大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。
この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。
今日ご紹介するのは、こんなお悩みです。
萌さんの言葉の選び方や物事の考え方の柔らかさに、尊敬・憧れ・安心を覚え、難しい皆さんのお悩みを拝見しつつも心を温かくしていただいています。
そんな萌さんに聞いてほしいのは、子どもについてです。
結婚前は子どもが欲しいと思っていましたし、仕事への復帰も考えると、出来るだけ早くに授かれたらいいなと考えていました。ですが30歳で結婚して、授かることなく6年が経過。その間、夫有責の出来事を期に信頼関係はグレーになってしまったし、年齢的な体力への不安も相まって、周囲の人の話を聞いているうちに子育てへの希望よりも不安が募ってしまい、自分はDINKsなんだと言い聞かせてきました。
それでも、心の奥底では子どもを諦められない自分もいたのだと思います。友人夫婦が不妊症検査を受けたという話を期に私たちも受診をしたところ、男性不妊が発覚。体外受精でないと難しいだろうし、年齢を考えると早い方が良いと言われました。
スケジュールも身体に合わせなければならないですし、採血や注射や検査で既に心身の負担を感じてしまい、妊娠までの道のりの険しさに愕然としました。我ながら性格が悪くて嫌になりますが、なぜ原因のある夫じゃなくて私が痛い思いをしなければならないんだとも思ってしまいます。(原因が明確ではない不妊もたくさんあるので、私に原因がないと言い切れないことも頭では理解しています。)
端的に言ってしまうと「腹を括れない」のです。妊娠・出産・子育てが損得ではないことは分かっていますが、諦めなければならないことや責任を考えると、私が親になれるわけがないと思うのです。でも、このまま夫と二人だけで死ぬまで生きていくのかと思うとそれも怖いのです。自然な夫婦生活の中で自然と授かれたり、お医者様に「諦めてください」も言われたらどれだけ良かっただろうと思ってしまいます。ただの責任逃れな気もしますし、自分の人生や選択に自信がないのだとも思います。
萌さんは妊娠・出産・子育てに対して不安はありましたか?出産前に、子どもがいない人生を想像したことはありますか?
(36歳・女性・主婦)
今日は天気が良いので布団からソファまで家中のおおものファブリックを庭に出して、太陽を沢山浴びさせています。リビングの窓を網戸にして、カーテンから木漏れ日と風がふわぁっと入ってくる中、コーヒーを淹れたところでパソコンを開きました。同じパソコンを開くにしても、環境を整えるだけで心地よさが違うなぁとしみじみ。
さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。ほとんどの人間関係は自分で選択していくことができますが、自分の親と、自分の子に関しては意思だけではどうにもできないことが多く難しいですよね…。特に今の相談者さんの年齢だと、突きつけられる選択肢に制限時間まで表示されているような気がして悩んでしまいますよね。結局のところ、どちらが正解かということよりも、ご自身が納得しながら進んでいくことが重要なのかなと思います。同じ道でも、「これでよかったのだ」と納得して歩くのと、悩んでいる間に時間が経って気づけばそこにいるのとでは、気持ちが随分と違うはずです。
今のご自分のもやもやしている心を紐解いていくと、かつて旦那さんに有責の出来事があったことから始まり、そんな旦那さん側に不妊の原因があったというのが相談者さんを苦しめているのではないかなと思いました。今後子どもを授かるかどうかは分かりませんが、まず旦那さんとこれからも夫婦として向き合っていきたいのかということに腹を括ることが必要な気がします。そこは相談者さんが選べる人間関係です。
今更過去のことを責めずとも、同じ場所に立つためにも、これからどうしたくて何が不安なのか、少し腹を割って話してみてはどうでしょうか。明確な答えを出すことよりも「そうだよね」と分かり合えればいいと思います。一度結婚したから一緒にいるのではなく、あらためて自身で「選んだ」という自覚を持ってパートナーを見つめてみてください。それをクリアできれば、老後を2人で生きていくことに今よりも怖さは感じなくなるかもしれません。お医者さんに「諦めてください」と言われて、夫婦関係の問題に蓋をしたまま老後を迎えるよりよっぽど良いはずです。
その上で、改めてこの人とこれからの人生も一緒にいたいなと感じることができ、共に治療を頑張ってみようとなるのであればそこに向かうのも良いかと思います。ただおっしゃる通り険しい道のりだと思うので、いくつかパターンや期限を視野に入れながら進むのが良いかもしれません。ここまで頑張っても授からなければこうしよう、ということを旦那さんと一緒に話しておけるだけでも、気持ちは違うと思います。
2人で同じ場所に立ち、パターンを持って納得しながら道を進むことによって、万が一授かればその時は共に喜び子育てをしていきやすくなるでしょうし、万が一授からなかった場合は、かかるかもしれなかった子育ての資金を2人でこんな旅行に使おうと話してみてもいいかもしれません。
人生は選択の連続で悩みは尽きませんが、悩んで選んだということ自体が、必ず未来の自分の思考の糧になると思うので、どうなろうと自分で正解にしていけるよう頑張ってゆきましょう…!応援しています。
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「編集長がこたえます」が本になりました
人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!
NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。
その名も「深夜の、かけこみ横丁」。
「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」
身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。
横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。
▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。
▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。
▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。