器コーディネーター伊藤唯さんによるコラム「知っておきたい器のあれこれ」。
器初心者さんのお買い物の参考になる情報を連載にしてお届けします。
連載予定
1.器のつくられかた
2.知っておきたい器用語
▶︎器のお買い物、どこに行こう?
3.気軽なお買い物ならライフスタイルショップ
4.特別なひとつを見つけたい時の器屋リスト
5.旅と合わせて計画したいクラフトフェア
▶︎新生活に揃えたい器リスト
6.キホンのご飯をカバーする、持っておきたい器リスト
7.ホームパーティーにプラスしたい器
8.季節を楽しむために、買い足したい器
etc…
“「何それ」を解消、知っておきたい器のこと”、第2回目は、器用語の基本である器の名前と、使い方や探し方について。
今回はよく聞くものも含めて、食卓周りの定番の器についてまとめました。
器と一口に言っても、形や用途によって、いろんな名前が付けられているんです。
まずは手仕事の器において、よく使われるジャンル分けからご紹介します。
「作家もの」と「民藝」の器
器を買うようになると、聞くことがある民藝(ミンゲイ)という言葉。
民藝とは、アートだけでなく、職人のつくる日用品にも美しさが宿っているという考え方のこと。
器で言うと、実用性を高めたことで洗練された日々の器を民藝の器と言ったりします。
これに対して、作家ものと呼ばれる器は、作家自身の表現が含まれる器のこと。
これは民藝、これは作家ものと、くっきり分かれているというよりは、グラデーションがあるようなイメージです。
基本の器
一番王道の、丸皿
お皿の基本的な形で、作られている数ももっとも多いもの。
縁のことを「リム」といい、リムのあるお皿を「リム付き」と言ったりもします。
日本古来の “寸”という単位で大きさを表されることが多く(1寸=3cm)、写真のように一品をすっきり盛るなら5・6寸、朝食のパンとサラダをのせるなら7寸、ワンプレートのお皿なら8寸程度が目安になります。
テーブルが締まる、角皿
長方形や正方形など全てまとめて、「角皿(カクザラ)」と言います。
ホームパーティーなど、たくさん料理を作った時、ベーシックな丸皿たちに1枚プラスすると、テーブルが引き締まります。
▲カッティングボード風におつまみをのせると、大人っぽい雰囲気に。
盛り付け上手に見える、オーバル皿
洋食器では定番の形である「オーバル皿」。
大きな余白ができにくく、盛り付けが不思議と上手に見えるお皿なので、盛り付け悩みがある方には、ぜひ使ってみていただきたい器です。
組み合わせて楽しい、豆皿
最近人気の「豆皿」は、約11cm以下の小皿のこと。
おかずを少しずつ盛り付けたり、小さなお菓子をのせたり、組み合わせを遊ぶのが楽しい器です。
汁物に必須の、鉢
汁物を盛り付けてもこぼれない、深さのある器を「鉢(ハチ)」と言います。
小ぶりなものは副菜を、大きなものは煮物などをどんと盛り付けて。
▲季節の果物とテーブルに置けば、インテリアのアクセントにもなりますよ。
ちなみに器の内側のことは見込み(ミコミ)といいます。
見込は外側と同色の色味が多いのですが、あえて色を切り替えている器もあるんですよ。
和食の基本の器
お茶用から生まれた、飯碗
ご飯を盛り付ける、端部が広がった器「飯碗(メシワン)」。
お茶の器が発祥だったことで、お茶碗と呼ばれるようになったとか。
買い足したくなったら、少し大ぶりなものにチャレンジするのがおすすめ。
炊き込みご飯や卵かけご飯に活躍してくれますよ。
洋食にも意外と使える、汁椀
お味噌汁などの汁物に使うのが「汁椀(シルワン)」。
木を削り出して、漆を塗ったものがよく使われています。
▲洋のスープをよそって、和テイストな朝ごパンのお供にしても新鮮です。
丁寧な食卓になる、箸置き
簡単な食事の時こそ、添えておきたい「箸置き」。
丁寧さが足されることで、ぐっと誠実な食卓になる気がします。
小さくて収納に困りにくく、色んな形があるので、つい次々と買い足してしまう方も多いのでは。
飲み物につかう器
幅広く使える、カップ
朝のホットドリンクに、おやつのお供に欠かせない「カップ」。
お気に入りをそばに置くのが一番ですが、仕事のお供にしたいなら冷めにくい口のせまいタイプ、料理やデザートを盛るなら口の広いタイプ、などシーンに合わせてみるのが選ぶ時のコツです。
湯のみ
普段のお茶を飲むのに使われる「湯のみ」。
「そばちょこ」という蕎麦つゆを注ぐための器も、よく湯のみがわりに使われます。
カップと同じく口の広いタイプは、デザートや副菜を盛り付けるのにもぴったりです。
最後にちょっとディープな器の話を。
たくさん器を買うようになり、気になるようになってきたのは、器の土台に輪っか状についている「高台(コウダイ)」と呼ばれるパーツ。
よーく見ると、高さがあるものや器の側面がそのまま高台になっているもの、そもそも台がないものなど、それぞれ違いがあるんです。
高台がないものには、器を重ねて焼くために、目跡(メアト)という粘土の跡がぽつっと残ります。
高台がない器は面でテーブルに接するので、かたつきやすいのですが、むしろそんなゆらぎが愛おしくて好きだったりします。
実はデザインの決め手になっていることも多いので、手持ちのお気に入りを眺めてみると再発見があるかもしれません。
野心を叶えたら、
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