「理想の暮らしを叶える」ことを目的に、栃木県庁と共に「自分らしい地方移住」についての情報を発信している#DiscoverTochigi 企画。
この連載記事では、「移住に興味はあるけれど、一歩が踏み出せない…」という方のために、その土地の人になった気分で短期滞在をする「栃木ショートステイプラン」をご提案しています。
第1回の宇都宮市では、OHYA BASEの管理人として働く藏所千尋さんから、古くから伝わる土地資源を利用した新たなスポットなどを、地元民の視点でたっぷりご紹介いただきました。
【栃木で暮らすあの人に聞く、ショートステイのすすめ Vol.1】 新旧の人が交わり独自のカルチャーが生まれる、宇都宮市大谷町での暮らし。
第2回のショートステイ先は佐野市。
ご当地の名物「佐野らーめん」と聞くと、ご存知の方も多いかもしれません。
第2回の案内人は、この方!
都内で会社勤務をしていた尾花理恵子さん。
地方移住をしようと思ったきっかけは、自分の人生を一度見つめ直したかった、といいます。
尾花さん:
「会社員時代は、忙しくて空を見上げる暇もないくらい余裕がなかったんです。大きなプロジェクトをやり遂げて一区切りがついたとき、会社を辞めて、好きで続けていたヨガのインストラクターとして独立しようと思い至りました。仕事だけでなく、暮らす環境や人間関係などもがらりと変えたかった。候補はいくつかありましたが、全く知らない土地でスタートするよりも、生まれ育った佐野に移り住むことが精神的な安定にも繋がると思い、Uターンを決めました。実家から徒歩20分ほどのところで一人暮らしをしています。」
栃木県南西部に位置する佐野市は、東京から70キロ圏内というアクセス良好な立地。
利便性と豊かな自然を両立しているので、首都圏での仕事が継続できることが大きなメリット。
尾花さん曰く「東京に比べると広くて家賃も安いので、独立して起業をしたい人にとっても良いエリア」。
尾花さん自身、様々な縁があり、居住地である栃木県佐野市、東京都の武蔵小山エリア、神奈川県川崎市の3拠点でヨガクラスを持ち、週に3〜4日は高速バスで通勤。
会社員時代と同じく多忙な毎日のように見えるが、尾花さんの心持ちはまるで異なるといいます。
尾花さん:
「高速バスだと新宿まで1時間半。東京や神奈川での仕事日も、必ず佐野の自宅に戻っています。東京で生活していた頃、自宅に帰っても仕事のことで頭がいっぱいだった私には、むしろバスの通勤時間がオン・オフの気持ちの切り替えになっていい。佐野に着いてバスを降りると、空が広く、空気がおいしくて…毎日ホッとしています。」
オン・オフの境目がなかった、東京での一人暮らし。
移住して余白の時間が生まれたことで、「目の前の景色の移り変わりを感じられるようになった」という尾花さんの声は明るく穏やかで、今の生活の充実度を物語っているかのようでした。
東京からのアクセス良好な佐野市エリア
四季を通して多くの自然に恵まれている佐野市。
南北に長い土壌で、北に連なる山々からの“豊富で良質な水”は、古くより佐野の食文化を育んでいます。
尾花さん:
「近所のスーパーでは、地場産コーナーがあったりするので、今朝採れたみずみずしい新鮮な野菜が、日常的に安く手に入るのがうれしい。また、移り住むことになって再確認したのが、佐野市独自の食の豊富さ。全国的に有名な佐野らーめんをはじめ、いもフライや黒から揚げなどのご当地グルメ、他にも喫茶店文化があり、店主さんのこだわりコーヒーが飲めたり…と、移住してからの小さな発見が楽しいんです。」
店を直接見てまわる楽しみ、地域の人とのやりとりの心地よさのおかげか、ネットショッピングをほとんど利用しなくなったほど。
そんな風に暮らしの変化を楽しんでいる尾花さんが、今回提案してくれたのは、2泊3日の短期滞在で「1日ごとにテーマを決めて行動する」というアイデア。
(▲記事後半でPDFデータをダウンロードしていただけます。)
尾花さん:
「例えば、1日目は自分をいたわるリトリートDAY、2日目は、滞在先で働いてみる日…のような感じで、ここに“暮らす”生活を想像しながら動いてみてはいかがでしょうか。佐野市の生活では車移動がマストなので、着いたらまずはレンタカーをピックアップ。車があれば行動範囲も広がり、気分転換にもなると思いますよ。」
ショートステイのすすめ1
「ひとり時間の息抜きになる、リフレッシュスポットを見つける」
「仕事や人間関係などに疲れ、忙しい生活から離れたくなったら、ふらっと気軽に佐野市に訪れてほしい」という尾花さんの思いが反映された1日目のプランは、心身をリセットできるスポット巡りがテーマ。
尾花さん:
