちは。
今日は自宅のリビングで原稿を書いていますが、クリスマスが目前になったからなのか、窓の外から賛美歌を練習する合唱が聴こえてきて、なんだか1人でしっとりとした気持ちでいます。
シュトーレンでも切ってみるかな。
さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。
毎日明け方まで仕事をされていて、週末もその延長となると、糸がずっと張り詰めたままですよね…。
プツンと切れてしまったタイミングでここを開いてくださりありがとうございます。
まず、相談者さんがこれを書いてくださっている時に想像していらっしゃる“夢”とは、どんな状態を指しますか?
それが今の職種の延長線にあって、目指したい像が明確なのであれば、25歳で抱える今の葛藤は恐らくある程度必然だし、そのジレンマこそが、コピーライターとして使えるようになりたい言い回しを具体化させて、自分の作っていきたいシナリオに想像が膨らむのかな、とも思います。
無謀も適性も今の相談者さんの年齢で決める必要はないと思うので、背伸びしている時期は辛いけど、そうしながらでも少しずつ追いつく形で、自分を成長していけばいいと思います。
もがくほどに、自分らしい泳ぎ方が見えてきます。
その場合は、ご自身の身体のことも考えながら、まずは生活ペースを一度立て直し、1日の流れを時間軸で書いて“理想のスケジュール”というものを作ってみることをおすすめします。
常に業務と不安に追われている状態から抜け出すためには、抜け出した先にどういう状態でありたいかを自覚することが大切だと思います。
そうすることで、急に100%にはなれなくても、1日ごとに調整をしながら、「今日は、こうだったから明日はああしよう」と、理想に合わせて改善していけるはずです。
理想的なスケジュール管理ができた日があると、肯定感も上がって、お腹も空いてくるかもしれません。
ずるずると毎日を続けるのではなく、日毎にリセットしながらその日に向き合うことが、健康的な思考を作って、良い企画案にも繋がるはずです。
(私の場合、良くない精神状態で眠いまま企画書を作ると、何も思い浮かばず時間もかかって効率が悪すぎるので、作業に入る時は「時間」を作るというより「コンディションを整える」ということを優先して、短い時間でパフォーマンスを最大化できるようにしています)
ただ、コネ入社と仰っているように、そもそも始まりが偶然で、これしか選択肢がなく、 “夢”を描いた時に、今の職種での延長が何も思い浮かばないのであれば、体調に合わせてたとえ今のお仕事を辞めてしまったとしても、「夢を諦めた」と、自分を責めることもないのかなと思います。
大事なのは、今の辛さの先に、どのような状態になりたいと思っているか?ということです。
ちなみに私は、大学3年生の時にコネで大手広告代理店に入れる人が本当に羨ましいと思っていましたが、妬まれてもコネに負い目を感じる必要はありません。
それはそれで相談者さんの特権だし、スタート地点に立つ方法は人と違ったかもしれませんが、成長しながら進めば、結果はちゃんと出せるはずです。
偶然だとしても、夢だと思える場所に立てるなんてラッキーだと思います。
過去と今の状態にとらわれず、この先自分がどういう人でありたいのか、一度未来のことを考えてみてくださいね。
そして、いずれの判断をしたとしても、疲れているように見せるためにボロボロでいるのはもったいないと思います。
人間は単純です。
自分自身にそんな暗示をかけていたら、気持ちもどんどん暗くなって、さらに疲労が溜まって自分を諦めてしまいます。
部屋を汚いままにしていると、どんどん散らかって色々なことがどうでもよくなるように、負のスパイラルが起きてしまうはず。
散らかること自体は問題ではありませんが、ここでもやはり、理想に合わせた日々の微調整が必要なんだと思います。
まずは、鏡を見るのが楽しみになるような自分でいることを心がけ、気持ちが高まるものを身につけて、今日1日の向き合い方を変えてみてください。
楽しそうにしている人には、雑務がたくさん振られるのではなく、「一緒に仕事をしたい」という明るい気が集まってくるはずです。
リモートで全員がボロボロムードの中、1人でテンションを上げるのはなかなか難しいかもしれませんが、相談者さんが少しずつ周りを変えていくことだってできます。
コロナ禍で急にフルリモートになって、様々なイベントがキャンセルになった時、私もすごく不安でしたが、そんな時に毎日ピアスを変えてzoomに登場してくれる社員がいて、「ちゃんと今の状況でも楽しもう、やり方はあるはず」と思えたし、そのせいか、他の社員たちもピアスだけでも…、と自分を楽しむ連鎖が起きて、会議も全体的に前向きになった記憶があります。
今の流れを“そういうもの”と開き直り、のみこまれるのではなく、自分がどうなりたいかを想像しながら、その上で、自分自身だって身近な人のインフルエンサーだと自覚してくださいね。
相談者さんの未来を応援しています!
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「編集長がこたえます」が本になりました
人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!
NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。
その名も「深夜の、かけこみ横丁」。
「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
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「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」
身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。
横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。
▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。
▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。
▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。