器コーディネーター伊藤唯さんによるコラム「知っておきたい器のあれこれ」。
今月も器で楽しむテーブルアイデアをお届けしていきます。
知っておきたい器のあれこれ、9月のテーマは週末の朝ごはん。
週末のはりきった朝ごはんは、朝の空気をのんびり感じられるちょっと特別な時間が広がります。
家族や友人と集まる日、おいしいパンを買ってきた日……少し早起きをして仕込んだ食べ物たちがテーブルを彩れば、きっといい週末が始まるはず。
ドリンクはたっぷり、軽い焼き菓子も添えて、いろんな器に盛り付けたら、いくらでも話が続く朝になりそうです。
今回はそんなテーブルにぴったりの器や、スタイリングのヒントをお届けします。
万能アイテムは、少し深さがある白プレート
▲器:金森正起
少し深さがある白プレートは、さりげないけれどとても活躍してくれるアイテム。
おかずを盛る平皿や取り皿としても、汁物を盛る器としても使えるので、どんな献立の日にもつい取り出してしまいます。
今回はかぼちゃのポタージュをたっぷりと。
ひと手間かけてつくったポタージュが、幅や高さのあるリムで、おいしく見える気がします。
種類の違う取り皿は、色合いや質感をリンクさせて
▲一番上のプレート:安藤雅信
▲プレート:Aya Courvoisier
お揃いでないアイテムを並べる時は、色合いや質感だけでも合わせれば、ちゃんと統一感のあるテーブルになるように思います。
以前は、同じ器を合わせたいと思うこともあったけれど、「違いはあっても同じニュアンスを持つ器たち」を組み合わせることが、おおらかで楽しいと感じるようになりました。
小皿やカトラリーをまとめて置いても、なかなかいい雰囲気。
ぴしっと決めるんじゃない、遊び心を感じさせてくれるテーブルもいいですよね。
大皿はカラーを揃えつつ、テイストミックス
▲スタンド:MISHIM POTTERY CREATION
大皿はナチュラルカラーで合わせつつ、いろんな質感の器を並べてみました。
湿気を吸ってくれる木のプレートにはパンを、食べものをキラキラ輝かせてくれるガラスの器にはフルーツを、柔らかなトマトのサラダは手捻りの陶の器に盛り付けました。
落ち着いた色合いだから上品で、でも見渡すと表情が豊か。
こんな組み合わせも取り入れやすくていいかもしれません。
パンやフルーツを買い揃えるだけで、しっかり楽しい食卓が作れちゃうのも、朝ごはんの素敵なところ。
お気に入りの器のパワーを借りたら、一層わくわくするテーブルができるはず。
次の週末の始まりに、よかったら。
これまでコラム「知っておきたい器のあれこれ」を、読んでくださった皆さま、ありがとうございました。
器は自分で使ってみることで、どんどん楽しい使い方が見つかるように思います。
ほんの少しでも、食卓を楽しめるきっかけが見つかれば、嬉しいです。
日常の食事の中に、お、いいなと思うシーンが増えますように。
今月の器メモ
筒状のベースをいくつか、カトラリースタンドとして愛用しています。
取り分けに使うカトラリーや、ケーキサーバーなど、かさばりがちなカトラリーを収納していますが、テーブルにもそのまま置いて使っています。
カトラリーを並べなくていい気軽さは、特に人数の多い時にはいいなあと思います。
Editor:Tomomi Watanabe , ふじのあやこ
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