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大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、こんなお悩みです。

萌さん、こんにちは。 「小さな野心を燃料にして、人生を最高傑作にする法方」の著書、ラインをひいて何回も読んでいました。こちらのコーナーもいつも楽しみに読ませていただいています。

現在東京都在住で、最近0歳の息子と旦那さんと、新しいマンションへ引っ越してきました。
都心嫌い&山梨寄りで働いている旦那さんと、都心好き&都心勤務のわたしの中間をとり、仕方なく予算内のマンションに引っ越しを決めました。
前住んでいた町は四季を感じられる大きな公園があって、可愛いカフェや美味しいパン屋さんが近くにあって駅も大きく便利でとても好きな町でした。
しかし、妊娠前から住んでいたマンションはエレベーター無しの階段で10キロに近づく息子とベビーカーを持って登り降りする日々に危険を感じ、その街で条件を上げると家賃が高かったので別の街に引っ越すことにしました。

実際に今のマンション自体はすごく気に入っていて、エレベーター生活も最高ですが、住んでみると街も初めて住む電車の路線もまったく好きになれません。

大きな公園もなく、駅前にはスーパーすら無く、カフェもパン屋も無く。大きな工場が立ち並び、大きな道路に面していて、窓を開けているととてもうるさくて、窓を開けて風を感じることが好きだったのにそれもできなくなりました。前の町よりも治安も悪く感じてしまいます。

実際に内見して街を歩いてみた時は、1駅電車に乗れば大きな駅に行けるので大丈夫だろう、と思っていましたが、マンション探しに疲れていたのもあり深く考えていなかったかもしれません。

近くをお散歩するのが好きな私にとって、 こんなに近所の環境が大事なんて気が付かず 出かけるたびに「こんな場所、楽しくない、嫌い、辛い」という感情が湧いて来て泣けてきます。 なんだか心なしか人も怖くてガラの悪い人ばかりな気もして来て、こんな所住みたくない、と嫌なところや「ない」ことばかりを見てしまいます。

よく会う友達も都心に住んでる子が多く、集合まで1時間近くかけて行って、友達が心底羨ましかったり妬ましくなったり、わたしの年収がこんなに低いからいけないんだ、と自分を責めたり、都心勤務で都心が好きな旦那さんだったら良かったのに、なんて、駅までの大きな道路を車の音にうんざりしながら、ベビーカーを押して嫌々歩きながら、自分で決めて引っ越してきたくせに最低なことまで毎日考えてしまいます。

萌さんは引っ越しを多く経験され、様々な土地に住まわれてきたと思います。
わたしは地方出身なので、都心だけが良い!という訳じゃなく田舎も大好きなんです。
でも、豊かな自然もなくて散策しても好きだと思えるカフェやお店もゼロで、工場ばかりが立ち並び、自分が心地よくない、合わないな、と感じてしまいます。

マンション購入して保育園もきっとここで通うのに…

萌さんも過去に合わないな…と感じる場所に住んだ経験がもしありましたら、好きになっていくマインドセットや考え方、行動などお聞きできたらと思いました。

どんな場所でも輝いていて、努力されてこられた前さんに対してお恥ずかしい相談なのですが、お答えいただけましたら幸いです。

今更…と思いつつ、これまでの人生で折り畳み傘と日傘を持ったことがなかったのですが、ついに先日晴雨兼用の折り畳み傘を購入したところ、その便利さと涼しさに感動しています…!傘がカバンの中にあればなくさないということにも気づいて最高。一部の方にとっては当たり前すぎると思うのですが…あぁ嬉しい。

さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます!これはもう「好きになるのを待つ」というのは難しいと思うので、ご自身のマインドセットを変えていくしかないと思います。

ある研究では、20の絵画から好きなものを1つ選んだチームと、3つの絵画から1つを選んだチームとでは前者の方が後悔の度合いが大きかったといいます。選択肢が多いことは必ずしも自由で幸せなことではなく、自分が選ばなかったものに対していつまでも未練が残ってしまう要因にもなるのかもしれません。

