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大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、“有能”な人になりえない自分自身に失望してしまっている相談者さんからのお悩みです。

村上さん、はじめまして。
妹から村上さんのことと、このお悩み相談のことを教えてもらい、相談させていただいております。
妹も以前にこちらで村上さんに回答をしていただいたことがあるそうで、建設的かつ説得力があり、優しく愛溢れる村上さんの回答に大変感激しておりました。
さて、私の悩みは、タイトルのとおり「有能にはなりえない自分に絶望する」ということです。
仕事はもちろん、地域の活動や趣味などの場においても、臨機応変な行動力や頭の回転の速さといった能力が求められる場面は、多くあるように感じます。
そういった場面で、つくづく「使えない」自分に心から失望してしまいます。
例えば、私は学生の頃学生オーケストラに所属していたのですが、コンサートの本番当日の会場設営や合宿の準備などの際、有能な動きができたためしがありません。仕事に関しては言うまでもないことです。
努力が足りないと言われればもちろんそうなのでしょうが、思えば中学生くらいの頃から、動ける人は動けるし動けない人は動けない、という感じだったような気がします。
有能な動きができる人たちが、毎回マニュアルを読み込んで何度も念入りに頭の中でシミュレートして…ということをやっているとも思えません。(もしそうであれば申し訳ないことです。ただ私の場合は、これをやってもその場になると動けません。)
小説を読んだりドラマを見ていても、有能な人はたくさん出てきますし、魅力的なキャラクターというのは大抵有能です。(だからこそ、いわゆる「クズ」なのに魅力的なキャラクターが出てくるとなんだかほっとします。)
また、最近は、「有能/無能な人の特徴◯◯」といった主旨の動画やネット記事などもよく見かける気がします。
もちろん、有能な人がいなければ世界は回っていきませんし、私自身、そういった人たちに何度も助けてもらって今まで何とかやってきました。
しかし、きっとどうやっても「有能」にはなりえない自分は、誰の役に立つこともなく、生きている価値などない人間なのではないか…と落ち込んでしまいます。
この年になって程度の低い悩みであることはよくわかっていますが、村上さんのご意見を伺えますと幸いです。
まだまだまだ暑い日が続きますが、どうぞお身体を大切に、村上さんの更なるご活躍を楽しみにしております。

(33歳・会社員)

 

これまでの人生で何度もジムに入会してはほとんど通わずに退会して…を繰り返していたのですが、去年入会したパーソナルジムが、なんと1年以上続いています。

月にたったの4回コースですが自分的には大きな進歩。合わないと思い込むのではなく、合う方法を見つけるのは大切だなぁなんて痛感しています。

さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます!

姉妹でお送りいただいたなんて嬉しい限りです。

約160回も続けていますが、実はお悩みをいただく数はその10倍以上。

私自身、「このお悩みに自分自身も向き合ってみたい」という気持ちでお悩みを選ばせていただいているので、お二人からのメッセージがそう思わせてくださったのだと思います。ありがとうございます。

そして今回の相談者さんのお悩みですが、ご自身のことを“使えない”“無能”と絶望されているというのは悲しいですね。

この文章の中で相談者さんの能力を変えることは難しいかもしれませんが、考え方を少し変えさせてもらえたらいいなと思います。

まず、相談者さんの指す“有能”な人は、臨機応変で頭の回転が速いという方で、“無能”な人は、柔軟性がなく判断力が鈍いということで合っていますか?

この短い文章に具体例が出てくることから察するに、学生時代のオーケストラでの出来事が少しトラウマになっているのかもしれませんが、イベントのような現場においては、確かに臨機応変さが重要ですし、そういう方が全体を引っ張っていくことが多々あると思います。

輝く人のそばで、大体のことに遅れて気づく自分に嫌気が差してしまう気持ちも理解できます。

ただ、環境が変われば輝く人は別になることだってありえます。

私自身も、どちらかと言うと現場でどんどん判断しながら作っていくタイプで、飽きないためにも同時進行が好きだし、突然降ってくるような無理難題にはむしろ燃えながら走ってきました。

それが時に輝いて見えることもあるかもしれませんが、たとえば役所に資料を出したりすると、大体抜け漏れや誤字で、2〜3回くらいは出し戻しが発生するようなポンコツぶりです。

窓口の方は「この人、仕事できなさすぎる…」と思っているに違いありません。

この前は個室のテレワークボックスだと思って入ったら授乳室だったし、電車は大体反対に飛び乗りますが、これはもう脳の使い方の特徴なのかもしれません。(と、開き直ってます。)

人類が“有能”“無能”のどちらかしかいないなんてことはありません。

自分の能力、脳みその使い方がどのような環境や仕事に適しているのかを考え、そこで自分のパフォーマンスを発揮しながら成長しようとすることが自己分析なのではないでしょうか。

相談者さんが自分の特徴を活かせる環境はきっとあります。

それに、自分のことを一度でも無能だと思って反省している相談者さんなら、改善の余地しかありません。

一番厄介なのは、なんでもできるふりをしているのに実際はそうでなく、無反省な人ですから。

さらに言うと、人間は別に役に立つために生まれてきたわけではなく、生まれてきた時点で、それだけでもうOK、素晴らしいんです。役に立とうとして生きている動物なんて、自然界には1匹もいませんよね。みんなただ生きてるんです。

とはいえ人間社会の中にいると比較して落ち込んで、息苦しくなったり自己否定したりするのも無理ありません。だけど、全部嫌になったら多少のお金だけ作りながらどこか山の中で自給自足したっていいんです。

虫はいっぱいいますが、花が咲いて鳥が飛んで、たまに川遊びをしながら青い空と星を見ていたら、きっと感動しますよ。

だけど、自分が選んで今の場所にいるだけなのだから、無能だなんて絶望してないで、今の自分を楽しめばいいんです。そういうふうに思っておくと、色々と気が楽になるはずです。

相談者さんなら大丈夫、応援しています!

 

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「編集長がこたえます」が本になりました

人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!

NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。

その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」

身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。

横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。


▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。


▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。


▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。

「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
発行元:カエルム株式会社
仕様:176ページ/B6版製本
定価:1760円(本体1600円)
流通:全国書店、ネット書店
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