NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、こんなお悩みです。

萌さん、こんにちは!

萌さんの言葉選びや、文章がとても素敵で、萌さんワールドが大好きです!

私も人に響く文章を書きたいと思っているのですが、上手に書けません。(あまり響かないとよく言われてしまいます…)

萌さんはどのようにして、書けるようになりましたか?

また、参考にしているものやオススメがあれば教えて頂けると嬉しいです。

こんばんは。数年ぶりに発熱してしまい、しばらくコアラのように眠っていました。予定って健康の上に成り立っているよなぁとつくづく。長引かせないようにしっかり完治させたいと思います。

さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます!言葉選びや文章のお悩みも度々いただくので、今回はこちらを選ばせていただきました。

会話でも文章でも、どれだけ長く熱く語っていてもあまり頭に入ってこないことってありますよね。そういう時、私はなんとなくベクトルが違うのかなと思っています。語っている自分にスポットライトが当たっていて、聞いている人が置いてけぼりにされていることに気づいていない。だから、喋り切ったのにあまり伝わっていないということが起きるのかなと思っています。これは文章も同じで、0から100まで説明すれば必ずしも全てが伝わるわけではありません。

スポットライトを当てるのは、実は自分ではなく聞き手や読み手である“相手”です。そしてその次にライトを当てるとしたら“要点”です。相手が自分ごとにできるように、興味を惹きつけて要点を絞らなければいけません。(ごく稀に自分にスポットライトを当てたまま相手の興味を惹きつけられるカリスマ的なかたもいますが、あくまでもカリスマの成せる業だったりします)

雑談はともかく、文章にはそれなりに要点が必要です。要点とは伝えたいメッセージの中心です。そのためには、まず自分がこの文章で何を一番伝えたいかを理解する必要があるし、それを伝えるために不要なものは削る勇気を持ち、よりうまく伝わるためのものを肉付けする想像力が必要です。

偉そうに聞こえるかもしれませんが、伝わらない文章の多くは、削られていないことが多い気がします。きっと、他の人の文章がどれだけ長くてもちゃんと読んであげるような優しい人なのかもしれませんが、私は基本的にほとんどの人が聞いていない、読んでいないと思っています。自分もそうです。だからそれを前提にして、いかに端的にできるかが重要だと思っています。

先日、中学生の親戚の子が生徒会に立候補することになりスピーチの練習を聞いていたのですが、候補者が20人以上いるというので、少しアドバイスをさせてもらいました。

まず、「何年何組◯◯です、私が立候補した理由は〜」という多くの候補者が冒頭で話すであろうセリフを全カットし「20年後、私たちが文化祭の夜のあの熱狂を思い出したいと思った時、何を手掛かりにしますか?」という、長い演説で集中力が切れているであろう生徒たちが、一瞬でそのスピーチの中に入ってこられるような質問から始めることにしました。

彼女の掲げている公約が文化祭に関わることだったので、まずはみんなにその気持ちになってもらわないといけない。あくまでスポットライトは候補者ではなく、気持ちを動かしたい相手に向けなければいけないのです。彼女は無事に当選しました。

まずは、自分の書いた文章を見返して、要点を伝えるのに関係のない話が混ざっていないかを確認してみてください。自分にスポットライトが当たってしまっていると、ここで自分なりのニュースを感情的にどんどん入れ込んでしまい、話が支離滅裂になりがちです。また、説明的になっていないかも要確認です。説明というのは基本的に抑揚がなく、事実を時系列で書いているだけなので頭にあまり入ってきません。自分なりの視点を持って、要点を伝えるために必要な要素だけを抽出してみてください。

最後の見直しで、重複表現がないかを確認するのもおすすめです。良い文章を書きたいと思えば思うほど長くなって、言い回しを変えながらほぼ同じことを言っていることもしばしばあります。

そうやって削っていくと、彫刻のように話の輪郭が見えてきて、ちゃんと伝わるようになるはずです‥!応援しています!

 

お悩み募集中!

「編集長がこたえます!」では、みなさまからのお悩みを募集しています。

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※すべての質問に回答できるわけではございません。
また、頂いたお悩みはNEXTWEEKEND/村上萌の発信する他のコンテンツで使用させて頂く場合がございますこと予めご了承のほどよろしくお願いします。

「編集長がこたえます」が本になりました

人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!

NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。

その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」

身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。

横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。


▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。


▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。


▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。

「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
発行元:カエルム株式会社
仕様:176ページ/B6版製本
定価:1760円(本体1600円)
流通:全国書店、ネット書店
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