NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、強く言われると涙が出てしまう自分が情けないという相談者さんからのお悩みです。

萌さん、初めまして。いつも楽しく拝見させていただいています。見ているだけでワクワクする、NEXTWEEKENDのコンテンツが大好きです。
私は、人から強く言われるとすぐに泣いてしまいます。
上司から多少強い言葉で叱責されたときや、(窓口対応のある仕事のため)お客様からクレームをいただいた時など、すぐに鼻の奥がつーんとなり、目に涙が浮かびます。
その場は何とか堪えて、後からトイレで泣くようにしてはいますが、私の場合一旦泣き始めるとなかなか涙が止まらず、いつまでもトイレから出ることができません。
また、その場は涙を堪えるとはいっても、明らかに涙目になっており声も震えているので、周囲には絶対にばれていると思います。
これまで、面と向かって「すぐに泣くな!」などと注意されたことはありません。
悪い意味で気を遣われているのだと思います。
弱いし甘えているし面倒くさい奴だ、関わりたくない、と思われていて当然です。
また、泣いている間は仕事もできず、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
社会人として、多少強い言葉で言われた程度で泣くなどあり得ない、ということは重々承知しています。
まして、「泣いて許してもらおう」とか「泣いたら同情してくれるはず」などと思ったことは一度もありません。
「絶対に泣いてはいけない」「このくらい皆言われているんだから大したことない」と自分に言い聞かせてみても、全く効果がありません。
もう若くもないですし、こんな自分があまりにも自分がみっともなく、本当に情けないです。
解決策を求めてネット検索などしてみても、「泣かれたほうはいい迷惑」「職場で泣くなどありえない」「泣きたくても我慢するのが大人」などのご意見が大半で、ますます落ち込んでしまいます(その通りだと思います…)。
これから先の人生も、すぐに泣いてしまう自分と付き合い続けなければならないと考えると絶望します。
どのように向き合っていけばいいでしょうか。
鋼のメンタルとまでは行かなくても、せめて人並程度には泣かない人間になりたいのですが…。
(33歳、女性、会社員)

 

九州はここ数日大雨が続いていて、一軒家では朝から雨の音が響いています。

もともと集中したい時は、雨か川のBGMを爆音で流すタイプだったので慣れてはいるのですが、朝が来ても空が暗いというのはメリハリがつかないなぁ…と。
どうかこれ以上被害が出ませんように。

さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。

涙って出始めると止まらなかったりもするから辛いですよね。

ましてや、窓口対応だとどんなお客さんがいらっしゃるか予期することもできず、突然のお叱りは心が折れると思います。毎日本当におつかれさまです。

涙が出てしまった時に「どうして泣いたのか」というのを、自分なりに振り返ってみるといいかもしれません。

ただ単に怖かったのか、言われたことが悔しかったのか、生理現象として涙が流れてくるまでに、相談者さんの中では何かしらの感情が動いたはずです。

涙が出そうな時に「泣いちゃダメ、泣きたくない」ということだけに意識がいくと、逆に自分は今窮地にいるんだという気持ちになり涙が流れてくるかもしれませんが、「なんで今自分は泣きそうになったんだろう。どの部分に傷ついたんだろう」と考えられると、少し冷静な自分に出会えるはずです。

以前聞いた話ですが、会議が始まる前に「今日はひどい雨ですね」といった雑談をすることはたいして意味がなさそうですが、「そうか、雨だから自分はちょっとテンションが低いのか」と自覚することで感情をコントロールできたり、相手も同じ条件下にあることを認識できるから、結果的には意味のある雑談になるんだとか。

感情を分析してみることで、少し俯瞰で自分を見つめられるのかもしれません。

怒っている人も、相談者さんの人柄を否定しているわけではなく、基本的には何かしらの事象に怒っているはずです。

それを感情だけで受け止めてしまうと100%「悲しい」気持ちでいっぱいになってしまいますが、相手がその言葉を選んでいる理由や、どうして今こうなったのかを想像してみると、悲しいだけでなく、自分の気持ちを落ち着かせることができたり、あるいは改善に向けた会話ができるはずです。

このお悩み相談コーナーで一度書いたことがあるのですが…、以前私がタクシー乗り場で並んでいた時に、突然後ろにいた年配の男性に列の並び方が分かりづらということから始まり、言われる筋合いもない暴言を色々吐かれた際に、つい「今日よっぽど嫌なことがあったんですね…?」と言ってしまったことがありました。

それ自体は多分言わない方がいいことだったと思うし、むしろ危険な行為だったと思うのですが、その時の私の頭の中の実況中継は「どうしてこの人はこんなに怒っているんだろう?どう考えても私の並び方は正しいはずだが…、あ、そうか。この人今日きっと嫌なことがあって、私に当たっているんだな?やれやれ、困ったもんだなぁ」というものでした。

悲しいよりも疑問が先行したわけですが、こんな人によって傷つくのはもったいないとも思うのです。

相談者さんはきっと純粋な方で、言われたことや雰囲気をそのまま“攻撃”として受け止めてしまうのかもしれません。

「否定された、悲しい、怖い…!」と壁を作る前に、一旦「どうしてこうなった?」を考えてみるというのは、ある意味自分を守ることにも繋がるはずです。

あとは、現代社会を頑張って生きる人たちはみなどこかで“泣く”という行為を求めていたりもするので、定期的に映画やスポーツ観戦などで大泣きしてみるのもいいかもしれません。

変な気候が続きますが、お身体お気をつけて良い夏を過ごしてくださいね!応援しています。

 

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身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
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「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
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