大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。
この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。
今日ご紹介するのは、理想の働き方を理解してくれない夫に、どうしたら理解してもらえるか悩んでいる相談者さんからのお悩みです。
結婚を機に転職・引っ越しをして2年が経ちました。
結婚直前の私は、デザイナーとして企業で働くために仕事とデザインスクールと必死に頑張っていました。
結婚はしたいけれど、私にも夢がある…そんな葛藤はありましたが、私の夢も応援して、協力するとのことだったので結婚しました。
結婚後は妊娠も考えていたので、 いつ子どもができるかわからないのに、正社員で働くのは私には抵抗があり、また気持ち的に不安な日々を過ごしたくはなかったので、 パート勤務と自宅でデザインの仕事を請け負うことにしました。
しかし、子どもはまだ授かっておらず、 正社員時代よりも給与が減っている私に対して、「楽したいからパートで働いている」「デザイナーにそんなにこだわるの必要ない」「子供できたらやめればいいから働いたら」 と、この1年傷つくことを言われながらも乗り越えてきました。
私の中では、デザイナーとして仕事量を増やして、 自宅で働きながら、子どもとの時間も大切にしながら、 生活することを想像しているのですが、理解してもらえません。
女性にとって、結婚・妊娠は生活がガラッと変わること。
どのような話をして理解してもらえるのか、…この状況を乗り越えられたなら幸せな日々が待っている気もします。
私がやりたいことを諦め、旦那の心無い言葉のために新しく働くべきなのか。
今日より少しでも楽しい毎日を過ごすためにアドバイスを頂きたいです。
(27歳・女性・パート,アルバイト)
今飛行機の中でこの原稿を書いています。
飛び立った長崎は真夏のような天気でしたが、今日は東京に台風が上陸する日らしく…機内では「羽田上空で引き返す可能性が…」というアナウンスが流れています。どうなるこっちゃ。
さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。
一番近い存在のパートナーに、理想の働き方を理解してもらえないのは辛いですね。多分このまま自然と分かりあうということは難しいと思うので、少し状況を整理して改善していきましょう。
まず旦那さんが相談者さんにそのような言葉を向けてしまう根本には、相談者さんの文面から読み取るにお金の心配があるのかもしれません。
更に深掘りすると、相談者さんの目指している未来ではその心配を拭うことはできないと考えていて、要するに相談者さんの夢である “在宅のフリーランスデザイナー”に対する理解、そして相談者さんの努力や才能に対するリスペクトも、全体的に薄いように感じます。
「夢」の一言で応援してもらえたらもちろんシンプルですが、その夢を共有するために、価値観や熱量の違う人には、その人の理解できる言葉やステップで説明を工夫する必要があるかもしれません。
たとえば相談者さんがロールモデルにしているような方を何名かピックアップしてみる。
その上で、ご自身の勉強されてきたこと、今の方向性などを掛け合わせて、市場の中でどの位置づけをどんな方法で目指そうとしているのかを理解してもらう。
これは今の相談者さんが決して楽したいわけではなく、日々何に向かってなんの努力をしているのかのプロセスを共有するためです。
また、夢のない作業のように聞こえるかもしれませんが、形になってきた場合の相場のギャランティを想定して、それをどのような案件数を目標として日常にしようとしているかを伝える。
現実的な目標だけでなく、採算度外視でもやってみたい仕事に出会えることは幸運なことですが、そういったものにたどり着くためにも、今のうちに理想バランスと計画が共有できれば、今後もしかすると相談者さんが、ずっとやりたかった案件に出会えて夢中になっている時に想定される「お金にならないことばっかりして〜」なんて小言を言われずに済むかもしれません。
あとは、彼にとって相談者さんの成長を“自分ごと”にさせられればこっちのもの。
そのためには、彼のことを自分の才能を軽視してくる勝負相手としてとらえ、突然成果を出して見返してやろうと思うのではなく(そんなふうには思っていないかもしれませんが)、逐一意見を聞きながら、嬉しいニュースを共有してみるのです。
戦略的にというわけでもないのですが、私は夫に結構仕事の話をしていて、もちろん専門的な企画書作りなどは自分で考えてやるしかないのですが、「誌面のメインカットに使う写真、A〜Dだったらどれがいいと思う?」とか、社員への声掛けを夫の職種の立場からの意見でのアドバイスをもらうとか、結果だけでなく常にプロセスから相談、共有を心がけているので、何かが出来上がった時にはそれを報告しながら夫の切り口や意見に感謝を述べ、一緒に成功や改善を分かち合うようにしています。
そうすると、ちょっと大変で手が離せなかったり私が分担している家事ができないような非常事態にも「大変なんだから分かってよ」ではなく、「あ!それは大変だね」と、前提を理解してもらっていることによって色々なことがスムーズになる事実を痛感しています。
相談者さんの夢を因数分解しながら、旦那さんを巻き込んでみてくださいね。応援しています!
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「編集長がこたえます」が本になりました
人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!
NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。
その名も「深夜の、かけこみ横丁」。
「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」
身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。
横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。
▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。
▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。
▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。