私が、神戸、札幌、大阪、長崎、盛岡とどこに行っても楽しい理由も実はそこにあって、“夫の転勤先を楽しむ”というのは、実は究極の受け身の中での最大の能動で、場所自体は自分で選んでいないからこそ、決められた場所をいかに楽しむかに尽くせている、とも思っています。もし、まったく制限もなく移住自体を自分で決めていたら、「もっと長く札幌にいればよかった…」とか「やっぱりポルトガルにすればよかった…」「あっちの方が教育環境には良いのかな…」とか色々な煩悩に悩まされていたかもしれません。

ただ、各エリアで家を決めたり保育園を決めたりと、結局のところ常に大きな選択は伴うので、やっぱり大切なのはマインドセット。今の暮らしを楽しむのも、次の引越しを決めるのも自分たちです。相談者さんの文章の中にあったように、「きっと保育園もここで通うのだろう…」なんて自分の選択に他人事にならずに、もう少し“次の一手はこうしよう…!”を持っていていいと思います。

終の住処ではないと思っていらっしゃるのであれば、少し不動産の勉強をしてみてもいいかもしれません。購入した今のマンションがエリア含めてこれからどう変わっていきそうか、売却OR賃貸にするならどれくらいの価格になるのか、購入したからと言ってずっと自分で住まなくてはいけないわけではないので、住まいではなく資産と考えてみるのもひとつの手です。

そうやって少し客観的に見た上で、お子さんが〜歳になるまではここに住んで、それ以降は〜な暮らしがしたいなどと、理想の計画を立ててみるといいかもしれません。今の場所が期間限定だと思うと、今度は突然“嫌なところ”ではなく“良いところ”に目が向いてくるはずです。その結果、気づけばこの場所が好きになってずっといました、だってもちろんいい。

嫌なところばかりが見えている時って、自分の方が立場が上で“他にもいっぱい選択肢があったのに選んでやったんだぞ…!”みたいな気持ちが先行していたりするのですが、人生の中で今のライフステージに合わせて“ベストを尽くして選んだ場所”だと思えれば、その選択を正解だと思える視点に出会えるはずです。

だって実際に、旦那さんの職場との中間地点を取り、内装と設備合わせてお子さんを育てるためにしっかり選んだのですから、疲れていたかもしれないけれど、きっとちゃんと悩まれたはずですよ!

相談者さんは、ご自身の人生の中で初めてお子さんがいる春夏秋冬を過ごしていると思います。家を出てすぐ散歩ができなくても、今はライフテーマを変えて、様々な季節行事を目一杯楽しむべく、お家の中での暮らしを満喫してみてもいいかもしれません。

私も、長崎で住んだ家は徒歩で行けるお店はコンビニすらなく、Uberのようなものもなかったので、やたらと仕込み系が上達しました。娘がおやつを食べたいと言ったら冷凍しておいたスコーン生地を出して15分で焼きたてが食べられたし、夫がパスタを食べたいと言ったらオイル漬けにしておいた大葉と冷凍のシラスを取り出して10分でランチが完成するなど、生活力はかなり上がった気がします。

外の音がうるさくて網戸にできないのがストレスなら、網戸にしつつも家に良い音響を入れてJAZZを嗜んでみるなど、新しい趣味に出会えるチャンスもあるはずです。

自分の選択が間違っていた…と悔やんでいても時間は過ぎて行くので、じゃあどうする?に切り替えて、中長期的には別の場所に住むことを視野に入れつつ、今の暮らしにテーマをつけて楽しんでみるのがおすすめです。応援しています!

 

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「編集長がこたえます」が本になりました

人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!

NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。

その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」

身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。

横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。


▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。


▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。


▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。

「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
発行元:カエルム株式会社
仕様:176ページ/B6版製本
定価:1760円(本体1600円)
流通:全国書店、ネット書店
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