「一人暮らしでもファミリーでも、リフレッシュできる場所は生活圏内に欲しいですよね。私が深呼吸をしに訪れる出流原弁天池は、最高の癒しスポット。佐野は水がきれいなことでも有名なのですが、ここの湧き水の透明度の高さは日本名水百選に選ばれるほど! そして、唐澤山神社もぜひ参拝して欲しい場所。境内にいるさくらねこを愛で、軽く汗をかくくらいのハイキングができます。リフレッシュできたら、おいしい食事で体の内からも癒されて。栄養士の女性が創業されたキャトルクワトンは、新鮮な野菜たっぷりのランチが食べられるのが魅力。店主マキさんの優しい人柄にも癒されます。」
他にも、尾花さんがお散歩におすすめする朝日森天満宮など、自然のエネルギーや、神聖な気が宿る場所が数多く存在する佐野。
ショートステイ中に、日頃の疲れを癒して、パワーチャージができるお気に入りスポットを見つけて帰るのもいいかもしれません。
ショートステイのすすめ2
「暮らすように働いてみる」
移住後のリモートワークを想定して、2日目は市内のコワーキングスペースへ。
尾花さん:
「女性専用コワーキングスペースVALO、佐野駅近くのコミヤビルニカイの他、佐野市内には多くのサテライトオフィスやコワーキングスペースがあるそうです。パソコンを持ち込んで午前中はリモートワークをしたら、神谷カフェでランチ休憩を。ここは、スパイスカレーやパンケーキが人気のお店。ランチだけでなく、カフェ前にあるコンテナでスイーツのテイクアウトもおすすめです。仕事の続きをする際のおやつにぜひ!」
夕食にはテイクアウトを利用して、自宅でのリモートワーク気分を味わった2日目。
あえて予定や目的を詰め込まないことが、“暮らす”気分で過ごせる秘訣なのかも。
ショートステイのすすめ3
「食べ歩きを楽しみながら、その土地の空気感を味わう」
3日目のスタートは、尾花さんが講師を務めるsano yoga ruitoで開催される早朝ヨガクラスに参加。
地元の方が集まって交流するような場所に飛び込むことで、違った角度からその土地のことが知れるはずです。
尾花さん:
「気持ちよく体を動かすことからスタートした最終日のプランは、食べ歩きがメイン。佐野を代表するB級グルメや、私も大好きなコーヒーショップを巡りながら、町の空気感を肌で感じて欲しいです。」
福伝珈琲店をはじめ、WAFFLE COFFEE、蔵和紙カフェカクニ、COFFEE&DONUTS FIVEなど、佐野駅周辺におしゃれなコーヒーショップが点在しているのでカフェのはしごも可能。
佐野らーめん晴れる屋の佐野らーめん、佐野の新名物でもあるからあげ家なるねこの黒から揚げ。たくさんのおすすめを挙げてくれた中でも尾花さんいちおしなのが、佐野の農作物を使ったジェラート屋さん。
尾花さん:
「佐野は年間を通して様々なフルーツが採れるので、地元産の季節の果物を使ったジェラートが絶品なんです。佐野観光農園アグリタウンにあるGelateria Auguriをはじめ、市内に数店舗あるので、実家の母と弟を誘って食べに行くのにハマっています。今や趣味のひとつですね!」
プランに余裕があれば、佐野厄除大師や佐野プレミアムアウトレットなど、佐野を代表する観光スポットにも足を運んで、たっぷりと佐野の魅力を味わう2泊3日。
様々な側面を知れたことで、移住に繋がっても繋がらなかったとしても、この町とつながりを持ちたくなる…このショートステイの経験が、未来の自分への想像を膨らましてくれそうです。
今の環境に疲れてしまったら、深呼吸ができる場所へ
自然が身近にある佐野での穏やかな時間と、首都圏への通勤による活気のあるワークスタイル。
その両方を叶え、新たな暮らしを手に入れた尾花さん。
尾花さん:
「今後の自分自身のあり方に、疑問や不安を抱えているなら、まずは気軽な気持ちで佐野へぜひリフレッシュに来てください。私自身、人生やキャリアに行き詰まった30代前半に、仕事・拠点・人間関係を少しずつ変化させながら現在の生活スタイルになりました。一度きりしかない人生、自分が幸せな気持ちで過ごせる選択ができますように…!」
「この豊かな自然に囲まれながらヨガやアーユルヴェーダのワークショップをやりたい」と、近い将来の展望を語る尾花さんのように、移り住むことで見えてくるものもきっとあるはず。
豊かな自然、利便性、食文化…人によって新たな価値が見つけられそうな佐野市。
まずは深く考えず、美味しいものを食べ、心穏やかな呼吸を感じるためだけに。
そのくらいの軽やかさで足を伸ばしてみませんか。
尾花さんが提案してくれた
2泊3日のショートステイプランニングシートはこちらより
ショートステイプランニングシート
ショートステイの実現がぐっと近くなる「ショートステイプランニングシート」を無料で配布しています。
下記よりダウンロードして、楽しんでいただけたら嬉しいです。
ダウンロードはこちらより
この記事は、NEXTWEEKENDと栃木県とのコラボレーションで制作しています。
Text:Hitomi Takahashi
Design : MOGAMI studio
Editor:Saki Goda