NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、歳を重ねることが辛い相談者さんからのお悩みです。


はじめまして。
いつも拝見しては温かい言葉に投稿者でもないのに慰められております。
社会人2年目、23歳の女です。
歳をとるのが怖いです。
ずっと東京に憧れていた私は、大学卒業とともに上京して2年目になりました。
東京には何でもあって、東京に行けば全てが叶うと信じていました。
けれど都民になって私は一体何を叶えたかったのか途方に暮れています。
何もなし得なかった。毎日なんとなく仕事をこなしているだけです。
また、何に影響されたのかわかりませんが、ずっと女性が1番綺麗なのは18歳だと信じて生きてきました。
漫画の主人公も歌に歌われるのも19歳まで。
それ以降は20代とか社会人とか既婚者とか子持ちとか大きな括りでしか語られなくなる。
でも私は気がつけば18歳はあっという間に過ぎ去り、あと数年でアラサーと呼ばれる歳です。
街を歩いてもテレビやSNSを見ていても年下が増えました。
肌も汚くなりました。でもお姉さんとして勝負できる身体や何かも無い。
何者にもなれず、何も手にしていない。 胸を張れる知識や経験もない。
若さまで失ってしまったら私は一体何を支えに生きていけばよいのでしょう。
ぼろぼろのどろどろで見つかるのはいやだからしにたいではなく消えたいと思います。
(23歳・女性・会社員)

 

今日は数年ぶりに福岡の糸島に来ています。

前から面白かったけど、さらに面白い!

海沿いに立ち並ぶ楽しい飲食店、センスの尖ったセレクトショップ、土地を遊ぶ体験の提案など、この独特のカルチャーは長い時間をかけてこの場所を好きだと思う人たちがつくってきたんだろうなぁ。

“その場所への愛を自分視点で語れる人がどれだけいるか”それこそが街の未来になるのだと改めて痛感しました。

 

さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。

私が魔法使いなら相談者さんの年齢を今の状態で止めたり下げたりすることができるかもしれませんが、たとえ魔法が使えてももったいなくてそんなことはしないな、と思いました。

年齢を重ねるから、時が経つから、目の前の一瞬が尊いんです。

もし相談者さんを23歳で止めてあげることができたとしたら、その後の人生はとにかく退屈なものになるはずです。

相談者さんが今失いたくない、守りたい、と思っているものが誰かに説明するための“23歳”という数字だとして、それを“若ければ若いだけ良い”と思っているのであれば、上がっていくのはとても辛いと思います。

だけど、重要なのは年齢よりも“どんな人間か”ということだと思います。

「何者にもなれなかった、何も手にできなかった」と思うにはあまりに早すぎる…。

完全に今からの年齢だと思います。

18歳が主役の歌や漫画ばかりを聞いたり読んだりしているなら、触れるものを変えてみてください。

映画を見て、素敵な大人に会って、可愛い老夫婦が街角で踊るパリを旅してください。

価値観は自分が出会うものでつくられています。

10年経ってもまだ33歳の相談者さんに、「今からなんにでもなれるよ!」と言うのは簡単ですが、人間はポケモンのように分かりやすく名前と共に進化するわけではないので、何者かになることを目指すのはおすすめしません。

他人から見たら“何者かになれている人”でも「やったー!何者かになれたー!」と思っている人はほとんどいないと思います。

それよりも、自分がこれからの人生でどんなものを見て、どんな人に会って、何に感動して、どんな体験をするのか、自分の年齢を忘れるくらいに集中してください。

今からの10年をそうやって過ごすことができれば、「あぁ…ついに来年は34歳だ」なんて思う以上に「さて、来年は何をしようかな〜!」と自分の未来を楽しみにできるはずです。

アメリカの心理学研究で、「私はまだ40歳」と考える1000人と、「私はもう40歳」と考える1000人を追跡調査したところ、前者の方が10年単位で平均寿命が長かったというデータがあるようです。

長く生きただけでなく、おそらくその数年間の「人生の楽しさ」もずいぶんと違ったのではと思っています。

全ての生き物が平等に歳をとる中で変えられない事実を悲観するよりも、それをどう捉えるのかが重要です。

ちなみにカーネル・サンダースがケンタッキーフライドチキンを創業したのは65歳だって知ってますか?

「もう65歳だ…」と思っていたら絶対にできなかったはず。

相談者さんのこれからつくっていく未来に、たくさんの希望が増えますように!

 

お悩み募集中!

「編集長がこたえます!」では、みなさまからのお悩みを募集しています。

大きな声では言いづらいけどちょっと誰かに聞いてほしい…

そんなお悩みがある方はぜひ以下のフォームからご投稿ください。

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※すべての質問に回答できるわけではございません。
また、頂いたお悩みはNEXTWEEKEND/村上萌の発信する他のコンテンツで使用させて頂く場合がございますこと予めご了承のほどよろしくお願いします。

「編集長がこたえます」が本になりました

人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!

NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。

その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
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身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。

横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。


▲共感を集めた31のお悩みを掲載
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▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。

「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
発行元:カエルム株式会社
仕様:176ページ/B6版製本
定価:1760円(本体1600円)
流通:全国書店、ネット書店
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