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器コーディネーター伊藤唯さんによるコラム「知っておきたい器のあれこれ」。

2017年の春から始めた連載も約50回を迎え、ちょっぴりリニューアルすることに。

今までは季節のテーブルアイディアを紹介する記事が中心でしたが、今後は器初心者さんのお買い物の参考になるような情報を月に一度お届けしていきたいと思います。

今後の連載予定

▶︎「何それ」を解消、知っておきたい器のこと
1.器のつくられかた
2.知っておきたい器用語
▶︎器のお買い物、どこに行こう?
3.気軽なお買い物ならライフスタイルショップ
4.特別なひとつを見つけたい時の器屋リスト
5.旅と合わせて計画したいクラフトフェア
▶︎新生活に揃えたい器リスト
6.キホンのご飯をカバーする、持っておきたい器リスト
7.ホームパーティーにプラスしたい器
8.季節を楽しむために、買い足したい器
etc…

今回は“器の作られかた”について。

器の中でも一番メジャーな「陶器」の手仕事における作られかたと、デザインの決め手になるワザについてご紹介します。

知らなくても困らないけれど、知っていれば器探しがぐっと楽しくなるはずです。

 

陶器とは?

「陶器」を一言で表現すると、“土を成形して高温で焼いて作った入れ物”のこと。


(陶器の型たち。複雑なものは個別に発注するのだそう。)

基本的な作りかたは、粘土作り→成形→素焼き→色味をつける→本焼き。

この1クールをまわすだけでも1ヶ月ほどはかかると言われています。

今回は器のデザインの決め手になる、「器のフォルムを作る成形」「土に施す装飾」「色味のつけかた」の3工程をご紹介したいと思います。

 

1.器のフォルムを決める、成形

成形といえば、ろくろをまわすイメージを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、それ以外の方法もあるんです。

たたら


(板状の粘土を切り出したところ)

「たたら」は、板状の粘土を薄く伸ばしたり、つなげたりして加工する方法のこと。

端まで厚みが均一なものや、箱型のものを作るのによく使われます。

 

型押し


(型押しでつくられた器たち)

石膏の型をおして成形する「型押し」は、複雑なフォルムだったり、キリッとした模様の器を作るのによく使われます。

さらに複雑な形を作る時は、泥を型に流し込む「鋳込み」という方法も。

 

2.土自身に装飾を施す、模様のつけかた

器の模様というと、絵付けのイメージですが、土自体への模様のつけかたもあります。

しのぎ

厚めに作った器の表面をボーダー状に削り出す技法のこと。

削りの細さや間隔で雰囲気がぐっと変わるので、好みのバランスを探すという視点で器探しをするのもおもしろいかもしれません。


(カップ:福田るい)

 

スリップウェア

スポイトなどを使い、土の上に泥で模様を描く技法。
個性的なデザインに仕上がるスリップウェアは、シンプルな料理によく合います。


(スリップウェア:丹窓窯)

 

練りこみ

金太郎飴のように、色味の違う板状の粘土を重ね合わせて、模様を作る技法。

上下断面全ての模様がつながっていて、雑貨のようにキュートなデザインが多いんです。


(練りこみのお皿:杉本義訓)

 

3.最後の仕上げ、色味のつけ方

ベーシックな色味のつけ方は、1種類の釉薬(塗料)にくぐらせる方法です。

でも複雑な色味の器には、もっと手間ひまがかかっているんですよ。

掛け分け

一つの器に対して、複数の釉薬を使う技法のこと。
内側と外側で色味を変えたり、模様のように色づけしたりも!


(掛け分けのお皿:佐々木康弘)

 

吹き付け、垂らす

絶妙なグラデーションで彩られた器は、複数の釉薬を吹き付けたり、あえて全面にかけずに垂らしたり、そんな工夫がされています。


(グラデーションカラーのお皿:久保田由貴 / カップ:永草陽平)

 

 

あまり聞きなれない言葉もあったかもしれませんが、なんとなく知っているだけでも十分。

店員さんや作家さんとお話するときに、知っている単語があるだけで、会話も盛り上がりやすくなるもの。

このコラムを会話のきっかけにしてもらえたら嬉しいです。

 

 

 

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