大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。
この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。
今日ご紹介するのは、こんなお悩みです。
はじめまして。
萌さんの、様々な方のお悩みに対し、遠くからトンネルの出口を教えてくれるようなポジティブな回答の数々に感銘を受け、私も聞いていただければと思った次第です。
私は今の自分の現状を変えたいのに不安が勝り、何も選択ができない、という状態に陥っています。
今私はやりたいことを個人事業主として行いながら、会社で契約社員として働いています。
二つの収入でなんとか一人暮らしをして、贅沢はできませんが人並みに生活しています。
個人の仕事は期待や必要とされていることで自分の精神を安定させてくれ、少しずつ売り上げも伸び、お客さんもついていますがそれだけではまだ食べていけません。
もう一つの契約社員の仕事は、単純作業で一日中誰とも会話せず、誰からも評価されず、責任もスキルアップもなく、最初は個人の仕事に集中できるからと満足していたものの、自分はいてもいなくても良い存在なんだと自尊心が削られていることに最近気がつきました。
このままではまずいと転職することに決めたのですが、自分の軸がなく、また、流されるように今の職場にするっと入ったこともあり、何を基準にどう変われば良いのかがわからなくなってしまっています。
安定のために正社員か、とも思いますが、せっかく人生の中でやりたいことができたという実感のある個人事業を諦める決心もまだつきません。
結婚する予定の彼氏と別れたことで、描いていた未来が全て崩れ去ってしまったというのも大きいです。
現在関西に住んでいますが、もはやいる意味もないので実家のある関東へ帰ろうかとも思うのですが、それも特に理由もなく、一人でやっていけるのか怖いです。
34歳という、結婚も就職も、タイムリミットという世間の圧に焦っているのもあります。
どの選択肢を考えても、最終的に「非正規の貧困独身女性」として孤独と貧困に苦しめられながら死ぬ、という最悪の結果しか思い描けず、何からどう動いて良いのかわからず、毎日地獄のように苦しいです。
今自分がネガティブな思考に支配されてしまっているというのは理解しているのですが、どうしたら一歩進むことができるのでしょうか。
ぐだぐだと何から手をつけていいのかわからない悩みを書き散らかしてしまい申し訳ありません。
何か物事を進める上でのヒントがあれば、教えていただければ嬉しいです。
(34歳・女性・ダブルワーク)
今週は気持ちの良い秋晴れが続いていますね。
関東にいる時は基本的にオフィスに出社したり打ち合わせを沢山入れているので、在宅ワークということはほとんどないのですが、今日は諸事情により横浜の実家でこの原稿を書いています。
ただ、父が書斎を使っているため、私は全自動麻雀卓の上でパソコンを開くというなんともシュールな時間です。
さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。
書かれている事実を客観的に拝見する限り、今すぐに仕事や住まい、何かを変える必要はないと思いました。
だけど、大至急そのとらえかたを変えられると良さそうです。
ネガティブな気持ちのまま“なんのために”の意味を見出そうとしても、答えは永久に出てきません。
すべてが虚無に思えて悲しくなっていくだけです。
関西にいる意味も、関東にいる意味も、それが北海道でもパリでも、意味を見つけるのは簡単ではありません。
だけど、相談者さんがそれをどうとらえるのかという物語があれば、それがこれからの“意味”になっていきます。
自分の軸がないと思うのであれば、軸を探すのではなく「今の立ち位置をとらえなおす」ということをしてみてください。
自分を「非正規の貧困独身女性」ととらえるのか、「別の仕事で最低限の収入を安定させながら、フリーランスで夢を実現しようとしているところ」ととらえるのかでは、たとえその瞬間の事実が同じでも、気持ちも、見えるものも、出会うものも変わります。
これは楽観的というよりは、今自分が立っている場所から、前に進むか後ろに進むかくらい大きな違いです。
せっかく個人事業で“やりたいと思えること”に出会えて諦めたくないと思っているのであれば、今はそれをどう育てていくかにフューチャーしたら良いのではないでしょうか。
契約社員の方は、収入面での安定が精神衛生に繋がっているのであればそのままでもいいような気もしますが、自尊心を削られるのであればそこに費やす時間が少し長すぎる&一人で考えすぎなのかもしれませんね。
たとえば良い気の人たちが集まるコワーキングスペースを借りてみる、時間を短くして少し別の可能性を探ってみるなど、チューニングをしてみてもいいかもしれません。
その過程で、今個人事業でされている内容が活かせる会社に出会って、挑戦したいと思うことだってあるかもしれません。
職人気質の方は誰とも喋らずに、淡々と一人で作業をすることに苦は感じないかもしれませんが、人との会話、目の前の景色、あらゆるものから脳は刺激を受けて自分の感情を動かしてくれます。
それらが遮断された状態があまりに長いと、感情が一度ネガティブになるとそれはそのままゆっくりと落ちていき、同じ環境で一人で考えていても上がっていくきっかけはほとんどありません。
そしてその環境を変えてあげられるのは、自分の行動だけです。
大胆な行動をせずとも、まずは自分の日常を少し別の角度から見られる状況を作って、相談者さんなりに、関西での生活が〇〇な理由で気に入っている、今の毎日のバランスが〇〇な理由で気に入っている、と、少しずつでも思っていけますように。
応援しています!
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「編集長がこたえます」が本になりました
人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!
NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。
その名も「深夜の、かけこみ横丁」。
「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」
身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。
横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。
▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。
▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。
▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。